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写真)石原新菜氏(イシハラクリニック副院長)
「感染症シーズンにおいては、『手洗い』『うがい』『バランスの良い食事』『体を温める』などの基本的な対策に加えて『口腔ケア』に注目していただきたいです。」と語るのは、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生。
口と鼻からウイルスが侵入する呼吸器感染では、口は感染対策における第一関門です。舌は健康のバロメーターとして健康状態が表れやすい場所。舌の上に表れる「舌苔」は細菌や汚れの塊であり増加すれば感染リスクを高めるため、意識してケアをする必要があります。
写真)上田貴之氏(東京歯科大学 老年歯科補綴学講座教授)
上田貴之教授によると、コロナ禍に関係なく現代人は柔らかいモノを噛む・早食い・ストレスなどの影響で唾液不足の傾向にあるそうです。
唾液にはペルオキシダーゼ、ラクトフェリン、リゾチーム、免疫グロブリンA(IgA)などの免疫物質が含まれており、これらがウイルスや細菌にくっついて体内に入らないよう阻止し、口腔内や気道粘膜への感染防護の役割を果たしています。唾液が減少すると口腔内免疫が低下し口腔内細菌が増加します。
唾液分泌量の低下による口腔内細菌の増加は、上気道(鼻腔から咽頭まで)での感染リスクを高め、さらに増加した口腔内細菌の防御に免疫物質が使われて枯渇するという負のスパイラルに陥るのです。
写真)安部茂氏 (帝京大学 医真菌センター客員教授、薬学博士)
15年にわたり「カンジダ菌の“カビのフィルム”形成を抗菌薬や食品によって抑制する研究」を続けてきた安部茂教授らグループによって考案されたアロマ成分複合体「DOMAC(ドゥーマック)」は、抗炎症化作用のあるライチの種由来のオリゴノール(低分子化ポリフェノール)やシナモンの桂皮、シトラール(レモンやオレンジなどに含まれるモノテルペンアルデヒドの一種で、強いレモンの香りがする油性液体)の他、デカン酸、プロタミンペプチドなどの成分で構成されており、舐めることで口臭減少や口腔内細菌の低下、口腔炎症状の緩和、風邪様症状改善などの効果が期待されています。
今回「オーラルウェルネス推進委員会」は手軽な口腔ケア対策として、キャンディを用いた研究結果を発表ました。
20代~30代・40代男性20人を対象に行ったDOMAC配合キャンディと一般的な無香料・無着色のキャンディ、そして何も摂取しない3群のクロスオーバー試験においては、DOMACを含んだキャンディを舐めた群のIgA濃度が高くなるという実験結果が。さらに、DOMAC配合のタブレットを7日間摂取し続けた実験では、プラセボを摂取し続けた群と比べ、舌苔を2割減らし舌表面の微生物を4割減らす効果がわかったそうです。
このようにDOMAC配合キャンディは、場所を選ばずオーラルケアを日常的に行いやすい点を含め、新しい口腔ケアのカタチとして期待されています。
写真)小原道子氏(岐阜薬科大学 地域医療薬学寄付講座特任教授、ウエルシアHD株式会社 会長付地域連携推進担当部長)
小原道子教授は地域医療の視点から、「在宅医療にシフトしている昨今、介護や食品との連携や地域の健康を守る薬剤師(薬局)の役割は大きい」と話し、介護の現場では舌の力を鍛えるためにキャンディを利用することはあっても、唾液分泌の促進や免疫力アップの点から口腔ケアを行ったことは少なく、口腔機能の低下は在宅医療の大きな問題でもあるため、気軽に購入しやすいDOMAC配合キャンディが、幅広く地域社会に定着することに期待を寄せました。
DOMAC配合の商品としては、すでにUHA味覚糖から『UHAシタクリア ブランド』が発売されており、キャンディやタブレット、ジェルといった形態で気軽で美味しく、楽しい口腔ケア+免疫力アップを試すことができます。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中で、ますます口元で感染を防ぐ“水際作戦”が大切になってきそうです。感染予防と口腔ケアについての詳細は「オーラルウェルネス推進委員会」公式ホームページ https://oral-wellness.jp/ まで。