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エレベーター、電車、バス……。この時期の密閉空間は、臭いがキツイ。鼻呼吸をしていると思わずむせてしまう。ただ、こうした臭いも実はセルフケアで多少改善できるということをご存じだろうか。屋外と屋内の温度差で汗をかくことも多い10月、自分の匂いに無頓着あるいは自覚症状がないという人は、汗のかき方をコントロールする、「汗トレ」でスメハラ問題を克服してみるといい。
そもそも誤解されがちだが、汗自体は無臭だ。汗は皮膚にあるエクリン腺(体全体の皮膚に分布)とアポクリン腺(脇下、ヘソ、外耳道などに分布)から出る。ただ、これが日頃からクーラーに頼っていたり、汗をかく習慣がなかったりすると、汗をかく機会が少なくなり、エクリン腺が正常に働きにくくなってしまう。
すると、困ったことになる。ミネラル分を多く含むネバネバした悪い汗ばかりをかく体質になってしまい、さらにそれが皮脂や油脂成分と混じり、いわゆる体臭の原因となってしまうのだ。そこで悪い汗のかき方を、良い汗のかき方に変えていく必要があるというわけだ。
では、どうやって変えていくのか?まずは43~44℃くらいのやや熱めのお湯に手足をつけて汗腺の働きを高めるところからだ。たとえば、バスタブ内に浅くお湯を張って、ラクに手足を浸からせる体勢だとやりやすい。その後は、36~38℃のお湯をヘソあたりの高さまで張ってじっくり半身浴だ。手足も半身浴もじっくりと体温が上がるのを待つように、10分ほど長めに浸かるのがポイントだ。
入浴後は暑いからといってクーラーを全開にしていないだろうか。それは汗トレでは禁物だ。せっかく自然に汗をかく機会をつくっているのに、それをみすみす邪魔してしまう。できれば、発汗作用の高い生姜ドリンクを飲むなど、体の内部からポカポカ感じられる工夫をすると効果的だ。たとえば、生姜や、柑橘類の皮をネットに入れて、入浴時に使うと血行促進作用があるので、試してみるといいだろう。
日本人は欧米人と比べると、わきがの原因とされるアポクリン腺の数や汗の分泌量が少ない。そのため体臭がある絶対数は欧米人より少ないという。これは逆を言えば、体臭が少ない日本人だからこそ、自分以外の体臭がキツイ人がいる場合、臭いに敏感になってしまうともいえるようだ。
ちなみにこぼれ話として、嗅覚が優れている動物の代表格と言えば、イヌが一般的だが、じつはいちばん嗅覚が優れているのはゾウだという。臭いを認識する嗅覚受容体遺伝子が、人間は約400個あるところ、ゾウは2000個あるそうだ。
イヌが800個ほどなので、嗅覚はイヌの約2,5倍。体臭が心配な人は動物園内のゾウがいるコーナーに行くと、何かしらの反応をしてくれるかもしれないので、話題づくりに訪れてみるのもありかもしれない。