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本作では、稲垣吾郎が田舎のガンコ親父を熱演!阪本順治 監督、自らが書き下ろしたオリジナル脚本は、ミステリーでもあり、コメディでもあるジャンル無双ムービーでした。
地方の田舎の町。 父から受け継いだ炭火焼職人の仕事が軌道に乗らない 紘(稲垣吾郎)。家計は困窮し、中学生の息子がイジメに合っている様なんだけど無頓着。「男は仕事だけやってればいい!!」という亭主関白っぷりを発揮。
インテリのイメージがある稲垣吾郎が田舎のガンコ親父を熱演。最初こそ、どうかと心配しましたが、ひねくれているものの、真面目で愛嬌もあって、好演なんです。
家族に対してはワガママなんでが、自衛官を辞めて、地元に帰ってきた同級生の瑛介(長谷川博己)に対しては、物凄く面倒見が良いんです。引っ越しの片付けを手伝ったり、家の修繕の事を気にしてあげたり。
そんな 紘に対して、久々の再会にも関わらず、口数の少ない瑛介。突然、帰ってきた理由も謎のまま。紘は、瑛介に自分の炭火焼の仕事を手伝わせるんです。そこからドンドンと口数も増えていき、コメディリリーフでもある光彦(渋川清彦)と紘と瑛介の仲良し同級生3人組が再結成。
紘の奥さん役の池脇千鶴も夫と息子の間を取り繕つ、見事なお母ちゃんっぷり。
村へ戻った瑛介のバックボーンをミステリーとしつつ、 息子とのドラマ&経営不調を改善しようとする夫婦など、主人公の家族ドラマが展開。フタを開ければ、中年男3人組の居酒屋トークが全編に散りばめられたユーモラス要素満載。そして、衝撃のクライマックスへ流れ込んでいきます。
脇では、石橋蓮司が『アウトレイジ』以上の悪ノリをしてたり、ピンクの電話のツッコミ担当の竹内都子がコミカル怪演してたりと、全く穏やかではないんです。
過去に、岸部一徳が団地内で噂話から逃げ惑う『団地』、或いは、老人たちの村歌舞伎騒動をコミカルに描いた『大鹿村騒動記』を描いた阪本順治 監督。本作は阪本監督、自らが脚本も書き下ろした本気度ビンビンの一本!
派手ではないですが、良いもの観たなと思える満足感。世代関係なくオススメできますが、30歳過ぎてたらグッとくること間違いなしです。
©2018「半世界」FILM PARTNERS
配給:キノフィルムズ
ギボ・ログ★★★★★(星5つ)