宝塚歌劇団による国歌斉唱も


 『パラ駅伝in TOKYO 2015』が29日、東京・駒沢オリンピック公園で開かれ、19団体171人が秋の駒沢を駆け抜けた。


 約1万4200人が詰めかけた会場に、正午前になると雲1つない好天の陸上競技場に日本体育大学のブラスバンド&チアリーディングが現れ、力いっぱいのチアリーディングと音で盛り上げる。そんな場内が盛り上がったところに選手たちが入場してくることとなった。


 本駅伝は初開催。健常者と障がい者が年齢性別問わず11都県から参加。最年少13歳から最年長1区間2.563キロ(各区間共通)を全8区、20.504キロでたすきをつなぐ。第1区は視覚障がい者と伴走者が、第2区は健常者の男性、第3区は車椅子走者(女性)、第4区は健常者の女性、第5区は肢体不自由者、第6区は知的障がい者、第7区は聴覚障がい者、第8区は車椅子走者(男性)となる。


 会場には多くの観客が詰めかけ、盛り上がりを見せることに。舛添要一東京都知事らからあいさつがあると、国歌斉唱は宝塚歌劇団から星組トップスター・北翔海莉が務めることに。星組トップ娘役・妃海風、天彩峰里、希沙薫、二條華、極美慎、きらり杏、碧海さりお、夕陽真輝、星欄ひとみとともに登壇し、アカペラで君が代を伸びやかな声で会場中に響かせた。


 第1区から4区までは『東京青いトマト』チームが独走状態だったが5区でブレーキがかかり、『神奈川スターズ』が逆転することに。結果、『神奈川スターズ』が1時間28分37秒で1位のゴールテープを切る。


優勝の神奈川スターズ


 アンカーを務めた長田龍司さんは「第1回で感無量です!」と、思いの丈を語ると、祝福に駆け寄った『SMAP』中居正広は「素晴らしいですね!」と、健闘をたたえていた。その後も4、5位のチームがゴール前で接戦となり、会場中が沸きに沸くなど、歓声と拍手であふれることとなった。


 競技中は「頑張れ!」と応援の温かい声がそこかしこから飛ぶことに。観戦にも耳の不自由な方のために、手話の通訳がつく席があるなど工夫も見られるものとなった。


 終了後にロンドンパラリンピックに初出場した陸上女子100メートル、200メートル(T44/片下腿切断などのクラス)で7位入賞を果たした高桑早生選手(23)が報道陣の声に応じ、本大会へ「急きょでしたけど参加してよかったなって思います」と、手応えを感じたよう。


 さらに高桑選手は「今回お客さんにたくさん来ていただいて、もしかしたらアーティストを観たいという思いが強い方が多かったかもしれませんが、今回すごいなと思ったのは最初から最後まで通してお客さんずっと会場にいてくれたことがすごいと思ったんです。その時間を共有できたというのはよかったと思います。たとえば、義足が走っているとか、車椅子が走っているとかを初めて見たっていうその経験が大事かなって。テレビとかの特集とかニュースでこの前これを観たというので、それが波紋のように広がっていくのが重要かなと思っています。きょうは選手自身もアピールできたと思うし素敵な時間になったと思います」と、思いを語っていた。





 


 


 


  


情報提供元: News Lounge