「ケモノになるんだケモノに!」ギターウルフ・セイジ映画「ギミー・デンジャー」初見の人へメッセージ!


 ロックバンド『ギターウルフ』のギター&ボーカルのセイジ(53)が18日、東京・新宿シネマカリテで映画『ギミー・デンジャー』(監督:ジム・ジャームッシュ/配給:ロングライド)トークイベントに登場した。


 1967年にイギー・ポップにより結成され72年に解散した伝説的4人組バンド『ザ・ストゥージズ』を追ったドキュメンタリー映画作品。同グループといえば攻撃的で実験的なサウンドと、なによりもフロントマン、イギーの危険で過激なステージングにより、それまでのロックの概念を破壊!半裸でのクレイジーなパフォーマンスから日本では“淫力魔人”なる邦題もつけられほどの存在感を見せつけた。当時、評論家から「下品で退廃的」と叩かれたが、セックス・ピストルズをはじめラモーンズ、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズがこぞって影響を受けたと公言し、2010年にはロックの殿堂入りと、存在そのものがロックなグループである。


 作品へセイジは、「面白かったです!」と、まず一言切り出すと「だいたいアメリカが作るこういう映画だとすごいつまんなくなるんですけど、これはイギーがいっぱいしゃべってて、自分が知りたかったライバル関係だった『MC5』とかの話もしてて」と、見応えがあるものに仕上がっているそうで、「あの時期に強力なライバルがいたおかげで、すごくなっていったんじゃないかと。そのへんがよく描かれていたのでたまらなかったですね。一番最後、『MC5』のことをイギーの口から出るところはさすがだと思います」。


 セイジがイギーを初めて目撃したのは1998年のフジロックフェスだそうで、「俺たち『ギターウルフ』も出たけど、イギーは同じステージのトリで出ていて。出番の時間を30分過ぎて、『いいかげんにせい!イギー!!』という感じでみんな待ってた(笑)。そうしたら、パッと見た照明の中に、人間の形をした野獣がいて。上半身裸で野獣だ!って。それからオーラがすごくて1人の人間がこのオーラを発するのかってその雰囲気にビックリしましたね」と、身振り手振りを交えて当時の様子を興奮気味に伝える。


 その『ストゥージズ』のすごさについては「ギター奏法を本人が解説している本があったけど、さっぱり分からない(苦笑)。どう弾いているんだろう……」と、理解を超えるレベルであることを証言。さらに、サンフランシスコでのフェスでイギーに会えそうな機会はあったというセイジだが、「握手してもらおうと思って『ギターウルフ』が終わった後に楽屋で待っていたんだけど、なかなか来ない。そうしたら黒いリムジンが来て、そっからステージに飛び出していって、終わったらそのリムジンに乗って……握手できず(笑)」と、そう簡単にはいかなかったようだ。


 現在のイギーは70歳という年齢だが、セイジは「パッと見たら筋肉ムキムキで、出てきていきなり客のところにダイブする……なんだこのジジイ!!いやーすごいなって。イギー・ポップはケタが違うなって」と、羨望の眼差しを向け「いろんな外タレを見ていて、すべてのバンドの中でイギー・ポップは別格!」とまで言わしめた。


 しかし、イギーは最近発売したアルバムで引退をほのめかすようなコメントをしている?とも、司会から伝えられると、「本当かそれ!?それは宮崎駿作戦じゃない?アルバム売るために」と、軽口を叩いて観客たちを爆笑させていた。


 初めてイギーに触れる人へ、セイジから「ケモノになるんだケモノに!」と、PRしていた映画『ギミー・デンジャー』は9月2日より新宿シネマカリテほか全国順次公開!



セイジ

情報提供元: News Lounge