- 週間ランキング
本調査では、「推し活をすることによって若年層の女性が(生活に必要な費用を除いて)いくら月にお金を使うのか」を調査する目的のため、公式グッズやライブなどに使用する費用だけではなく、遠征の際の交通費や推し活を一緒にする友達とのカフェ代なども含めて回答しています。
中高生のうち半数以上が5,000円以上を使い、約6人に1人が10,000円以上使っているという結果になりました。
この金額は自分で自由に使えるお金を増やす手段が限定される中高生においては高い数字と考えることができます。
また、自由な時間や行動範囲が他の年代よりも限られる年代ということを考慮すると、18歳以上の1人当たりの金額の半分という金額は、とても高い推し活における熱量を表していると考えられますね。
大学生や専門学生、就職から数年目の18~24歳の層では、半数以上が1万円以上となり、中高生よりも大きい金額の割合が大きくなっていることが分かります。
月50,000円以上の割合の回答をさらに具体的にみると、100,000円以上と回答する人も見受けられました。
この年代になると行動範囲や可処分時間が増えるため、遠征での現場参戦や多ステも可能になり、年に数回の多額な消費が含まれることも要因と考えられます。
社会全体の中では可処分所得が少ない世代であることを踏まえた上でこの金額を考えると、その他の消費を我慢するほど、推し活関連の消費への意欲がとても高いと言えますね。
そして、収入のうち生活費や毎月の積立貯金を引いて余った金額を趣味に使うということではなく、推し活という明確な将来の消費を目的にして労働・貯蓄をしていると捉えることもできます。
この世代では、18~24歳での推し活消費の結果とあまり変わらないことが見受けられます。
25~34歳の世代では多くが社会人としての生活に慣れ、経済的な自立をしている年齢に。
各々の将来に備えたライフスタイルを意識する時期でもあり、年収を25万円/月前後と考えると、18~24歳の年代に比べて推し活などの趣味に当てることができる金額はそこまで変化しなく、この年代の前半では少なくなる場合も考えられます。
上記の内容からこの結果を見てみると、年齢を重ねても推し活への熱量は大きく下がらないと考察できますね。
推し活をいつから始めたか、というデータを今回のアンケート調査ではとっていませんが、年齢によって推し活への消費意欲があまり大きく変わらないという仮説を立てることができる結果となりました。
結果をみるとどの世代でも、推し活に使う費用のうち約25%程度を公式から供給される製品・サービス・イベント以外に消費していることが分かります。
中高生では可処分所得が低いため、いかに公式からの供給に費用をあたられるかが重要であるため、0円の割合が高いのかもしれません。
また、18歳以上の年代では前述したように、遠征や多ステ、交流が広がることにより、推し活への熱量と使える金額が大きくなるほど、推し活に直接的には関連しない消費にかかる金額も増えると考えられます。
※上記のグラフと各数値は「公式に使う金額の割合」と前項の「【年代別】月に推し活に消費する費用」から算出しています。
アンケート調査では任意回答として、推し活における悩みについて質問したところ、78%もの方が回答しました。
その中で上位2つを紹介します。
推し活において、「金欠」の悩みは尽きません。特に、二次元や配信者などのオタクにとって、投げ銭の金額やグッズの数は、周囲にも目にみえる形の最も分かりやすい推しへの熱量のパラメータとしての役割を持ちます。
そしてこれは、「推しにお金を使えない」=「推しの役に立ててない」「他のオタクよりも推しへの愛情が足りない」という考えが芽生え、さまざまな危険が生まれる可能性も。
また、推し活への熱量の高さから衝動的に消費行動を行うことは十分に考えられるため、お金の管理を思うようにできないという悩みが生まれると考えられます。
推し活をするために仕事をしていても、その仕事のせいで大事なイベントに参加できないという悩みも生まれます。
また、これに付随して、「経済面とワークスタイルの両面で推し活に最適な仕事がない」、「仕事が忙しくて情報が追いきれない」などの悩みも見受けられました。