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隅田七福神は、『江戸楽』2020年1月号で記事になっています。江戸時代に、当時流行していた谷中七福神を真似て狂歌師の太田南畝や絵師の太田抱一らが正月に楽しめるものとして考え出したのだそうです。隅田川に沿って北千住のほうからスカイツリーの近くの隅田公園あたりまで歩く、下町情緒も楽しめそうなルートです。
私が脚本を担当した舞台が両国で上演されることになった際、何度か足を運びましたが、両国にも深川七福神というものがあります。江戸時代から栄えていたエリアには七福神が設定されていることが多いのかもしれません。
相撲の聖地・両国なので、付近にはちゃんこ屋や江戸風の建物も多く、粋な気持ちで町歩きが楽しめます。辺りには赤穂浪士が討ち入った吉良邸跡や勝海舟・葛飾北斎生誕の地など、歴史上の人物に関連した場所も多く、たくさんの発見もあるエリアです。しかも七福神すべてをまわり終えたら何かいいこともありそうですよね。
ただ歩くのではなく、七福神が設定されているのでゴールがわかりやすく、オリエンテーリングのように達成感も得られるのがいいところです。こうした七福神巡りには御朱印帳を受け付けているところも多く、深川でも隅田川でも受け付けています。1回500円なので、七つ巡り終わる御朱印帳が完成するというわけです。
七つも神社仏閣をまわるので、気になる神社やお気に入りのお寺などを作るともっと楽しめます。私は隅田川七福神のなかでは弁財天を祀っている長命寺に心惹かれました。三代将軍徳川家光が腹痛になった際、こちらの井戸水を飲んだら治ったという話もあるのだとか。そんな伝説も味わいながら、江戸時代に思いを馳せてみたいものです。
七福神巡りは大抵半日もあれば結願できますが、慣れてくるともっと壮大なルートにも挑戦したくなるものです。その場合はあちこちに三十三ヶ所や八十八ヶ所などの多めの コースもあるので、探してみましょう。秩父三十四観音や四国八十八ヶ所などが有名ですよね。私も四国には行ったことがありますが、なにしろ四国を一周する長丁場で歩いたら数十日もかかるので、まだ六十六番目のままですが、いつか最後のお寺までたどり着きたいと思っています。