- 週間ランキング
※ ラインのスコアは最大でも1つのみのカウント&必ず採用されるわけではないので、ラインを2本ともミスしたとしても、シングルトリックで高得点を4本取れば逆転が可能。
●判定は「達成度」「難易度」「多様性」「独自性とスタイル」こちらの要素を基準とした総合的な判断により行われ、5名のジャッジが10点満点方式で採点。
1つのトライに対して、最高得点と最低得点を除いた3つの得点の平均点で得点が算出される。
●男子は招待された20人が、それぞれ5人ずつ4つのグループに分かれて予選となるKNOCKOUT ROUND(ノックアウトラウンド)を行い、各グループの勝者と、グループ勝者を除いた全体のトップと2位(セカンドチャンス)が決勝に進出(合計6人)。
女子は招待された10人が5人ずつ2つのグループに分かれ、各グループ上位3人が決勝に進出(合計6人)。
男子のノックアウトラウンドはまさに波乱の展開となった。
まず、第1グループではアメリカのハンマートリッカー、クリス・ジョスリンがバンクtoギャップでノーリーバックサイド360ヒールフリップなどの高得点を連発し、優勝候補のブラジル、ジオバンニ・ビアンナを破って決勝に進出。ジョスリンは確かに実力者ではあるが、誰がこの結果を予想できただろうか?
第2グループには日本の根附海龍が出場。
シングルトリックラストとなる5本目、9.3点以上を出せば逆転できる場面で、ヒールフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを決めきれず、セカンドチャンス2位で残りのグループの滑りを見守る展開に。このグループの勝者はポルトガルのグスタボ・リベイロ。
第3グループにはキング・オブ・キングス、アメリカのナイジャ・ヒューストンが登場。
キングがまさかの4本トリックを揃えることができずに敗退が決定するという波乱の中、ブラジルのフェリペ・グスタボのシングルトリック最後に注目が集まる。8.7点以上を出せばセカンドチャンスで決勝に進出できる可能性がある場面で選んだトリックはステアでのレールオーバーのフロントサイドキックフリップ。
見ている誰もが「ギリギリ得点が8.7に届くか届かないか!?」という思いで見つめる中、スコアボードに表示された得点はピッタリ8.7点!残念ながらここで根附は、セカンドチャンスでの決勝進出がなくなった。
このグループの勝者はブラジルのケルビン・ホフラー。余談だが、途中アメリカのアレックス・ミドラーのデッキが折れてしまい、急遽ブラジルのカルロス・リベイロからデッキを借りてトライしたバンクtoレールでのフロントサイド270リップスライドもアツいシーンだった(本当に一度もオーリーなど試さずにトライし、見事にメイク)。
第4グループには3月のAPEXで優勝した堀米雄斗が登場。
ラインで8.6点を出し、シングルトリックでは9点台を2本叩き出すも、残念ながらトリックを4本揃えることができず、こちらも予想外のノックアウトラウンド敗退。
このグループは地元のヒーロー、ブレイデン・ホーバンが制した。
SLSサンディエゴ2024男女決勝の映像
今回のSLSの会場はキンクハバレッジやロングレッジ、チェーン越えのバンクなどユニークなセクションが設置されている特徴的なコースだった。
これまでSLSで4度の準優勝に輝くも、未だ1度も優勝のタイトルを手にしていない西矢椛はノックアウトラウンド、グループ2に出場し3位で決勝に進む。
決勝2本目のラインでギャップtoレールでフロントサイドリップスライド、バンクでノーリーヒールフリップ、キンクハバレッジでバックサイドノーズスライド、最後にはチェーン越えのヒールフリップバンクインを決め、フルメイクのラインで7.3点を獲得。
ライッサ・レアウ(7.7点)に続く2位でシングルトリックへと進む。
以下西矢シングルトリック[]内はセクション
1本目[バンクtoギャップレール]バックサイドリップスライドを決め7.7点。
2本目[バンクtoギャップレール]サラダグラインドをミス。
3本目[バンクtoギャップレール]サラダグラインドを決め、8.0点を獲得。
ここまではライッサに次ぐ2位をキープしてきたが、オーストラリアのクロエ・コベルが4本目にチェーン越えのスイッチキックフリップを決めると(8.4点)2位の座を奪われる。
4本目[キンクレッジ]バックサイドKグラインドからノーリーヒールフリップアウトを狙うもミス。
3位以上が確定した最終5本目、優勝するには9.7点が必要という厳しい状況だったが、準優勝の可能性も十分ある場面は4本目と同じトリックを選択。
決まれば超高得点となるキンクレッジでのバックサイドKグラインドからノーリーヒールフリップアウトを狙うが、惜しくも着地でまくられてしまいミス。
最終的に4本トリックを揃えられたのは、優勝したライッサと準優勝のクロエのみだった。
この投稿をInstagramで見る
1位 ブレイデン・ホーバン(アメリカ)–35.5
2位 ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)–33.4
3位 グスタボ・リベイロ(ポルトガル)–27.0
4位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)–26.9
5位 フェリペ・グスタボ(ブラジル)–26.1
6位 クリス・ジョスリン(アメリカ)–24.7
この投稿をInstagramで見る
1位 ライッサ・レアウ(ブラジル)–33.9
2位 クロエ・コベル(オーストラリア)–29.8
3位 西矢 椛(日本)–23.0
4位 中山 楓奈(日本)–21.6
5位 織田 夢海(日本)–14.8
6位 赤間 凛音(日本)–14.0
文 小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボード放送作家のスケーター。10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。