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写真)開放的な風景と水面。のんびりするのにもってこいのロケーションです。※筆者は「戸田駅」からレース場にむかいました。向こうに見える橋が「戸田公園大橋」です。
レース場を見渡せる「戸田公園大橋」を渡り、入場ゲート(3階)に到着。入場料100円を払って入ると広い施設内には投票所とスタンド席が並びます。
ここで予想外なことがひとつ。筆者と一緒に何組もの子供連れのファミリーが入場ゲートをくぐり施設に入っていくのです。ボートレース場というと…年齢高めのイメージがありましたが…まさか、笑顔いっぱいの子供たちと一緒になるとは思ってもみなかったので驚きました。まるで遊園地に来たかのような明るさなのです。
写真)3階スタンド席からレース場が見渡せます。
今回は、ボートレース初心者である筆者のために、初代ボートレースアンバサダーの植木通彦さんが施設やレースの見どころを案内してくださるとのこと。植木氏は1986年に福岡でデビューし2007年に引退するまで“艇王”としてその名をとどろかせた選手。ボート界のレジェンドとして未だ絶大なる人気をほこる方です。
写真)植木通彦さん。姿を見かけたお客様が、「マジで植木さんじゃないですか!」と驚いて声をかけてくる度に、笑顔で応える姿が印象的でした。
お昼過ぎに到着した筆者のために、「戸田の名物グルメをご紹介しますよ」と、まずはスタンド席に隣接した「レストラン ワールドⅡ」やフードコートを案内いただきました。旨いと評判のラーメンやカレーの他、お得でボリューム満点の定食など豊富なメニューがずらりと並ぶグルメスポットは見逃せませんよね。
写真)ここは社食かなにかでしょうか(笑)。ビールセットがあるので、まごうことなきレジャー施設内のフードコートですが、それにしてもバラエティーに富んでいます。
ここのおススメは何と言っても軽食「ファイン」の“戸田メンチ”。ずっしり肉厚でジューシィなメンチカツが絶品なのです。 熱々の戸田メンチを頬張りながらレースを観戦するもよし、お土産にするもよし。夕食のおかずとしてテイクアウトするお客様も多いそうです。
写真)外はサクサク!中はお肉がギッシリ!こんなメンチを買えるお店が近所にあったらいいのに。
写真)植木さんと一緒に戸田メンチをいただきました!
写真)「ファイン」にも、お子さんと一緒のママさんの姿が。揚げ物系のおかずを買って帰るのかな?
写真)1階の水面際から。レースの合間に浮遊物の確認をしている掃海艇。
腹ごしらえを終えたところで、施設内を案内していただきながら、ボートレースの楽しみ方や予測の方法を植木さんに伺いました。
まず注目すべき点はST(平均スタートタイミング)。他の選手と比べてST数値が低いほどスタートが早い目安になります。
植木:「ボートレースはフライングスタート方式なので、スタートライン手前40mに設置されている大時計(発走信号用時計)が0~1秒を示している間にスターラインを通過しなければならず、0秒より早く到達すればフライングになり、1秒より遅ければ出遅れとなります。その大時計を通過したタイミングの平均値がSTです」
なるほど、ボートレースは左回りなのでインコースであればあるほど有利です。つまりST値が早ければそれだけ内側を狙いやすい選手だということになりますね。
しかしここで大切なポイント。全国24ヵ所あるボートレース場のなかで戸田は最もプールの幅が狭く、そこをぶつからないように前を走る選手を“まくる”(外側から抜かす)のが困難な競走場といえます。
植木:「広ければ逃げるスペースがあるのですが、狭いプールでは包まれる(囲まれてしまう)ので行き場がなくなってしまう。よってスタートの遅れは致命傷となり、コース上もっとも有利な1号艇といえども出遅れれば巻き返しが難しいです」
出典) https://www.boatrace.jp/static_extra/pc/guide/guide.html
さらに、もうひとつ押さえておきたいのが積んでいるモーター番号。勝率が良いモーターほど着順が良くなる可能性がありますが、このモーターの見極めは初心者には難しく、ある程度の経験と知識が必要です。
植木:「選手が積むモーターは各節ごとに抽選で決まります。そのため優秀なモーターに当たれば、格下の選手が格上の選手を超えるチャンスです。逆に、メカニックに強いベテラン選手が成績の良くないモーターを上手に調整し性能を上げてくる可能性もあるわけで、その辺りの駆け引きと予想は各モーターと個性や選手らのパーソナルデータを知っておく必要があります」
出走表に記されているモーターの勝率は、色々なレーサーが乗った総合的なもので、基本的にはこの勝率とSTが良ければ1着になる確率が高いといえます。さらに、戸田のプールは狭いために予測が変わりにくいはず…なのですが、それは、艇が予測通りの好スタートが切れた場合に限るのです。
また、1、2、3着を予想するためには、隣接した艇同士の成績を比べて着順を予想する必要があります。例えば3号艇の選手が2号艇の選手より調子の良い兆しがあれば、さほど成績がふるわない選手だとしてもそのレースでは有利になる可能性もあります。
このように、ボートレースの着順予測をするためには、ST数値・モーターの成績・選手の特長・直前の成績・コース順・プールの特長など、さまざまなデータを組み合わせて考える必要があるわけです。“勝ち”にこだわらなければ、応援したい“推し”選手にかけてみるのもいいですね。
写真)レースの直前に行われる展示航走。選手はスタート練習ができ、ファンもその走りを参考に予想することができます。
さて、グルメを堪能し、ボートレースの説明を伺ったところで入場時から気になっていたことが判明。なんと戸田ボートレース場内には子供が遊べる場所があるのです。それは、知育玩具の輸入・開発・販売をおこなう「株式会社ボーネルンド」と協働運営する「BOAT KIDS PARK Mooovi(モーヴィ)」。レースを楽しむ人が子供を預ける託児所ではなく、子供が遊ぶための専用施設です。
対象年齢は6ヶ月~12歳で、ベビーゾーン、チャレンジゾーン、アクティブゾーン、アウトドアゾーン、ライブラリーゾーンとエリア別に分かれており、それぞれ年齢にあわせたアクティブを楽しむことができます。
写真)なるほど、このMooovi (モーヴィ)に通う子供連れのママさんたちを見かけたのですね。
ボートレースは公営競技であり、その運営は地方自治体が管理しています。その収益は自治体の財源として福祉、公共事業などに幅広く利用されており、このMooovi(モーヴィ)もその取り組みのひとつ。地域に開かれた親子の新しい居場所として、多い日には1,000人もの来場者が訪れる大人気施設なのです。
戸田市は全国でも若い世帯が多く住む地域であり、Mooovi(モーヴィ)のように雨天でも安全に楽しく身体を動かせる屋内型の子供専用の遊び場はとても大切。遊ぶためには20歳以上の保護者(子供3人に対して大人1人)が必ず付きそう必要がありますが、ママ友同士でローテーションをくむなどして通う方も多いそうです。
写真)「ここに来ると和みます」と植木さん。
写真)ボーネルンドの研修を受けた「プレイリーダー」たちが常駐し、子供たちが安全に遊べるように見守るだけでなくイベントや遊戯を開催。親子も一緒に楽しめます。
植木さんとお別れした後、いよいよ舟券を購入。レース場にある出走表を見たり、予想屋さんを頼ったり、WEBの予想サイトをチェックしたりしながら応援する選手を決めていきます。
写真)色々と悩みましたが…結局、レース直前に乗ったエレベーターが止まった階(1・3・5)に決定…。3連単ボックスを買いました。
ボートレースのコースは1周が600mあり、これは全国24ヵ所どのレース場も同じ。3周(1,800m)の距離を6艇で走り着順を競いあいます。上位3艇らが第1ターンマークを回ったところが勝敗を左右するため、その攻防が見どころのひとつです。
来た!
早い!
はぇぇぇぇぇぇぇ~
曲がったぁぁぁぁぁ‼‼
…早すぎてよくわかんなかったかも
結果は、残念ながら懐を肥やすことはできませんでしたが、迫力のあるレースを間近で見ることができました。水しぶきと胸に響くボートのエンジン音が忘れられません! 次回は、選手や艇のことをもっと深く調べて、相談できる友達と一緒に遊びに来ようとおもいます。
BOAT KIDS PARK Mooovi(モーヴィ)
平日(1日あそび放題):子供300円 大人300円(レース開催日200円)
土日祝日(70分完全入替制):大人300円(レース開催日200円)
詳細:https://www.boatrace-toda.jp/kids-park/index.php
戸田ボートレース場オフィシャルHP https://www.boatrace-toda.jp/