- 週間ランキング
福岡県の第11回福岡県酒類鑑評会で受賞した日本酒・本格焼酎の発表会が、10月28日に東京・麹町の「麹町なだ万 福岡別邸」にて開催された。
同発表会では8蔵が上京し、各蔵の歴史や酒造りのこだわり、酒の魅力を紹介したほか、受賞酒の中から特に優秀と認められ、福岡県知事賞、福岡県議会議長賞を受賞した20銘柄のきき酒を実施。なだ万が手掛ける福岡の旬の食材をふんだんに使った料理とともに、福岡の酒を堪能できる試食&試飲会となった。
日本酒では、「純米大吟醸酒の部」で福岡県議会議長賞に輝いた(株)みいの寿の「三井の寿 純米大吟醸 斗瓶採り」、「大吟醸酒の部」で福岡県知事賞に輝いた(株)みいの寿の「三井の寿 大吟醸 寒の蔵」、「純米吟醸・純米酒の部(精米歩合51~59%)」で福岡県知事賞に輝いた若波酒造(名)の「若波 純米吟醸 山田錦」、「純米吟醸・純米酒の部(精米歩合60%以上)」で福岡県議会議長賞に輝いた(株)喜多屋の「特別純米酒 喜多屋 プレミアム」、「吟醸酒・本醸造酒の部」で福岡県議会議長賞に輝いた若波酒造(名)の「若波 本醸造」が登場。
本格焼酎では、「麦焼酎 長期貯蔵の部」で福岡県知事賞を受賞したゑびす酒造(株)の「芳云 ゑびす蔵」、福岡県議会議長賞を受賞した(株)紅乙女酒造の「河童九千坊ヴィンテージ」、「麦焼酎 樽貯蔵の部」で福岡県知事賞を受賞した(株)喜多屋の「長期熟成麦焼酎 是空」、「麦焼酎 常圧蒸留の部」で福岡県議会議長賞を受賞した西吉田酒造(株)の「釈云麦」「麦焼酎 減圧蒸留の部」で福岡県知事賞を受賞した光酒造(株)の「博多小女郎 福吉」が振る舞われた。
(株)みいの寿の四代目蔵元・杜氏の井上宰継氏は「『酒造りは化学とセンスと情熱だ!』という信念でやっています」と酒造りへの熱い思いを明かしたほか、昔ながらの“手造り”にこだわっていることやラベルも自身がデザインしていることなどを語った。
若波酒造(名)の代表社員・今村嘉一郎氏は「『味の押し波・余韻の引き波』というのをキャッチフレーズにして、口に含んだ時にしっかりお米からくるうま味だったり甘みを感じてもらって、のどに溶けるような軽快な余韻を表現したいなと思って、全体的にそのような味わいを目指しております」とコメント。また、「『山田錦』はお米からくるふくらみやわらかさ余韻を感じてもらえるかなと思います。『本醸造』は米のうま味とコクを感じてもらった後に、非常にアク切れのいいキレのいい味わいになっています」と解説した。
(株)喜多屋の代表取締役社長・木下宏太郎氏は「基本的に福岡の料理を引き立たせる酒を造りたいということを目指していて、私の造りたい酒は、口中で優雅に大きく丸く膨らみ、後味の余韻がきれいで美しい酒です。分かりやすく言うと、芳醇さと透明感。これを目指して長年やってきました」と打ち明け、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2020 SAKE部門「スパークリング」で最上位の「トロフィー」を獲得したこと、IWC2013 SAKE部門で「チャンピオン・サケ」を受賞したことを挙げ、長年のこだわりが世界的に認められたことをアピールした。
ゑびす酒造(株)の代表取締役社長・田中健太郎氏は「代表銘柄である長期熟成焼酎の『らんびき』をきっかけに貯蔵にすごく力を入れまして、長期熟成の商品に力を入れております」と特徴を語り、「熟成によって丸みと甘さが出てくるんですけども、ドライとキレの良さもあって、甘さと辛さの調和。心地よい余韻の後に甘いフルーツのような香りが香ってくるというようなお酒を思い描いて作っております」と酒の特色を告白。
(株)紅乙女酒造の営業部長・山崎稔氏は「今回受賞しましたお酒は麦焼酎なのですが、実はうちの一番の商品はごまを使った焼酎でございます」と言って来場客を驚かせつつ、「低温でじっくりと発酵させるという作り方をポイントにしています」と解説。さらに、「減圧蒸留をメインにしており、やわらかいお酒を作るのが得意な蔵でございます」と語った上で、「貯蔵の重きを置いており、貯蔵酒をたくさん保有しております」とアピールした。
西吉田酒造(株)の代表取締役社長・吉田元彦氏は「『焼酎造りは笑顔づくり。』をモットーに、日常の生活を笑顔にできるお酒造りをしたいなという思いでやっております」と明かし、『釈云麦』について「黒麹を使って、常圧蒸留をする。そしてろ過器によるろ過を行わないというのが特徴です」と解説した。
光酒造(株)の副社長・永末正成氏は、『福吉』について「弊社の造っているのは、クリアな飲み応え、クリアな軽さが特徴なんですけども、この『福吉』というのはしっかりした味わいの物を造りたいなということで、造りました。まずは香りを楽しんでいただきまして、後にくる深いのどを転がるような味わいを楽しんでいただければ」と明かした。