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暖房器具が活躍する季節になりましたが、つけっぱなしは思わぬ火災事故になりかねません。しかし火災は人為的なものだけではなく、意外にもペットが引き起こすこともしばしばあるんだとか。
NITE(製品評価技術基盤機構)の報告によると、ペットなどの生き物が原因とみられる火災事故は平成24年からの5年間で52件が発生。その具体例は……、
・飼い主が不在中に猫がガスコンロのスイッチに触れ点火。周辺を焼損。
・猫がファックスにおしっこをかけたことによりショートし発火
・犬がバッテリーを噛んだことによる発火
以上のような原因とみられる発火が報告されています。これらを防ぐためにNITEが呼びかけているのは……
・出かける際はガスの元栓を締め、電気製品のプラグを抜く
・目を離す際はペットをケージなどに入れる
もっともといえばもっともですが、その注意を怠ってはいけないということです。
たとえばゲージでいえば、折りたたみ式のポータブルゲージがあり、出したり収納したりが簡単。それ自体が軽量なので、万が一火災以外の災害でもペットを入れて逃げ出すことも可能。
また、神戸市消防局と通販会社がコラボし、猫が中に入っても遊べる消防車型の爪とぎを製作。犬や猫が電気コードを噛んだことによる火災があることから、このグッズで火災予防の啓発を促す目的で作られたんだとか。
火災はペットの命を奪っていく場合もあります。しかし最大のパートナー、人間によってその命を救われるケースも。
見捨てられた子犬が街のマスコットに
米サウスカロライナ州のハナハン市でのこと。消防士のビルさんが、近所のガレージから火の手が上がっているのを発見。しかも中には逃げ遅れた子犬がいることに気付いたそう。ビルさんは何とか子犬を救出しますが、体の8割近い部分をやけどし動かず呼吸もしていない状態。必死に人工呼吸を施した結果、奇跡的に息を吹き返したんだとか。
その後、獣医にかかりますが医療費がかかる、と飼い主に見捨てられますが、ビルさんは自分が飼い主になることを決意。医師も医療費は心配しなくていい、と良心的な対応を受けたそうです。ジェイクと名付けられた子犬は、ビルさんの愛情を受け、職場の消防署にも顔を出すように。
するとそこでも愛され署員を癒すようになりました。また地域の小学校などの火災予防の授業に参加するようになると功績が認められ、なんと市が消防署の正式マスコットとして認定。ジェイクは今も地域のため活動しています。
炎の中から命懸けで我が子を救った母猫
ニューヨークのある街でのこと。廃墟で火災がおこり消防が出動。消火にあたったひとりの隊員が、安全なスペースに赤ちゃん猫がいるのを発見しました。不思議に思っていると、隊員でも突入をためらうほど燃え盛る建物から母猫が赤ちゃん猫を運び出していたのです。しかも1匹ずつ5匹を救出。しかし炎によって母猫の毛は焦げ肉球もやけど、目も見えない状態になり子猫の無事を確認すると倒れてしまったんだとか。
すぐに親子は動物病院に運ばれ一命をとりとめましたが、出は野良猫。医療費など心配な点がありましたが、命を懸けた母猫の救出劇がニュースなどで取り上げられると多くの寄付金が。その後、順調に回復をみせ、それぞれの里親も見つかり、安全な場所で生活できるようになったそうです。
人命や財産だけではなくパートナーも容赦なく奪っていく火災。火の手から彼らを未然に守れるのは我々だけなので、その対策は万全にしておきたいものです。