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お年寄りを模したコントのような状況ですが、それに近いことをやっている人も多いはず。「もしかして若年性アルツハイマー?」などと疑ってしまうかのようなボケっぷりに焦りますが、こうした物忘れ、記憶力の低下はどうやって防げばいいのでしょうか。
ご存じの方も多いでしょうが、記憶力を司るのは脳の中の「海馬」と呼ばれる部位です。
この海馬が衰えることで、「あれ、あの人の名前ってなんだっけ?」という状態が引き起こされます。そのためできるだけ、海馬の働きが活発になるような刺激を与え続けることが、ひいてはトレーニングとなり、記憶力の向上につながるのです。
まず即実践できるのが、「今日一日にあった出来事」を思い出すことです。
たとえば、「今日会った人の名前」などとお題を決めて、3~5つくらい思い出すようにします。できるだけ今日一日の中であったリアルな出来事がいいでしょう。
これを繰り返すことで、「記憶をさかのぼる」という行為が日常的になり、思い出すというトレーニングになります。慣れてきたら、今日、昨日、一昨日などと時間軸をずらすことで難易度を調整でき、ゲーム感覚でできるはずです。
記憶は、そのときの感情と結びつくことでより鮮明に思い出せます。とくに「嬉しかったこと、楽しかったこと」よりも「悲しかったこと、腹が立ったこと」などとネガティブな感情と結びつくことで、強烈に思い出せるのです。
そこで日頃から、記憶と感情が連動するような工夫をしてみます。
たとえば、前から一度行ってみたかった人気のレストランで食事をします。そのときに照れを捨てて、全身で喜んでみます。すると、ポジティブな感情に引っ張られて、記憶が鮮明に残りやすくなります。あとは、先ほどと同じようにポジティブな記憶を思い出す訓練を繰り返すだけ。それだけでいい刺激になるでしょう。
ちなみにネガティブな感情のほうが、記憶の定着にはいいのですが、だからといって、ネガティブなことばかりしていては、気持ちが持ちません。記憶力を上げるというポジティブな取り組みでもあるので、できるだけ前向きな気分で取り組めるようにしましょう。
自転車の乗り方を忘れた、泳ぎ方を忘れた、走り方を忘れた…
そんな人がいないのは、頭で覚えるよりも、身体で覚えたほうが、より強く脳に刻まれるからです。そこで記憶力を向上させたければ、身体を使って覚えるのも一つの方法です。
たとえば、英単語の暗記をするときに、その単語の動作をマネしてみる。歴史の暗記をするときに、すべて口で言葉にしてみる。ノートなどで漢字や単語の書き取り練習をした人は多いと思いますが、アレも書くという動作をすることで、全身で覚えようとしていたのです。
記憶力をアップさせるコツは、「覚える」「思い出す」というインプットとアウトプットの訓練を繰り返すことです。ただ頭で覚えるだけではなく、感情や身体などプラスアルファの要素を取り入れて記憶することを意識しましょう。