チョコアイスバー『パキシエル』(森永製菓)の売り上げが絶好調だ。2013年の発売から4年で売上は約3倍(2013年3月-2014年2月=100%として。森永調べ)になり、前年比120.4%と売上を伸ばしている。


 人気の秘密は、全長85㎜と一般的なバーアイスよりもひと回りもふたまわりも小ぶりで、ついついもう一本と手が伸びてしまうサイズ。ひと箱7本入りというお得感もさることながら、板チョコのようにコーティングされた(※1)チョコを“パキッ”と割ったあとに溶け出すチョコレート。


 さらに、口の中に広がるチョコと食べるたびに口の中でパキパキと歯切れのいい音をさせる厚さ7㎜のチョコの食感が癖になる。実際にネット上でも「ハマる」「クセになる」とSNSを中心に話題が広がっている。


 そこで森永では、やみつきになる理由を科学的に検証する実験を行っている。第一弾の昨年は、五感情報工学が専門である横浜国立大学大学院環境情報研究院の岡嶋克典教授に協力を依頼。「パキシエル」の特徴である「厚さ7㎜の先端チョコ」をテーマに、硬さや一口目の“パキッ”音がおいしさ実感に与える影響を調査。


 その結果「パキシエル」がやみつきになる原因は、そのおいしさに加えて「厚さ7㎜の先端チョコ」が生み出す、「食感」と「音」にあることがわかった。


 第二弾の今年は“パキッ”という音そのものに注目。“パキッ”という音の秘密を探るべく、音の専門家である日本音響研究所の鈴木創代表に協力を依頼し、『パキシエルの“パキッ”音に関する実験』を実施した。


 その結果、「パキシエル」の“パキッ”音は、爽快さと心地よさの2つの要素を併せ持った音であり、おおよそ結びつかない『沖縄の波の音』に近いことがわかった。また、リラックス効果があることも判明した。


 ◆実験詳細


 【実験A】“パキッ”音の音色測定と周波数分析


 実験結果(1)厚さ7㎜の先端チョコが生み出す“パキッ”音は、バラエティ豊かな音色


 「パキシエル」の“パキッ”音の特徴を調べるため、音色測定と周波数分析を行った。特徴的なのは図(1)のように縦方向に上から下まではっきりでていること。また、オレンジや緑、青など、様々な色で構成されていること。これは一口食べただけで短時間に何回も音が発生しており、それが単一の音色ではなく、それぞれが異なる周波数にピークを持つバラエティ豊かな音色であることを意味している。



 図(1)パキシエルの“パキッ”音の図面


 縦軸:音域の広さ(Hz)=周波数


 横軸:時間(秒)


 色:音色


 実験結果(2)“パキッ”音は癒しを感じる沖縄の波の音と同じカテゴリーに属する爽快さと心地よさを併せもつ音


 さらに、“パキッ”音と同じく特徴のある音は、パキシエルと同様なものなのか、それとも全く異なるのか、ウインナーの一口目、ゴルフのドライバーショット音など合計30種類以上の音を収録し、音の発生数、音に含まれる周波数、咀しゃくに伴う音(食品の場合)の変化を分析した。すると、図(2)の通り、パキシエルは想像以上に音域が広く、音の数が他の音よりも多いので、右上に位置することがわかった。縦軸はゴルフのショット音に近く、横軸は小川のせせらぎ近い位置にある。音域の広い音は「爽快な音」とされるものが多く、1秒間あたりの音数の多い音(種類の多い音)は「心地よい音」と捉えられる傾向がある。赤色の対角線に近い部分に分布している音は、爽快感と心地よさを併せ持つ特性があると考えられる。爽快感はゴルフのショット音並み、心地よさは沖縄の波の音と同等以上であることが明らかになった。



 図(2) パキシエルの音域の広さと単位時間あたりの音数の関係性


 縦軸:音域の広さ(Hz)=周波数


 横軸:単位時間あたりの音数(回)


 1秒間あたりの音の数をカウント(食品は一口目)。


 【実験B】“パキッ”音の脳波測定


 実験結果(3)“パキッ”音には、ミッドα波を増加させ、リラックス効果がある


 音色測定と周波数分析の結果から、特徴的な音である“パキッ”音には、他にも秘密があるのではないかと考え、脳波測定を行った。その結果、被験者8名中7名がパキシエルの“パキッ”音を聞く前と聞いた後では、リラックス状態を表す「ミッドα波」の増加がみられた。これは、緊張が緩和されたリラックス状態を表し、ストレス低減にも繋がる可能性があるといえる。



 図(3)被験者のミッドα波の推移


 縦軸:被験者の脳波におけるミッドα波の割合


 横軸:“パキッ”音を聞く前後


 ミッドα波(9-12Hz)とは…


 緊張のないリラックスした状態で、意識が集中しており、頭がさえているときに優位にでる脳波。脳力発揮に最もふさわしい状態の脳波。


 実験概要


 被験者:30代~40代女性8名(A~H)/測定方法:脳波センサーを装着し「ベータ波」「ファストα波」「ミッドα波」「スローα波」を測定/使用機材:株式会社脳力開発研究所製アルファテック5/実施時期:2017年4月/実験監修:日本音響研究所


日本音響研究所所長(日本音響研究所代表取締役)の鈴木創氏


 ■実験を行った日本音響研究所所長(日本音響研究所代表取締役)の鈴木創氏


 食品に限らず、製品音、または製品が発する一部の音をこれまで数多く分析しているが「いい音」だと直感的に感じることは多くない。食品の咀嚼(そしゃく)音は歯で食べ物を砕く時に発生する音であり、基本的に音の世界では衝撃音に分類され、「いい音」に分類されることは少ないが、「パキシエル」をはじめて口にした際、“パキッ”という食感音と同時に、音色の豊かさを楽しめる「いい音」がでる可能性を感じた。


 実験を行った結果、期待に反せず、パキシエルの“パキッ”音は非常に珍しく、爽快さと心地よさの2つの要素を併せ持つ音だということがわかった。沖縄の浜辺に打っては返す、静かな波の音に近いとカテゴライズされたのは意外で、アイスの音と南国沖縄の浜辺の波の音に共通項があるとは想像できなかった。「パキシエル」を食べて癒やされる人がいるとすると、この音の存在が一部担っているとも解釈できる。偶然かもしれないが、味わいに加えて食べる楽しみを音でもサポートする設計になっているアイスというのは非常に興味深い。


 今回の実験で判明した「パキシエル」の音が持つリラックス効果は、ストレスフルな現代人にとって大きな助けになるものだと考えられる。「パキシエル」を食べる際は、味だけではなく、是非この“パキッ”という「いい音」にも耳を傾けてリラックスしていただきたい。


 ■森永製菓「パキシエル」とは?


 「パキシエル」はまるで板チョコのように分厚く、パキッとした歯ごたえと、ベルギー産チョコレートを使った本格的な味わいが楽しめるチョコアイスバー。森永製菓独自の分厚いチョコでアイスを包む製法により「厚さ7mmの先端チョコ」を実現。


 









情報提供元: News Lounge