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出典 http://www.enicia.net/
エニシアが提供するのは、「シェアアビリティスペース」という新形態のコワーキングスペースだ。一般的なコワーキングスペースは、外回りなど固定席を必要としない会社員・ビジネスマンや、出張してくるビジネスマンなどがサテライトオフィスとして利用できるスペースで、その手軽さと利便性から全国的に普及している。エニシアはそういった機能を持ちながら、単にスペースを利用する目的だけに留まらず、利用者同士のアビリティ(能力)を共有することでいろいろな可能性を広げていくという目的を持つのが特徴だ。
12月15日にオープンする「エニシア 静岡マルイ・モディ店」
静岡県浜松市をはじめとする既存店では、例えばフリーランスのデザイナーと企業に所属するプランナーが、それぞれの経験・スキルを持ちより一緒にプロジェクトを立ち上るなど、利用者同士で活動の幅を広げている。なかには「起業したい。でも知識も技術も経験もない」という会社員がエニシアで人脈を作り独立したケースや、子育て中の母親同士がエニシアで出会い刺激を受けて、ネイル教室やヨガ教室を始めた例もあるという。
エニシアホールディングスの中邨宏季社長は、場所を提供するだけでなく、新しいビジネスに挑戦しようとする利用者達のスタートアップから、助成金の活用まで幅広い分野でのサポート体制を整えていると話す。
中邨宏季社長
エニシアは現在会員数が前年比から約270%の成長を記録しており、サービスやシステムの充実を機に17年の1月ごろから会員数は顕著に伸びているそうだ。
エニシアでは決まった席を設定しないフリーアドレスの会員が大部分を占める。各店舗は相互利用が可能であり、また月額980円から会員になれるという料金設定や、自宅で仕事を自由に受注することができる会員専用のウェブサイトもある。また、エニシアが提携している各地のサロンを自分の店として自由に使える、美容・リラクゼーション業専用シェアサロン「エニシアビューティー」など、多彩なサービスと併用できるのも好調な理由の一つだという。
すでに東京やバングラデシュでの出店も決まっており、今後はLAなど欧米を含め積極的な海外進出も予定しており「日本と海外の架け橋になり、国と国の垣根をなくした働き方を広げてゆきたい」と中邨代表は語る。
静岡マルイ・モディ店長の小倉氏は「コワーキングスペース形態を取り入れるのは、静岡店だけでなくマルイ全店としてもはじめての試み。従来の客層にはない平日日中のビジネスマンや子育て世代の女性の来店は、商業施設の流れを変えるきっかけになる」とし「これからは、ものを売るだけのスペースではなく、新しい体験やビジネスチャンス、コミュニティを生み出す場所であることが大切。静岡マルイ・モディがその先駆けとなれば嬉しい」と話す。
静岡マルイ・モディ店 小倉店長
マルイには若年層に強いブランドイメージがあるが、実は静岡マルイ・モディにおいては40代以上が半分、30、20代で半分という比率で、コワーキングスペースを利用するコア層ともマッチする。静岡市のランドマークとして、また新しいビジネスの拠点としてムーブメントが起きれば面白い。
静岡県には東部・中部・西部と3つの経済圏があり、それぞれのエリアの産業構造が異なるマーケットとして独立している特徴がある。また、年齢別人口構成比などデモグラフィックの要因が全国平均と近く、テスト・マーケテイングの好立地でもある。
その静岡県でコワーキングスペースを利用した「新しい働き方」が定着すれば、素晴らしいモデルケースとなる。そういった意味でもエニシア静岡マルイ・モディ店のオープンと今後に注目したい。
2017年12月16日のグランドオープンでは、エニシア静岡マルイ・モディ店にて堀江貴文氏による講演や、ベンチャー起業家によるトークセッションが予定されており、地方発「新しい時代の働き方」を模索する。
また、12月15日には『可愛いままで年収1000万円』などの著書で知られる作家でワークスタイリストの宮本佳美氏が登壇し、「好きなことを、好きな時に、好きな場所で、好きなだけ」という女性の視点ならではの自由な働き方と生き方について講演する予定だ。なお、イベント・講演についての詳細、お申込みはエニシアHPまで。