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パチンコ業界が動いた。全国に300店舗以上を展開するパチンコ「マルハン」が、お金の使いすぎにストップをかける為の「自己申告プログラム」というシステムを全国44都道府県、45店舗で導入した。IR法案通過に伴って設けた、永くパチンコ業界の問題になっている依存症抑制対策のひとつ、とのこと。
ただ、内容はこうだ。
一連の流れ
対象は会員カードを持っているお客。カードは簡単に作ることができる。
1.客が自己申告プログラムを記入(その際、店が「申告上限額」と「会員カード番号」を控える)
2.店舗は毎日閉店後、会員カードの番号をもとに利用履歴を調べる
3.申告上限額を超えていた場合、次回来店時にスタッフが声をかける
“次回来店時にスタッフが声をかける”という点については、顔認証システムのカメラで利用者を見つけるとのことで、この辺はデジタルだけど、基本的にはアナログ作業で驚いた。
考えてみれば、パチンコ遊戯するのは個人の自由なわけで、強制的に遊戯をやめさせることなどできないはず。だから“自己申告”なわけだ。パチ好きはこの店で遊べないなら別の店へ行って打っちゃうだろう。ある店舗でのシステム利用者は3人だという。まだ始まったばかりだけれども…。
このシステム、IR法案が通過したので、行政などから「依存症対策に力を入れて」と要請されて作ったのだろう。効果が出ることを期待したいけどたぶんこの程度じゃムリだと思う。
ところで、日本にギャンブル依存症はどのくらいいるのだろう? 調べてみた。
2013年の統計では、日本のギャンブル依存症は536万人に及ぶとされた。これは成人の4.8%に当たる。海外では、米国(02年)1.58%、香港(01年)1.8%、韓国(06年)0.8%などで、日本は際立って高く、世界一だそうだ。
中でもおそらく一番の依存者を出しているのがパチンコだろう(パチンコは風営法で「遊戯」と位置付けられているがギャンブルに含むとする)。パチンコ、パチスロの遊戯場店舗数は2015年末で1万1310店、前年よりも300店以上減った。 減少傾向は20年以上続いているわけだが、パチンコの年間売上は2~3兆円、実はこれギャンブルのジャンルで言えば世界でダントツだそうだ。それもそのはず、家の近くに毎日ギャンブルができる店があるという国は世界で日本だけだといわれている。
「4月18日、自民・公明の作業チームが、今の国会にギャンブル依存症対策を推進するための基本法案を議員立法で提出し、成立を目指す方針で一致した。」新しく法律を作るというのならば、ってことで、パチンコに関してこんな提案をしたい。私は法の専門家でもなんでもないので勝手な戯言と思って見て欲しい。
『全国パチンコ店共通の個人カードシステムを作るのはどうだろう?』
パチンコを遊戯する人は必ずパチンコ専用の個人カードを作ることとする。一時期マイナンバーカードを入場時に提示するなんて話しが出たが、そうじゃなくてタバコの「taspoカード」みたいな感じ。
遊戯の際はカードを機械にセットしなければ作動しない。カードには使用金額と出玉歴(換金額)が記録され簡単にわかるようにする。収支が見られれば、抑止力にもなると思う。
更に、冒頭の自己申告システムを導入、使用金額上限(一日いくら・月にいくら)を本人に設定させる。その上限金額を超えたら強制的にストップがかかり遊戯ができなくなる。最初は申告制として、のちのち依存症者が増加して問題になったら義務化する。
利用者に規制をかける代わりに、出玉の規制を緩和して一発逆転も可能な機種も作るといった措置も考えれば良いのではなかろうか?
パチンコ店は年々減少していて、これまで幾度も射幸心を煽らない機種の変更をしてきた。それでも結局依存症対策にさほど効果がないってことなんだ。だから、このくらいの管理システムを導入する思い切りがないと解決には近づかないのではないだろうか。パチンコファンにとっては耳の痛い話だろうが、どうだろう?
実は自分も、もしかしたらパチンコ依存だったかもしれないと思う。
確変3連チャン機の頃の「黄門ちゃま」、「海物語」、その後「北斗の拳」「エヴァンゲリオン」にハマった。10年ほど前のある年、負けを取り返そうとしてまた負ける繰り返しが続き、投資金を計算してみたら恐ろしい額になっていることがわかった。
そして、すぐ神社へお参りに行って「パチンコを辞めるので、約束を破ったらこらしめてください」と神様にお願いした。それ以来一度もパチンコもパチスロもやっていない。神様にこらしめられたら怖いもん。