この超高齢化時代において、「孤独死」はますます増える可能性があるといわれています。そこで死をポジティブにとらえる「ひとり死」という考え方が出てきています。

孤独死の実情と共に、一人で亡くなった後に、できるだけ早く発見されるための準備となる、便利サービスを集めてみました。

■孤独死は男性のほうが多く約80%!

 【孤独死の男女比率】

 

一般社団法人の日本少額短期保険協会が2015年4月から2019年3月までの孤独死の状況について調査した「第4回 孤独死現状レポート」によれば、一人暮らしの人が、自宅で死亡していたことが、第三者に発見された場合を「孤独死」とすると、男女比率は男性82.7%、女性17.3%となっていました。

 また年齢分布として男女共に60代が最も多く4割を占めていましたが、70代、50代も決して少なくない結果です。

 発見までの平均日数は17日で、3日以内に見つかる割合は全体で4割にとどまり、4日以上経過してしまうケースが6割を占めていました。

孤独死が見つかる原因で最も多いのは「訪問/音信不通」。「連絡がつかないことで知り合いが訪ねて来たり、管理会社に訪問を依頼する」ことで発見されることが多いそうです。次が水漏れや照明のつきっぱなしといった「異臭/居室の異常」でした。

■「ひとり死」時代にやるべきこと

「ひとり死」について詳しい死生学・生活設計・余暇論の権威、小谷みどりさんによれば、

「核家族化、そして生涯未婚率の上昇など、物理的に少人数、単身者世帯も増えている日本では、多くの人の死は『ひとり死』ともなりえます。一人で死ぬことは後ろめたいことでもなんでもありません」と話しますが、

「しかし、ひとりで死を迎え、誰にも発見されぬまま長期間が経過してしまうと、死体が腐敗し、もしも最期を本人の面影のある状態で送ってあげたいと思っている遺族や知人がいる場合には悲しませてしまいますし、ふとんや床、そして2階以上の場合は階下まで、体液がしみこむなど、のちのち遺体を片付けてくれる人を困らせることになります」

 とも注意喚起します。

 できるだけ早く、ひとり死に気づいてもらうためには、生きている間にそのセーフティネットを作っておくべきと小谷さんは勧めます。

 ■「ひとり死」時代に重宝する便利サービス3選

ひとり死に気づいてもらうセーフティネットとして、重宝する便利サービスを調べてみました。

 1.生活支援・見守りセンサー「LASHIC(ラシク)

今の時代だからこそ、どんどんIoTの力を借りるべき。「部屋の住人が生きているか」がわかるセンサーを設置する方法です。例えば生活支援・見守りセンサー「LASHIC(ラシク)」は、温度・湿度・照度などの高齢者宅の生活環境や運動量による日常生活の様子を、スマートフォンなどでリアルタイムに確認ができるセンサー。異常時には、メールやアプリによるプッシュ通知で知らせてくれるので、家族等に気付いてもらいやすい仕組み作りが叶います。

 ちなみにこのラシクは月額980円で設置できるそう。センサーの設置はコストや手間の問題でいまいち現実味がないと思われがちでしたが、手軽にこれだけの低コストで導入できるのなら、今後、一人暮らしの必需品にもなりそうですね。

2.「コープ・生協のお弁当宅配

「定期的に人が来る」仕組みを作っておくという意味では、「定期訪問」系サービスなら何でもOKと言えます。例えば、「コープ・生協のお弁当宅配」は、栄養バランスのとれた食事を日替わりメニューで毎日届けてくれるほか、見守りもしてくれるそうです。実際、自治体などと協定を締結し、地域見守り活動に取り組んでいるというので安心です。

 3.「郵便局のみまもりサービス

見守りサービスを利用するのも一つの方法。例えば、日本郵便は見守りサービスを展開しています。月1回、郵便局社員が利用者宅などへ直接訪問するもので、30分をめどに話もしてくれます。そして、家族などにメールまたは郵送で知らせてくれるという親切なサービス。月々2,500円とこちらも利用しやすいサービスと言えるかもしれません。

 まとめ

自分の将来のことも気になりますが、やはり目先の心配は、自分の両親や祖父・祖母のことかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 ポジティブに迎えたい「ひとり死」時代のための便利サービス