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───TBI について教えてください
正しい部位に歯ブラシを正しく当てられているか、ブラッシング圧が強くないか、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃用具が正しく使用できているかなどのチェックを行います。また、より汚れを認識しやすくするために歯の汚れ「バイオフィルム」の染め出しをして、ご自身の磨き残しが多い箇所を一緒に確認していただき、改善に繋がるアドバイスをしています。
虫歯にしても歯周病にしても症状が出てからでは手遅れな場合が少なくありません。もちろん、それを治すのが我々歯科医師の仕事ではありますが、歯の治療は骨折や風邪など元通りに戻るものと違います。小さな虫歯の処置にしてもあくまで修復したに過ぎず、そこには人工物が残ります。また、一度手をつけてしまった歯は時間の経過とともに悪くなる傾向にあります。なので、治療という言葉を無くせる歯科医院を目指したいと思ったことが、予防へ力を入れようと思ったきっかけです。
予防を強化して治療回数を減らせると、地域の方々の健康寿命が延びてくると思っています。歯の平均寿命は約50~65年と言われています。超高齢社会である日本では、平均寿命が男性で約81歳、女性で約87歳となりました。その差、約20~30年をいかに埋めるか、いかに1本でも残せるかで、ご自身の歯で食事を美味しく食べられるか、自信をもって人前で笑顔を見せられるか変わってくるかと思います。お口は健康の入り口なので、歯の健康が全てに繋がってくると考えています。
───今後の目標を教えてください
予防が大切だと伝えてきましたが、現状はまだまだその考えが浸透しておらず、痛みが出てから歯科へ通院される方が多いです。後々になって後悔されないように、歯の大切さ、歯の健康を維持する重要性を伝えていきたいです。
よく、大切な物は失ってからでないと気付かない。と言われます。歯も同じです。あることが当たり前ですが、それが1本、2本と無くなってくると、「歯がなくなってしまい、うまく食事が摂れなくなってしまった」「入れ歯のバネが見えてしまうのが嫌でついつい笑う時に手で口を隠してしまう」など見た目や日常生活に支障をきたすことがあります。
重要性を伝えるために、意識の変容・改革の手助けが必要だと思います。例えば、最近は歯科矯正治療も身近なものになってきており、やられている方も多くいらっしゃいます。海外ではきれいな歯、きれいな歯並びは一種のステータスとされています。今後、国民皆歯科検診の導入が検討されています。歯科がより一般的になってくるため、歯があることのメリットを伝えていければと思っています。床屋や美容院で身だしなみを整えるように、皆さんの日常生活の一部として、歯科へも定期的に通ってもらえるよう啓蒙していきたいです。
小林歯科医院
院長:小林健二(こばやし けんじ)
https://kdc-nirasaki.jp/