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81.38を獲得すると6位につける。
予選ツアー大会から一貫して、唯一ノーパッドで攻めるギャビンのラン2本目。
フロントサイドエア、アーリーウープのバックサイドエア、アーリーウープフロントサイド360でフェイキースタンスになると、ジャンプボックスをハーフキャブインディで越え、ウェドル(ミュート)540、インディグラブでジャンプボックスを再び越えると、ステイルフィッシュエア、バックサイドキックフリップ、オーリーアップでバックサイドK(クルックド)グラインドフェイキーアウトからキャバレリアルヒールフリップインディ、アーリーウープボディバリアル360、フェイキーオーリー、リーンエア、ファストプラントを決めるフルメイクの滑りを見せ、86.95点で3位につける。
ここで永原は7位に後退。
永原はラン2本目でキックフリップボディバリアル540をミス。
直後のテイト・キャロウのラン2本目。
ジャンプボックス越えのキックフリップインディ、ステイルフィッシュエア、テールグラブ540、コーナーを流すバックサイドスミスグラインド、フロントサイドリップスライド、フロントサイドブラントスライド、スパインレールをフロントサイドノーズグラインド、オーリーアップからのバックサイドノーズグラインド、ヒールフリップインディ、ハードフリップインディ、バックサイドテールスライド、ボディバリアル540、フロントサイドロックンロールスライドをフルメイク。90.42点を獲得し3位につける。
この時点で永原は8位に。
永原は3本目のランでもキックフリップボディバリアル540をミスしてしまい、暫定8位で残りのヒートを見守る。
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予選ヒート3には、東京オリンピック銀メダリストでブラジルスケート界の英雄ペドロ・バロス、同じくブラジル勢で世界ランキング7位のアウグスト・アキオ、Disorderでストリート銅メダリスト、ナイジャ・ヒューストンのチームメイトとなるイタリアのアレックス・ソルジェンテ、そしてオリンピック連続出場となる南アフリカの49歳ダラス・オーバーホルツァーが出場。
ペドロのラン1本目。
キックフリップインディ、フロントサイドエア、バックサイドテールスライド、ステイルフィッシュ540、フロントサイド5-0グラインド、フロントサイドエア、インディエアフェイキー、スイッチフロントサイド50-50グラインド、
スパインレールをフロントサイドテールスライド、オーリーアップのフロントサイドスミスグラインド、バックサイド540で最後は投げキッスをフルメイク。
まさにスピードと高さのキングオブキングと呼べるような滑りで89.24点を獲得し、暫定4位に。
この時点で永原悠路が9位に後退し、予選敗退が決定した。
アレックス・ソルジェンテのラン2本目。
キックフリップインディ、エクステンションレッジにフロントサイド180で上がると、フェイキーオーリーでコースイン。
その後はハーフキャブ バックサイド50-50グラインド、コーナーをフロントサイドスミスグラインドで流し、アーリーウープバックサイド50-50グラインド、バックサイド360、ジャンプボックスレールで50-50グラインドなど他の選手とは違った動きの滑りを見せると91.14点を獲得し、暫定3位に。
ダラスのラン3本目。
1本目、2本目と序盤でミスがあったが、最終滑走ではバックサイドエア、フロントサイドエア、フロントサイドオーリー、バックサイドオーリー、アーリーウープバックサイドグラインド、フロントサイド5-0グラインド、オーリーアップからのフロントサイドスミスグラインド、バックサイドスラッシュグラインドをメイクするが、残り11秒のところで転倒。
最後まで楽しみ攻めきった49歳に会場は大いに盛り上がり、偉大な33.83点を獲得した。
続いて暫定6位で迎えたアウグストのラン3本目。
ラン1本目でフルメイクしたラン構成からさらに得点を伸ばす滑りで88.98点。
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予選ヒート4には、世界ランキング8位ブラジルのルイジ・チニ、東京オリンピック9位スペインのダニー・レオン、東京オリンピック6位プエルトリコのスティーブン・ピネイロ、オーストラリアの17歳キーファー・ウィルソン、そして冒頭でも紹介したイギリスの51歳、アンディ・マクドナルドが出場。
ルイジ・チニのラン1本目。
アーリーウープからのキックフリップボディバリアル、バックサイド540、キックフリップステイルフィッシュ、キックフリップメロンなどをフルメイクし89.10点を獲得。暫定6位。
ここでアメリカのギャビン・ボッガーの予選敗退が決定してしまう。
キーファー・ウィルソンは1本目のランで、フルメイクの素晴らしいランを見せるが81.70点。
13位で迎えた2本目のランでは、キックフリップインディ、アーリーウープバックサイドエア、レッジでバックサイド50-50グラインド、キックフリップボディバリアル540、ジャンプボックスでインディ360、ウェドル(ミュート)540、ジャンプボックスレールでフロントサイド50-50グラインド、フロントサイドノーズグラインド、アーリーウープのバックサイド360、キャバレリアルディザスターからのガッツポーズをフルメイク。
88.60点で8位につける。
レジェンドすぎる51歳、アンディ・マクドナルドのラン2本目。
ジャパンエア、オーリーアップからのフロントサイドリップスライド、ノーリーヒールフリップ、ボディバリアル540、フロントサイドバリアル、インディエアtoフェイキーからジャンプボックスをハーフキャブウェドルグラブで越えると、最後は宙返りするバックフリップで締め、会心のフルメイクを見せると(76.61点、暫定18位)スケートボードの神様と言われるトニー・ホークも笑顔の拍手。
暫定8位のキーファーのラン3本目、さらに得点を伸ばして90.10点。
暫定5位にランクアップ。
最終滑走者となるアンディのラン3本目。
2本目ラスト手前に行った、ジャンプボックスでのハーフキャブをフェイキー540に変えてフルメイクの滑りを見せ、77.66点を獲得(18位)。最後の最後まで観客を沸かせ、伝説すぎる滑りでパリオリンピックを終えた。
予選を終えた順位。
1位キーガン・パルマー(93.78点)
2位トム・シャー(92.05点)
3位アレックス・ソルジェンテ(91.14点)
4位テイト・キャロウ(90.42点)
5位キーファー・ウィルソン(90.10点)
6位ペドロ・バロス(89.24点)
7位ルイジ・チニ(89.10点)
8位アウグスト・アキオ(88.98点)
という結果に。
なんと、予選の時点で上位5人が90点台という驚異のハイレベルな展開になった。
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男子パーク決勝は、史上最もハイレベルな戦いになった。
ラン1本目。
第1滑走者のアウグスト・アキオから6番手のアレック・ソルジェンテまでミスが続く中、7番手のトム・シャーが決勝第一号のフルメイクのランを見せる。
ヒップからオーリーアップでフロントサイドリップスライド、ヒールフリップインディ、テールグラブ540、ジャンプボックスでステイルフィッシュ360、バックサイド540、アーリーウープバックサイドディザスター、アーリーウープのキックフリップインディなどを決めて90.11点。
直後のキーガン・パルマーのラン1本目。
バックサイド側に飛ぶアーリーウープからのインディノーズボーン、オーリーアップからのバックサイドスミスグラインド、ギャップ越えのバックサイド540、キックフリップインディでスパインにトランスファーすると、フロントサイド側に飛ぶアーリーウープ テールグラブ、バックサイドノーズグラインド、キックフリップメロン、フロントサイド ロックンロールスライド、フロントサイドノーズグラインド、ジャンプボックスをリーン360、ステイルフィッシュ540、キックフリップインディtoフェイキーを決めると3秒ほどを残しフルメイク。
93.11点で暫定トップに。
ラン2本目。
アウグスト・アキオがヒールフリップボディバリアル、ギャップ越えのバックサイド540、フロントサイドノーズグラインド、フロントサイドリップスライド、レッジにフロントサイド50-50グラインド、オーリーアップからのバックサイドリップスライド、バックサイドスミスグラインド、キックフリップボディバリアル360、ジャンプボックスレールで50-50グラインド、バックサイドオーリーを決めるが、ウェドル(ミュート)540でミス。
得点81.34点を獲得し、3位につける。
ルイジ・チニのラン2本目は1発目に失敗。
ペドロ・バロスのラン2本目。
キックフリップインディ、フロントサイド5-0グラインド、アーリーウープインディエア、バックサイドテールスライド、ステイルフィッシュ540、フロントサイドスミスグラインド、アーリーウープステイルフィッシュを着地で態勢を崩しつつがなんとかメイク。
フロントサイド5-0グラインド、ロックフェイキーでランをつなぎ、スイッチフロントサイド50-50グラインド、スパインレールでフロントサイドテールスライド、フロントサイド50-50グラインド、最後にインディ540を決めフルメイク。
途中でバランスを崩しつつも、ラインを滑りきる対応力の高さを見せて86.41点を獲得し暫定3位に。この時、テンションが上がったキーガン・パルマーがビデオカメラでペドロを撮りに来る姿が印象的だった。
キーファー・ウィルソンは1本目のランに続き、2本目でもフルメイクできず。
暫定8位のテイト・キャロウのラン2本目。
ジャンプボックスをキックフリップインディで越えると、ステイルフィッシュエア、テールグラブ540、バックサイドスミスグラインドでコーナーを滑り、フロントサイドリップスライド、フロントサイドブラントスライド、スパインレールでフロントサイドノーズグラインド、オーリーアップからバックサイドノーズグラインド、ヒールフリップインディ、ハードフリップインディ、バックサイドテールスライド、ボディバリアル540を決め、91.17点で暫定2位につける。
暫定7位、アレックス・ソルジェンテのラン2本目。
キックフリップインディ、ハーフキャブ50-50グラインド、フロントサイドスミスグラインドでコーナーを長くグラインドすると、アーリーウープバックサイド50-50グラインド、バックサイド360、フェイキーフロントサイドノーズグラインドなどを決めて84.26点を獲得し、暫定5位につける。
暫定3位、トム・シャーのラン2本目。
ヒップからオーリーアップでフロントサイドリップスライド、ヒールフリップインディ、テールグラブ540、ジャンプボックスでステイルフィッシュ360、バックサイド540、キックフリップインディtoフェイキー、アーリーウープからのテールグラブ540などを決めるとさらにスコアを伸ばし、92.23点で暫定2位に。
暫定トップのキーガン・パルマー。
フルメイクの滑りを見せることができかなかったが、途中キックフリップインディでデッキを半回転でキャッチしてしまうが、空中で手でさらに半回転させてメイクする姿に脱帽。
そんなことできるの!?と思わせる瞬間だった。
ラン3本目。
暫定6位のアウグスト・アキオはヒールフリップボディバリアル、ギャップ越えのバックサイド540、フロントサイドノーズグラインド、フロントサイドリップスライド、レッジにフロントサイド50-50グラインド、オーリーアップからのバックサイドリップスライド、バックサイドスミスグラインド、キックフリップボディバリアル360、ジャンプボックスレールで5-0グラインド、バックサイドオーリー、ウェドル(ミュート)540、ノーリーフロントサイド180スイッチKグラインドを決めると、代名詞となるジャグリングもフルメイク。
91.85点で暫定3位につける。
暫定8位、ルイジ・チニのラン3本目は、最後にキックフリップインバートを狙うがミス。フルメイクの滑りを見せることはできなかったが76.89点で暫定7位。
暫定5位、ペドロ・バロスのラン3本目。
高いエアのキックフリップインディ、ヒールフリップインディ、インディ540、ステイルフィッシュ540などフルメイクのランを見せると91.45点を獲得。
惜しくも表彰台には届かなかったが、順位を1つあげて4位に。暫定8位のキーファー・ウィルソンは、最後のランもフルメイクできずに終わる。暫定5位のテイト・キャロウもさらに難易度を上げたランに挑むが、フルメイクすることができず。暫定6位のアレックス・ソルジェンテも残り20秒のところでミス。
暫定2位のトム・シャーのラン3本目。
ヒップから飛ぶアーリーウープ リップスライド、ヒールフリップインディ、テールグラブ540、ジャンプボックスでステイルフィッシュ360、バックサイド540、ジャンプボックスでキックフリップインディ、バリアルキックフリップインディtoフェイキーなどを決めるが最後のトリック、アーリーウープ テールグラブ540でミス。
ここで最後決めていれば逆転も見えただけに悔しい失敗だったが、笑顔で滑り終えた。
この瞬間キーガン・パルマーのオリンピック連覇が確定。
ウイニングランとなったキーガンの3本目はキックフリップメロンでミス。
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最後にはアメリカのテイト・キャロウ、ブラジルのペドロ・バロスがキーガンを担ぎ上げて連覇を祝福。
東京大会では金メダルを獲得したキーガンのみが90点台の滑りを見せたが(95.83点)、今大会は上位5位までが90点台という驚異のレベルに進化した大会となった。
この直後に行われた表彰式では、観客も表彰台のスケーターも他のスケーターも皆が一体になって健闘をたたえ、祝福する姿を見ることができ、まさにスケートボード競技の締めくくりにふさわしいラストシーンとなった。
ありがとうスケートボード。
世界のレベルが上がりまくっている男子パーク種目に日本勢でただ一人出場を決めた永原は、予選のラン1本目から自身最高の滑りを見せた。
・ キックフリップ ボディバリアル540
・ バックサイドに飛ぶキックフリップインディ
・ バックサイドスミスグラインド
・ インディ540
・ オーリーアップからレッジにフロントサイドスミスグラインド
・ ワンフットオーリーからのテールバッシュ
・ バックサイドノーズグラインドを体勢崩しながらもメイク
・ フロントサイドテールスライド
・ アーリーウープからのフロントサイドエア
・ フロントサイドブラント
これらのトリックをフルメイクし、81.38点を獲得。
2本目、3本目のランではキックフリップ ボディバリアル540を決めることができかったが、日本代表として素晴らしいレベルの滑りを見せ、パリオリンピックの舞台を滑り終えた。
3年前の夏に東京オリンピックに出場した平野歩夢。
当時はスノーボードとの二刀流出場で大きな話題を集め、これまでの平野自身の滑りを越えていくランを見せるも、分厚すぎる世界の壁に阻まれ、予選14位と決勝に進むことが出来なかった。
それから3年、そこからさらに日本のスケートボードを進化させた永原は、キックフリップ ボディバリアル540という東京オリンピックで金メダルを獲得したキーガン・パルマーが当時決めた技を決め、予選の結果は15位だったが素晴らしく進化したスケートボードを見せてくれた。
ストリートや女子パークと違い、彼の挑み続けた壁は日本男子パーク勢から見ればエベレスト級の高さを誇る。
ただ一人、日本からの出場権を獲得し挑んだサムライの功績をたたえたい。
競技を終えた直後のインタビューでは「得点は思ったより出なかったが、自分の滑りができたことは満足していますし、得点にも文句はありません」
「まだまだ自分の旅は終わってない」と最後のインタビューまで最高にかっこいい姿を見せて、次のロサンゼルス大会に向かう姿勢を見せた。
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1位 キーガン・パルマー(オーストラリア)–93.11
2位 トム・シャー(アメリカ)–92.23
3位 アウグスト・アキオ(ブラジル)–91.85
4位 ペドロ・バロス(ブラジル)–91.65
5位 テイト・キャロウ(アメリカ)–91.17
6位 アレックス・ソルジェンテ(イタリア)–84.26
7位 ルイジ・チニ(ブラジル)–76.89
8位 キーファー・ウィルソン(オーストラリア)–58.36
以下、予選敗退順位
9位 ハンプス・ウィンバーグ(スウェーデン)–88.29
10位 ギャビン・ボッガー(アメリカ)–86.95
11位 アレッサンドロ・マッザーラ(イタリア)–83.17
12位 ヴィンセント・マゼロン(フランス)–82.02
13位 トーマス・アウグスト(ポルトガル)–81.75
14位 スティーブン・ピネイロ(プエルトリコ)–81.54
15位 永原 悠路(日本)–81.38
16位 キーラン・ウーリー(オーストラリア)–80.04
17位 タイラー・エドマイヤー(ドイツ)–78.20
18位 アンドリュー・マクドナルド(イギリス)–77.66
19位 アライン・コルタビタルテ(スペイン)–75.46
20位 ダニー・レオン(スペイン)–56.25
21位 ビクター・ソルムンデ(デンマーク)–42.95
22位 ダラス・オーバーホルツァー(南アフリカ)–33.83
文 小嶋勝美
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。
約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。