リンクスインターナショナルから発売されているiOSデバイス用のライトニングコネクタ直結でハイレゾに対応したヘッドホン『IC-Headphone』を使用してみた。ライトニングコネクタとは、iPhoneについている両面どちらでも差し込めるあの差し込みのことだ。
箱から取り出すと、中に入っているのは直径40ミリメートルのドライバーユニット(スピーカー)を組み込んだヘッドホンだ。
ライトニングコネクタにさせばそのまま使用できる。記者はiPhoneを持っていないので、iPad mini4にさしてみた。
気になるのは右側のスピーカー部分に3つのボタンがあること。これは2つが音量調節ボタンで、1つがマルチコントローラーになっている。音楽を聴くときには押す回数により再生・停止、早送りや巻き戻しボタンとなる。
また、このヘッドホンはマイク内蔵で、ハンズフリー通話に対応している。耳に差し込むイヤホンタイプのハンズフリー製品は数が出揃ってきたが、ヘッドホンではまだ多くない。電話がかかってきたときにはコントローラーのボタンを押せば受話できる。もう一度押せば切断だ。
本体は250グラムと軽量で、特に装着時に重さを感じることはなかった。
ヘッドセット部は頭の大きさに応じて伸縮するのは当たり前として、前後にも可動するので好みの位置でフィットさせることができる。
さらに、カバンに入れて持ち運ぶ際には折りたたみができる構造になっているので、思いの外かさばらない。
まずは、装着感と音の感じをモデルの柏木菜々さんに試してもらった。
彼女は普段から同社が販売しているライトニングコネクタ直結の耳に差し込むタイプのイヤホンを以前から使用している。したがって、普段使いの同社製品との比較となる。
--装着感はどうですか?
「あまり重くはないですね。フィットしますよ。つけた感じもかっこよくていい感じですね!」
--音はいかがですか?(サンプル音源は用意せず彼女のiPhoneに入っているお気に入りの音楽で試してもらった)
「イヤホンよりもスピーカーが大きいだけあって、さすがに迫力が違いますね。聞いた瞬間、“わ~っ”という感じで気持ちがいいですね。そして音の感じというか、音そのものがずっと聴いていても疲れない感じがします。これで電話もできるんですか?マイクが口元についてないのにちゃんと聞こえるんですかね?」
当然のことながら、音源がそれに対応していなければハイレゾ対応とは言え、元が悪い音源を良い音にできるわけではない。しかしこの小さいヘッドホンの中に、CDやDVDと同じようにデジタル信号をアナログの音に変換するD/Aコンバーター、音を大きくするための増幅アンプ、ハンズフリー通話をするためのマイクユニットまで内蔵しているというわけだ。
柏木さんの疑問に応えるべく、記者は自分のiPad mini4で通話性能を確認してみることにした。
こういうことは悪い条件で試すに限る。キャリアの回線交換電話よりも条件の悪いフェイスブックメッセンジャーを使用し、外国との間で音声だけではなくビデオ通話を行ってみた。相手国はフィリピン、日本側は条件を合わせるためにあえて最高速度1MbpsのケーブルテレビWi-Fi回線を使用した。
普段は市販のイヤホンマイクで行っているメッセンジャーでの通話だったが、明らかに相手に届く音声に違いがあるのか開口一番、”Your voice is very clear!”と驚かれた。この条件で満足のいく通話品質であれば、回線交換の電話では 全く問題ないだろう。
正規MFI認証を取得しているので、品質面では安心して使用できる。価格は実売で1万円前後だ。
音の感じ方は個人差があるので一概には言えないが、同様の機構を持ったヘッドホンは相当な価格をつけていることを考えればコストパフォーマンスは高いといえるのではないだろうか。
店頭で自分のお気に入りの曲を聴いてみる価値はありそうだ。
取材・執筆記者 古川智規(フリーランスライター)
※写真は全て記者撮影
モデル 柏木菜々