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夏の風物詩といえば、やはり花火です。
夏本番の8月ともなれば、全国各地でさまざまな花火大会が開催されますが、じつは打ち上げ花火にもさまざまな種類や特徴、美しさの良し悪しがあるってご存じでしたか?今回は花火の魅力を伝える、花火鑑賞士たちが花火のどこにフォーカスしているのかをご紹介します。彼女と観ながら、雑談ネタとして振ってみると話題も盛り上がるかもしれません。
花火鑑賞士とは、花火の魅力や文化、歴史、鑑賞のコツなどを内外に普及させるべく資格認定された、伝道師と呼べる人々。つまり、花火が大好きで、その魅力をもっと世の中に発信していきたいという志ある人々の集団ともいえます。
そもそも秋田県大曲市にある「花火競技大会」が、プロの花火師たちが腕を競い合う全国でも最大級のイベントで、街の名物である花火をさらに普及させようと、NPO法人大曲花火倶楽部が2008年から資格認定を行っているといいます。
花火通ぶれるワード
そんな花火鑑賞士になるための講義としてレクチャーされるのが「鑑賞のポイント」で、次の4つのポイントがあるといいます。
「座り」……打ち上げられた花火が最高到達点で開花したとき
「盆(ぼん)」……花火が開花したときにきれいな真円を描くとき
「肩」……花火が開いたときに、星(花火内の火薬)が放射線状に均一にまっすく飛ぶとき
「消え口」……星が一斉に開き、一斉に消えるとき
たとえば、打ち上がった花火が最高点で開花したときには「座りがいいなぁ」。きれいな形を描いたら「盆が良いね」。開花した後、星が放射線状にまっすく飛んだら、「肩の張りがいいね」。キレイにパッと消えたら「消え口がそろってるね」。こんなふうに花火好きの人たちは職人さんたちの技を評価するそうです。
花火といったら開花した直後の形も見応えがあります。
たとえば一般的な打ち上げ花火としてポピュラーなのが「菊」といわれるタイプ。星が尾を引いて丸く円を描きます。菊と似ている花火が「牡丹」です。尾を引かず、色や光の点で丸く円を描きます。星が長くゆっくりと、柳のように下へ垂れていくのが「冠菊」(かむろぎく)。光の跡が静かに消えていく余韻がたまりません。
上空で開花した後、少し遅れていくつもの花が咲く花火は「千輪」といい、一斉に彩り豊かな小花が咲き乱れます。そしてハートやスマイルマーク、帽子などの形を模したもの花火を「型物」といいます。子どもが観ていてテンションが上がる瞬間です。
煌びやかな花火をただ眺めるひと時も風情があっていいですが、ときには花火師たちの技術や精度の高さに注目して鑑賞するのも一つの見方としてあっても面白いのかもしれません。