毎年、12月になると絵本売り場では、クリスマス絵本がズラリと並びますが、今年、急に売れているクリスマス絵本がございます。もちろん新刊ではございません。1979年に出版された北欧(スウェーデン)の絵本でございます。

それがこちら。

 

「トムテ」(作:リードベリ 絵:ウィーベリ 訳:山内 清子)

 

北欧に住むと言われる赤色の帽子をかぶった小人(妖精)の絵本でございます。素敵な絵本でございますが、クリスマスと言えばコレ!という、今の時期、絵本売り場に平積みされるほどの大人気作ではなかったような気がいたします…。それが今年、平積みされているのをよく見かけます。「売り切れています」の声も…。

いったいなぜ、今年?…。

ネットで検索したしました。11月17日にNHKの「あさイチ」の「特選!エンタ」のコーナーに、漫画家でエッセイストのヤマザキマリ様がご出演。クリスマスにぴったりの書籍として、この「トムテ」が紹介されていたのでございます。さすが「あさイチ」、イノッチ様でございます。影響力がゴイスーでございます。

その「トムテ」ですがとにかく絵が素敵です。とても美しいのでございます。さらに、言葉も深いです。まさに大人が楽しめる大人絵本なのでございます。お仕事でストレスを溜まっている時など、寝る前に眺めているだけで心が鎮まること間違えナッシングでございます。癒し系でございます。

 

内容ですが…

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、北欧には、家を守って幸せをもたらすという小人の言い伝えがございます。グッズや置物(クリスマスインテリア)にもなっておりますますので、それでご存知の方も多いかと。実は、「ニルスのふしぎな旅」の中にもトムテは登場しております。

 

 

本のあとがきには、こんな風に書かれております。ノルウェーやデンマークではその小人のことを「ニッセ」と呼び、スウェーデンでは「トムテ」と呼ぶそうです。トムテを大事にすれば、トムテの方でもその家のために夜番をしたり、仕事がうまくはかどる手助けをしてくれるとのこと。

それで、クリスマス・イブには、トムテの分のおかゆを器に入れて、納屋や仕事場に出しておくのだそうです。そんなトムテをたたえる気持ち、やさしい思いを、命のはじまりと終わりの不思議をからめて詩にしたのが、この作品です。

…とのこと。

 

ちなみに、「おかゆ」というと、塩味をイメージいたしすが、スウェーデンのおかゆは、甘味だそうでございます。トムテが好むミルクがゆは名前の通り、バター入りの牛乳味だとか。今年は、こんなトムテ蘊蓄を披露しながら、大人にクリスマスプレゼントとして、この「トムテ」をプレゼントするのもよいかもでございます。

(文:N田N昌)

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 なぜか今年、売れているクリスマス絵本「トムテ」とは…