アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズを映像と音楽で体感できる『ガンダム LIVE EXPO~ジオンの世紀~』夜の部が12日、神奈川・パシフィコ横浜で開かれ昼・夜それぞれ3000人の観客が詰めかけた。
場内には『ガンダムのミリタリズム』をテーマにした原画や設定、『ファースト』の名場面のセル画、『Zガンダム』CDジャケットイラスト、『逆襲のシャア』LDジャケットイラストなど170点以上が展示され、ファンの気持ちをくすぐる展示が。
そしてイベント本編へ。オープニングはミネバ・ザビ(CV.藤村歩)の語りから宇宙世紀を俯瞰的に語るところから始まる。そして『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』へつながり、池田秀一の生朗読によるシャア・アズナブルの独白、潘めぐみによるセイラ・マスの心情などが映像とともに語られた。
途中には『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の映像も入りシロー・アマダ(CV.檜山修之)による語り、米倉千尋による『嵐の中で輝いて』のライブなどで盛り上がった。
中盤は、今月25日から劇場公開のディレクターズカット版『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』のカットなどの上映がありつつ同作のジャズなどの音楽を担当した菊地成孔氏と松尾衡監督によるトークがあり、普段はアニメに触れることもないという菊地氏が同作に携わった経緯や、「スタッフの方たち良いい人ばかりで、世界的なコンテンツは違う。音楽に絵が合わさったときにぜんぜん違うなと感じました」と、納得できる仕上がりな様子だった。
後半は『機動戦士ガンダム0083』から。こちらはアナベル・ガトー(CV.大塚明夫)がガトーになり切っての心情を告白していたが、「ソロモンよ!私は帰ってきた!!」という名台詞も聞けるレアなものに。そこから『機動戦士 Zガンダム』でカミーユ・ビダン(CV.飛田展男)の語りや、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダムUC』での池田のシャア・アズナブルとフル・フロンタルしての朗読などより深く作品のときの心情が分かるものに。
宇宙世紀を振り返る朗読を終えて、トークコーナとなり潘は「胸いっぱいの思い出、自分の気持ちも乗って」と、作品に入り込んで涙ぐむ様子を見せたり、池田は「きょうのことを生かして頑張りたい」と、今後キャスト自身にもいっそうの深みが加わりそうだった。
また、途中には森口博子が白いドレス姿で登場。デビュー曲となった『機動戦士Zガンダム』の『水の星へ愛をこめて』の伸びやかな歌唱や、キャストとのトークも。なんと森口が池田と潘と会うのは本イベントが初めてだということが明かされ、「池田さんは別ところではニアミスということがあったんです。でも、初めてなのにきょうもお久しぶりですと言っちゃって」と、苦笑いすることも場内がどよめくことも。
さらに、終盤には森口が『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の主題歌を担当し25年ぶりにガンダムシリーズの楽曲を歌うことを発表。これに、森口は大喜びで、「胸がいっぱいです。ガンダムはデビュー曲です。歌手・森口博子がたくさんの方と出会うことができた人生を変えてくれた作品です。また再び帰ってくることができて、こんな素晴らしい機会を与えてくださったスタッフのみなさん。ずっとずっと、楽曲を必要としてくださっているファンのみなさんに、心からお礼させてください」と、感謝のメッセージを。
そして、森口は『機動戦士ガンダムF91』と宇宙世紀のダイジェスト映像に合わせ『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』を雰囲気たっぷりに歌い上げ、「あした40ウン歳になるんですが、最高のバースデーになりました!」と、笑みを見せた。
最後は3000人が総立ちで、ギレン・ザビ(CV.銀河万丈)の音頭に合わせ「ジーク・ジオン!」と叫んで、終演を迎えていた。