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所がその後、創業者のウィンチェスターさんと産まれて間もない娘を立て続けに亡くしたウィンチェスター夫人。これは何かヤバイと確信。霊媒師に相談すると、「一族に起きた不幸は全てウィンチェスター銃で命を落とした亡霊たちの仕業。彼らを閉じ込める屋敷を拡大し続けよ!」とのハード過ぎるお告げを頂くんです。それを素直に受け止めた夫人は、巨額の財産をフル活用して、ウィンチェスターハウスを建設。夫人が生きてる間……、つまり38年間、24時間体制で増築を繰り返しました。1906年のサンフランシスコ大地震で一部倒壊により、ちょっと小さくなったものの、最盛期には7階建て、500部屋、東京ドーム14個分に拡大。
そんなけデカい上に、中身も狂った構造なんで、これがまた怖いんです。「どこにも行き着かない階段」、「床に向かって開く窓」、「迷路のようなホール」、「隠し部屋」、「秘密の通路」、「天井に届く階段」などなど、常人には理解できない摩訶不思議な構造に。夫人は残りの生涯を喪服で過ごし、霊の供養に努めましたが、屋敷での幽霊の目撃談や怪現象は後を断たず……。
どう考えても、どうかしている夫人ですが、そこが本作のキーなんです。
ウィンチェスター社の経営陣は夫人の精神不安定を理由に経営権を奪おうと、主人公である精神科医に鑑定を依頼。半ばムリヤリ屋敷へ連れて来られます。ただ、この精神科医、奥さんを亡くした過去があり、現在は絶賛アヘン中毒。さらに、「幽霊なんて非化学的」と幽霊を全く信じていないお方。故に、好奇心で「ダメ」と言われてる事を次々に実行。挙げ句、怪現象や幽霊が出ても「ヤバッ! アヘンやり過ぎた」と死亡フラグに気づかない始末。
こうして、ウィンチェスター夫人の精神鑑定ミッションに取り掛かりながら、うっかり様々な屋敷の秘密も見つけつつ、悪霊に殺されそうになる……という最恐お化け屋敷ムービーが完成しました。
本作のメガホンを取ったのは、『ソウ』シリーズの新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』を監督した双子のスピエリッグ兄弟。サスペンスフルなSFアクションを作ってきた兄弟が、アクションを封印。怪現象を緊迫感たっぷりに描いています。
また、ウィンチェスター夫人を演じるのは、『クイーン』でアカデミー賞を受賞したヘレン・ミレン。怪しいけどマトモなのかイカれてるのか解らない絶妙な芝居で好演してます。
ちなみに本作、一部シーンでは実際のウィンチェスターハウスで撮影。撮影中にも怪現象を幾人のスタッフが目撃。しかし、心霊スポットで心霊映画を撮るというのは、どんな気持ちなんでしょう?
暑い夏を本作で乗り切るのも逸興。
『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』
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2018年6月29日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公