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“チャー研”と呼ばれ、カルト的な人気で話題になっている昭和のSFアニメ「チャージマン研!」がなぜか舞台になる。主人公の泉研役が4人いたりして、これがミュージカルというからどんな事になるのか想像がつかない(笑)。
「LIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』」
日程:10月31日~11月6日
会場:東京・新宿FACE
スタッフ)
演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)
脚本:伊勢直弘
音楽:手島いさむ
企画・製作:CLIE
キャスト)
チャージマン研(泉研):古谷大和、安達勇人、高崎俊吾、中村誠治郎
泉キャロン:星元裕月
バリカン:阿部快征
ジュラル星人:浜ロン
魔王様:村上幸平
ジュラル星人:榎太誠、坂下陽春、菅野周平、前田航希、牧亮佑、溝下翼ほか
(https://www.clie.asia/cha-ken/)
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アニメ「チャージマン研!」は、TBSテレビで1974年4月から6月まで、月~金曜17:30~17:40の10分枠で放送された。本編は6分に満たない長さで一話完結・全65話だった。
一話の制作費が50万円という低予算だったためかスタッフの情熱が薄かったようで“手抜き感”が否めなかった。
6分程度の一話で物語を終わらせるためか、まわりくどいセリフ回しや遠回しな展開は割愛し、都合よく、思惑通り、ムダは端折って話は進む。ストーリーの疑問点は無視である。敵であろうと人であろうと、展開次第で容赦なく殺してしまう。ご都合主義的なのが特徴で視聴者へのメッセージ性とかは特に見当たらない。
BGMや効果音といったサウンドもかなりアバウトで無音部分が多く、セル画の枚数も極端に少ないと思われる。例えば爆発シーンは「ドカーン!ドカドカドカーン!」という長い音に合わせて火花と煙の画が数枚替わりブルブル揺らすだけで、それが毎日使い回される。ちょっと尺が長い時があって時間稼ぎしてるのかと疑れる。
作品の設定は、「2074年、科学が飛躍的に発展した未来都市に地球侵略のためジュラル星人が侵攻。主人公・泉研がチャージマンに変装し、地球の平和を守るために戦う」
・・・というものだが、細かい設定説明が一切ない。単純になぜ研はチャージマンに変装できて、しかもなぜ彼が地球の平和を守る使命を(勝手に?)受けて戦うのか? これが明確でない。
名前は泉研で日本人だと思うが、瞳の色は青く、妹のキャロンは金髪、他に出てくる人々も異国人なのかなんなのか判別がつきにくい。結局、多国籍アニメなのだと思われる。
声優はクレジットに「劇団近代座」とあるだけなど、いろいろと謎が多い作品でもある。
1974年(昭和49年)当時、リアルタイムで視聴していた人の情報は得られなかったが、今となってはえげつない物語や設定、差別的な発言のオンパレードだった。
第2話「殺人レコード恐怖のメロディ」
ジュラル星人が作ったレコードを聴くと人々が苦しみだす。それを売るレコード店に飛び込んだ研は「お前たち!よくもあんなキ●ガイレコードを!」。悪者を倒したあと、研たちはレコードを聴いた後遺症なのか、アホみたいに笑ってはしゃいでENDとなる不可解な終わり方に。
第23話「恐怖!精神病院」
(タイトルでもうアウトだ)ジュラル星人が精神病院の地下でミサイルを製造している。画面に映る病院患者たちの描写がちょっとひどい。研が病院に潜入し調査すると、医者である研のパパは「こんなところにお前を潜り込ませて…」と、こんなところよばわり。最後は研が患者のモノマネをして笑って終わる。いくら当時の放送ラインがアバウトだったとしてもちょっと…
第35話「頭の中にダイナマイト」
西ドイツの学者・ボルガ博士がジュラル星人に拉致される。学者のレセプション会場に潜り込んだ研は、ボルガ博士に違和感を覚える。研はジュラル星人が頭の中に爆弾を仕込んだのだと(根拠もなく)わかり、博士を抱えて自分の戦闘機に乗る。そして「ボルガ博士、お許しください!」といって外へ投げ出し、追ってきたジュラル星人の宇宙船にぶつけて爆破させる。
――――― この3話はとても有名で地上波では二度と放送されないといわれている。ただし、DVD化されているので興味があったら見てほしいと思う。とにかくツッコミどころ満載な作品だ。
ここまで、チャー研をディスっているように思われそうだが、人気だった理由はツッコミどころが多いだけでないと思う。
ポイントは本編がたった6分程だったことだ。短いので子どもは集中して見やすかった。ヒーローがすぐに変身して即効で悪者をやっつけてしまうのでひと口でお腹いっぱいになってしまう感じがあった。それも良かったのだろうと思う。
ちなみにチャー研がなぜ今リバイバル的に人気なのかというと、2012年8月に「マツコ有吉の怒り新党」のコーナーで紹介されたことがきっかけとされている。
私も子供の頃、チャージマン研を再放送で見て衝撃を覚えた一人。田舎は石川県だが、1981年12月から翌年2月にかけて夕方に放送された。
当時、友達もみんな虜になった。なんといっても、そのクオリティの低さと勝手なストーリーがツボで、友達と一緒に見てあれこれツッコみ合っていた。「あのラーメン屋、すげえマズイから食ってみ」みたいな感じのオススメだった。
給食時間の校内放送で、放送部の担当がテレビから録音したチャー研をそのまま流し学校中がバカウケした記憶がある。石川県でのチャー研視聴率は相当高かったと思われる。
“怒り新党”でチャー研が紹介されるのを見て懐かしく思い、次の日、仕事場でチャー研の話題を振ったら6人中3人が「見たことがない」といった。年は同じくらいである。出身は、鹿児島、新潟、岩手だった。「放送されていないんじゃないか?」と話したのを思い出し、今になって調べてみると、確かにそうだった。チャー研は全国で放送されていたわけではなかった。
(1974年)関東圏・TBSテレビ、関西圏・毎日放送、広島・中国放送、福岡県・テレビ西日本、鳥取/島根・山陰中央テレビ、岡山県・テレビ岡山
(1975年)福島・福島中央テレビ、(1981年)石川・石川テレビ、(放送期間不明)秋田・秋田テレビ
案外少なかったのだ。おそらく10分番組なので放送枠がなかなか空いていなかったのだろうと思う。
そんな昭和の珍作アニメ「チャージマン研」のミュージカル舞台。まさか、アニメの世界観をそのまま取り入れるとは思えないが、舞台だからこその放送禁止的要素があるとリスペクトかな!?とも思う。楽しみ。