- 週間ランキング
埼工大創立40周年を記念して昨年建てられた「ものづくり研究センター」では、全2学部5学科丸ごと体験ブースを設置。こちらに潜入してみます。
全面ガラス張りの木造造りで、室内は高い天井と木の良い香りが漂っています。なんとお洒落で開放的な空間なのでしょう!普段は学生も自由に使えるフリースペースのある研究・開発の最新のセンターだそうです。
まずお話を聞いたのは、化学系エンジニアや環境調査士、研究員などを多く輩出している「生命環境化学科」。松浦宏昭先生の研究室を中心に、「化学のチカラで新素材を開発する!」をテーマにした学科説明と実験などが行われています。
オープンキャンパス当日、同学科ではバナジウムなどのイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池「レドックスフロー電池システム」の説明をしていました。この蓄電で「ものづくり研究センター」の電力の一部を賄っています。自分たちが利用するスペースの電力を動かしながら、化学を学んでいるのです。
ちなみに埼工大の「レドックスフロー電池システム」は6kW。松浦准教授は「大企業が持つ大型のものはあるが、学生が学ぶのに適したこのサイズを導入して研究している大学はなかなか無いのでは」と話しています。
また、体験ブースでは緑藻の一種であるボルボックスやユリの花粉を顕微鏡で見ることができました。普段、お目にかかることのできない世界を目の当たりにした高校生は、顕微鏡から目が離せないようでした。同学科では、1年次に顕微鏡で大腸菌を見てスケッチをやるそうです。
松浦研究室の4年生は皆、化学や生物などの理系科目が得意でこの大学にやってきました。「実験が多くて楽しい」と口を揃えます。現在就活中で、化学メーカーや医療機器メーカー、研究職を狙っていました。
大学の正面入り口付近にある「P1植物育成室」も主に生命環境化学科の研究がおこなわれています。ここではシクラメンの遺伝子組換えなどが実施されており、放射線を当てて、今まで誕生することのなかった珍しい色のシクラメンを生成させる植物ゲノムの研究を秋田先生の研究室がおこなっています。ピンク色が白に変色した、鮮やかなシクラメンを見せてもらいました。収集家らに流通できるよう、地元の農家と協力して実用化を目指しています。
ITを学ぶなら「情報社会学科」の経営システム専攻です。簿記、プログラミング、情報処理、ネットセキュリティといったIT分野を幅広く学ぶことができます。スポーツ部所属の学生も多く在籍しています。
「これからのIT社会を生きるためにスキルを身につけたいけれど、学生時代はスポーツやバイトも頑張りたい」。そんな人にぴったりではないでしょうか。
音楽や映像、アニメーションなどに興味があるなら、メディア文化専攻があります。ここではプロモーションビデオやCG制作を学ぶことができ、卒業生はそういった制作プロダクションの分野に進む人が多いそうです。同学科3年の男子学生は「作曲や音響など、音楽一本でこの学部に入ったけれど、色々な分野を学ぶうちに映像にも興味を持った」とのこと。
森沢幸博教授は「プロジェクト演習では、企画からやってもらいます。世の中に何が必要で、どんなものを生み出していくか。ストーリーを創作して、プロダクトから実践するので、文系の人もどんどん伸びる学科です」と語ります。
森沢教授や情報社会学科らが中心となって開発に成功したのが「ZENAVI(ゼナビ)」。これは簡易脳波測定デバイスを利用して、心身の状態を確認するアプリケーションです。頭につけたデバイスで脳波を測定し、BluetoothでAndroid端末に飛ばすことで脳内状況を可視化できる仕組み。リラックスしているのか、無意識なのかなどが分かり、とても面白い体験ができました。
【埼玉工業大学オープンキャンパス情報】
※今後の開催予定は次のとおりです。
第2回・7月16日(日)
第3回・7月30日(日)
第4回・8月5日(土)
第5回・8月12日(土)
第6回・8月27日(日)
出典:https://www.sit.ac.jp/