近年耳にすることが多くなったヘアドネーションですが、その後寄付した髪の毛がどう使われ、どんな人に届いているのか、知る機会は少ないのではないでしょうか。
そんなヘアドネーションしたその先にある、アピアランスケアや医療用ウィッグなどについて学ぶ、小学生の親子向けワークショップをヘアケアブランドの「フィーノ」が開催しました。アピアランスサポートセンター長久手「TOTONOU」で行われたその模様をレポートします!

・「#髪からはじめるちょっといいこと」を体験しながら楽しく学ぶワークショップ

株式会社ファイントゥデイが展開するヘアケアブランド「フィーノ」が取り組む新しい社会貢献のカタチ、医療用ウィッグに関わるすべての人が 360°つながるプログラム【HAIR TOUCH YOU のばせば届く。】。
この取り組みの中で、近年の学習指導要領の改訂で小中高での「がん教育」が必修化されるという環境を受け、昨年から始動した「#髪からはじめるちょっといいこと」の一環として、小学生の子どもたちを対象に、よく耳にするヘアドネーションを入り口に、がんやがんの治療によって見た目(アピアランス)が変わっても心地よく生活を送ることができるように行われる“アピアランスケア”と、その中でもヘアドネーションと直結する医療用ウィッグについて学ぶイベントです。

小学生の子どもたちが参加できる社会貢献活動の一つである“ヘアドネーション”された髪が医療用ウィッグとして必要な方の元に届くまでの流れ、また実際に医療用ウィッグ使用者の声を聞くなど、施設見学やワークショップを通して学びを深めていき、日常でできるちょっといいことにつながるヒントを持ち帰ってもらうことを目指します。

・病気で髪の毛を失ってしまった人の気持ちに寄り添うこと

ワークショップは学校のように1時間目から5時間目までの時間割に沿って進む流れ。
1時間目は、「がんなどの病気で髪の毛が抜けてしまうことについて考えてみよう」ということで、早稲田大学の学生団体Rethink Fashion Waseda(ReF)の河島さくらさん、髙井啓衣子さんの2名ががんになってしまったお母さんと娘を題材にした「ママのバレッタ」という絵本の読み聞かせを行いました。

真剣にお話を聞いている子どもたちの姿が印象的で、「お母さんががんで髪の毛が抜けてショートヘアになってしまったけど、ショートヘアのお母さんも素敵だった!」と見た目が変わっても、お母さんを大切に思う気持ちは変わらないことを学んだ様子でした。

2時間目は、今回のワークショップが行われた場所、アピアランスサポートセンター長久手「TOTONOU」を見学する時間。
運営しているNPO 法人「全国福祉理美容師養成協会」(通称 ふくりび)の岩岡ひとみさんから、この場所はがんや脱毛症などで髪の毛が抜けてしまった人のウィッグを作ったり、そのウィッグをセットしたり、ネイルやメイクなど見た目に関するサポートをしてくれる場所との説明が。

またヘアドネーションした髪が医療用ウィッグになるまでの流れが説明され、ウィッグになるまで大体2ヶ月くらいかかること、大人なら4人分、子どもだと10人分くらいの髪の毛でやっと1つのウィッグになるとの解説も。

ヘアドネーションには31cm以上の髪の毛が必要で、31cmでも髪の毛を折り返してウィッグにするため、ショートヘアにしかならないこと、さらに白髪の入った髪の毛やカラーリングした髪の毛でもウィッグが作れることなど、知らない知識が目白押し!
さらに似合う髪型を知るシュミレーターの体験では、髪型を探るだけではなく、病気で落ち込んでしまった心を軽くしてもらう役割もこのシュミレーターが担うことも学びました。

・医療用ウィッグ使用者のお話とヘアドネーションの360°を実際に体験!

3時間目は医療用ウィッグのユーザーである元 SKE48でタレント・声優の矢方美紀さんのお話を聞く時間。
25歳の時、乳がんになってしまい、薬の影響で髪の毛を全て失ってしまったことがきっかけで医療用ウィッグのユーザーとなった矢方さん。
病気になり、髪の毛が抜けてしまった時はかなり落ち込んでしまったそうですが、ウィッグは様々な髪型を楽しめ、またかぶるだけで様になり、5分くらいで準備ができるので遅刻しそうな時にも便利というポジティブな側面もあることが判明。
また医療用のウィッグは普通のウィッグと違い、軽くてダンスや逆立ちをしても取れないという事実も!1人1人のサイズに合わせて作ってくれるので、フィット感が抜群なんだとか。
「ヘアドネーションには本当に感謝しています!誰かの笑顔のためになっていることを知って欲しい!」と子どもたちにメッセージを送りました。

4時間目は、ヘアドネーションカットの見学や医療用ウィッグの試着、髪の毛の仕分けを行う体験の時間。
今回ヘアドネーションをした中学2年生の女の子は、
「今まで伸ばしてきた髪がなくなるのは寂しいけど、誰かの役に立てると思うとうれしい!」と笑顔でしっかりと意見を伝えている姿がとても頼もしい!

医療用ウィッグの試着や髪の毛の仕分け作業は子どもたち同士笑顔で楽しそうに行っていました。
最後に5時間目として、班ごとに話し合いの時間を持ったり、今日学んだことをクイズ形式にして発表する場があり、子どもたちなりに楽しく、しかもきちんとヘアドネーションにまつわることを学べた様子がわかりました。

実際にどう使われ、どんな人に届き、どう感じてもらえるのかを聞くことで、グッと身近になり、印象が変ったヘアドネーション。こうした現状があることを知るだけでもとても意味があることだと感じました。
「フィーノ」が行うこれからの活動にもぜひ注目してみてはいかがでしょうか。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 ヘアドネーションのその後はどうなる?アピアランスケアや医療用ウィッグについて学ぶ小学生向けワークショップ開催