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秋の公園を散策すると落ちているドングリ。ジブリの某キャラクターの印象が非常に強いが、リスなどの小動物ばかりが食べて、人間は食べられないなどと思っていないだろうか。じつはドングリは縄文時代から食べられてきた立派な秋の味覚の一つで、調理の仕方次第で空腹を満たす食材になるのだ。
ドングリは食べられる。ただ、すべての種類が無条件にそのまま食べられるかというとちょっと違う。種類によってアクの強弱があるので、食べやすさを見極めないといけない。比較的、アクが少ないとされるのが「スタジイ」「マテバシイ」という種類。5~10分炒ったり、2~3時間水につけてアク抜きして食べられる状態になるという。
ちなみに水につけたとき浮いてくるものは虫食いなどで中身が空のもの。拾ってきたらまずは洗ったうえで、水につけて仕分けるといいだろう。紙袋に入れて電子レンジでチンもOKだ。
ドングリの食べ方もじつにさまざまだ。炒った後に殻を剥いてピーナッツのように食べたり、フードプロセッサーで粉状にすれば、コーヒーや豆腐、餅、団子にもアレンジできる。ご飯と一緒に炊けば、ドングリ飯の完成だ。
栄養価は約7割が炭水化物、2割が脂肪、ビタミンやアミノ酸も含んでいて、バランスは良さそうだ。味はクルミとピーナッツの中間のような味わいで、韓国にはドングリの粉を使った料理も多いという。ドングリ寒天はその代表だ。
物は試しに食べてみようという人もいるだろう。そこである程度の見分け方が必要だが、基本はドングリの「殻斗(かくと)」、いわゆる帽子の部分か、実本体の形で判断するしかない。まず実だが、「スタジイ」「マテバシイ」はともに細長い形が特徴的。「スタジイ」はチューリップ状の帽子が付いているので見分けがつきやすい。
一方で、「マテバシイ」はウロコ状の帽子が付いていて、取ったときの実の底部分がややへこんでいるのが特徴だ。実の形状は「スタジイ」が細長く、やや淡い茶色。「マテバシイ」が鉄砲の弾のような形で、こちらも色は淡褐色だ。いずれも見分けるポイントはあるが、初心者はいささか不安だろう。食用でドングリを拾うときは、まず図鑑を片手に散策するのがいいかもしれない。