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冒頭から、つたない芝居。手振れも酷く、変なタイミングでのズームなど、ずさんなカメラワーク。やる気のないナレーション。まるで、90年代のビデオ・バブル時代に作られた自主映像作品を思い出させる雑さ。「これは酷い」と思っていたら、実はテレビ番組のディレクターが粗編した素材を上司に見せている映像だった事が発覚。
ダメ出しされまくったディレクターは、きわど過ぎてボツにした映像を蔵出し。そこには、「“美しすぎる”を売りにしている」「タレント出身の人気取り」と突っ込まれる映像が。これがゲスいプロデューサーにヒット!
「もっとゲスい映像を撮って来い‼」という黒い指令を受け、取材はどんどんエスカレート。そんな中、のっぴきならない“ある疑惑”が浮かび上がってくるんです。
自宅へのストーキング&隠し撮りなど、どう考えてもやり過ぎな行動に出るディレクター。ここからヤバい展開になると思いきや、地道に地域密着型で活動を続ける女性議員。献身的に奮闘する女性議員の姿にディレクターがいつの間にか、“いい人”になっていく……というミスリード展開に。
随所に登場するドキュメンタリー風の演出。“美しすぎる議員”と言われるタレント出身の新人女性議員に密着したニセ映像。議員の相談所にやって来る女性の社会進出問題やパワハラ問題、LGBT問題、DV被害者の女性たち。進撃に取り組んでいく姿がドキュメント番組用の映像というテイで物語に盛り込まれていきます。
メガホンを取るのは、「NNNドキュメント」や「ザ・ノンフィクション」など、テレビのドキュメンタリー番組の企画・構成・演出・プロデューサーを手掛けてきた五藤利弘 監督。本作では、脚本も担当しており、テレビ番組の裏側やドキュメンタリー制作の裏側を専門用語やあるあるネタ満載でリアルに演出。挙げ句、取材対象者との距離感を見誤るディレクターの姿まで物語内に埋め込みます。
そんな女性議員を追うディレクター役には、特撮テレビドラマ『ウルトラマンオーブ』で宿敵・ジャグラスジャグラー役を演じ、人気を博した青柳尊哉。
川村ゆきえ主演の映画『美しすぎる議員』は3月16日から公開となります。
(C)映画「美しすぎる議員」製作委員会
ギボログ★☆☆☆☆(星1つ)