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1924年、脳梗塞で亡くなったソ連の指導者・ウラジミール・レーニン。死後、スターリンの指示の下、永久保存の施術が行われました。100年近くたった今でも亡くなった直後の姿のまま、レーニン廟で見ることができます。
遺体を保全するため臓器などは取り除かれ、1年半に1度、薬剤の注入や遺体を保存液に浸し、姿を保たせています。また、見た目の肌は生きているかのような状態ですが、これも特別な物質に取り替えられています。
2009年に亡くなったキング・オブ・ポップ マイケル・ジャクソン。その死には様々な謎がありますが、遺体はエンバーミング後、ステージ衣装を着させ、花で飾られた棺に子供たちの手紙とともに納められロサンゼルスの霊廟に安置されています。
一般公開はされておらず近親者のみが訪れることができるそうです。
この技術が進歩したのは1860年、アメリカの南北戦争と言われています。遠方で戦死した遺体を故郷に戻すため、腐敗などを防ぐ処置、損壊した体を修復したそう。この利用法は今日でも同様で、旅行先の海外などで亡くなった際や家族葬で長期遺体を保っておきたい時などに活用されるそうです。
土葬が一般的な欧米などではエンバーミングは普及していますが、いずれ火葬される日本でもエンバーミングを望むケースが増えているんだとか。費用は15~20万円台と思ったよりもリーズナブルです。
1994年、心筋梗塞で亡くなったといわれる金日成国家主席。長男で後の金正日総書記の指示でエンバーミングされ、首都平壌の霊廟に安置されました。その後2011年に金正日総書記も心筋梗塞で亡くなり同様に遺体を保全。父と同じ場所で眠っています。2人の遺体を保全するにあたりこまめなメンテナンスなどで年間2億円の費用が投じられているそうで、また霊廟の改築・改修にも巨額の費用がかけられているそうです。
1人目は1975年に亡くなった蒋介石、2人目はその長男で1988年に亡くなった蒋経国。両総統の遺体は中国が統一したら本土に埋葬する、という意味付けで台湾北部の桃園市の施設に安置されています。
そして3人目は日本でも馴染みの深い歌手テレサ・テン。1995年、気管支喘息の発作で42歳という若さで亡くなりましたが、彼女は台湾で偉大な人物のひとり。国葬規模の葬儀が執り行われ台北市の施設に眠っています。火葬が一般的な台湾でこのような形で眠っているのは3人だけといいます。
レーニンのエンバーミングによる安置以降、象徴、神格化の意味合いを含め各国の指導者も同様に遺体を保全し霊廟に納めることが増えていったそう。しかし時を経て、政変がおこるなどしそれを撤去、埋葬に切り替えるケースも多くあります。
その気になれば死んだ時の姿のままでいられるエンバーミング。皆さんもやってみたいですか?