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今でこそエアコンや扇風機があるから、なんとか夏を乗り切れますが、冷房設備がない昔は暑さ対策もさまざま。打ち水で温度を下げる、冷たい飲み物や食べ物で涼を取る、風鈴の音色で涼しさを演出する、などなど。その中でもこの風鈴については、じつはちゃんと温度を下げる効果があるってご存じでしたか?
脳は心地よい音色を聴くと、リラックス効果のあるβエンドフィンやセロトニンを分泌させ、気持ちを落ち着かせる働きがあります。その心地よい音色というのは3,000ヘルツ以上の高周波で、じつは風鈴の音色がそれに該当するのです。つまり、風鈴が風に揺られるたびに心地よさを感じて暑さを軽減させることになるんだとか。
実際、あるテレビ番組で風鈴の音色で体感温度の違いが表れるかを検証したところ、涼しくなったと答えた人がいたといいます。これは「風鈴の音色=涼しい」という脳の思い込みによる効果で、多くの日本人が「風鈴=涼しい物」という認識をしているからだといいます。事実、外国人にも同様の検証をすると体感温度に大きな違いは見られなかったそうなので、日本人に限っては風鈴で体感温度を下げることができるといえそうです。
ちなみに風鈴と聞いて、大半の人が連想するのは2つのタイプでしょう。
「チリンチリン」という音色でイメージするのは、ガラス製の「江戸風鈴」。金魚や花火、朝顔などの絵柄が装飾されたものが多く、見た目で涼しい夏を感じさせてくれます。
もう一つは、「キーン」という静かな音色が響く鉄製の「南部風鈴」。青銅のお寺の鐘や灯篭を模したものが一般的です。ただ、最近はフクロウやカメなどの生き物や、ホタテ貝を模したユニークなものもあり、好みに合ったデザインが選べそうです。
この時期、老舗デパートではたくさんの風鈴が売られていますが、どうせなら屋外で素敵な音色を響かせている物から選んでみるのも夏の風情を感じられてオススメです。
神奈川県川崎市では全国最大規模の「川崎大師風鈴市」が7月19日~23日まで開催され、47都道府県から集められた900種類、30,000個の風鈴がズラリと展示されます。川崎大師オリジナルの「厄除けだるま風鈴」をはじめ、金属や石でできた珍しいものまであり、実際に購入することも可能です。目で見て、耳で聞いて、涼を取る。夏の風物詩としてイベントに興味がある方はオススメです。