ちいさなお子さんをお持ちの方は、ご存知かもしれませんが、最近、赤ちゃんの脳や視覚の研究を活かした赤ちゃん絵本が、続々登場しております。

去年、東京大学あかちゃんラボと出版社のディスカバー・トゥエンティワンが2年がかりの実験の末、完成させた赤ちゃん絵本も話題になりました。東京大学あかちゃんラボとは、赤ちゃんが発達していく過程でどんな能力がどのように獲得され、発達していくのかを研究している所でございます。

これらの赤ちゃん絵本のコンセプトは、「大人が思う赤ちゃんの“好き”と赤ちゃんの“好き”は同じなのか…、赤ちゃんが本当に好きな絵本を作ろう」でございます。

こちらは絵本の永遠の課題でもあります。絵本は通常の書籍と違って、楽しむ人と購入する人が異なるのでございます。子供は自分の意志で購入できないのでございます。実際にお金を払う、つまり絵本を選ぶのは子供でなく大人なのでございます。

そこで今回は、逆に!「大人が喜ぶ幼児絵本」をご紹介させて頂きます。お子様が喜ぶかどうかの前に、親が絶対に楽しい絵本…というコンセプトでございます。それが、こちら。

「カ どこいった?」(作・絵:鈴木のりたけ 出版社:小学館)

こちらは、大人からの人気が高い絵本作家の鈴木のりたけ様の最新作でございます。おでこ(顔)にはめ込んで、様々なものに変身できる「おでこはめえほん」シリーズ絵本も話題になった人気絵本作者様でございます。

毎回、アイデアがゴイスーな作家様でございます。子供だましどころか大人だましレベルでございます。大人ファンが多いのも納得でございます。そんな鈴木様の最新作でございます。

ぶ厚く固い紙の絵本で、一見、赤ちゃん向けの絵本かなと思うのですが、開いて読んでみると、・・・でございます。様々な場所にとまっている蚊をパチンとページをめくって退治する新しいタイプのアクション絵本なのでございます。

(YouTube動画:https://youtu.be/IX0-sXiCdIY)

このシステム、アイデアもゴイスーですが、お話の展開、構成が秀逸なのでございます。是非、大人に体験頂きたいのでございます。

小さいお子様をお持ちの方、そうでない方も、店頭でこちらの絵本を見かけられましたら是非、開いてみて頂きたいのでございます。鈴木のりたけワールドをご体感頂きたいのでございます。

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

ひよこクラブ 2018年12月号 (2018年11月15日発売)
Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 大人が喜ぶ幼児絵本って? 親が絶対楽しいアクション絵本