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2023年10月上旬に、西新宿エリアに中型自動運転バスが走行しました。運転手の監視付きの「自動運転レベル2」にて運行。その自動運転バスの開発を手がけたのは埼玉工業大学です。今回は、中型自動運転バス走行の概要をご紹介します。
(YouTube:https://youtu.be/ltIpMJN8H98?si=bxCSIqUeEArF5T14)
今回の自動運転バスの走行は、東京都都市整備局の「令和5年度自動運転社会を見据えた都市づくりに関する調査検討業務委託」を受託するパシフィックコンサルタンツ株式会社が全体運営管理を行い、京王バス株式会社が運行事業者、埼玉工業大学が車両提供者を務めることで実施されました。
走行期間は、2023年10月2日(月)~10月13日(金)のうち、10月5日(木)と10月10日(火)を除く計10日間で、コースは新宿駅西口(地下)から都庁第一本庁舎、都庁第二本庁舎を回った新宿駅西口までの約2.0kmです。
平日は10時~16時の間に32分間隔で計12便、土日祝は13時半~16時の間に30分間隔で計5便、運行されました。
走行中の位置計測などを行う計測器の提供と取り付けは式会社東海理化が担い、高精度3次元地図作成と提供はアイサンテクノロジー株式会社が担いました。
大型自動運転バスが東京都内の公道において走行するのは初めてのことだといいます。
今回、使用された自動運転バス車両は、埼玉工業大学の自動運転技術開発センターが開発した自動運転システムを搭載したもので、路線バス(中型)タイプ 全長9mの日野レインボーⅡをベースとしたものです。
周囲の交通流を阻害しない程度の速度、法定速度 50km/h以下で、自動運転レベル2にて走行されました。
レベル2とは、部分運転自動化のレベルです。運転者が同乗し、周辺を監視しながら、ハンズフリーによってシステムが前後・左右両方の車両制御に関わる運転操作の一部を実施します。
その自動運転に重要な役割を担うのが車載センサです。センサが自車位置測定、前方の他者や障害物検知を行い、自律走行する仕組みになっています。
実際に自動運転中のバス車内の様子を伺ってみると、運転手がハンドルに触れていないのに、勝手にハンドルが動いているのには驚き!
右折の交差点でも、歩行者の横断をシステムで監視しながら、安全に自動で走行していました。
今回の自動運転バスの走行について、埼玉工業大学 工学部 情報システム学科 渡部大志教授は次のようにコメントしました。
「これまで全国のさまざまな場所で自動運転の実証実験をしてきました。多くのみなさまと協力しながら、自動運転の社会需要性を調べたり、自動運転の技術自体が向上するような取り組みを行ってきました。
今年6月には深谷市に自動運転レベル4を導入することを目的としたコンソーシアムを立ち上げました。今回は西新宿という深谷市とはだいぶ環境の違うところですが、自動運転を導入して社会需要性を高めるような活動に参加できております。できるだけ早くレベル4の自動運転をみなさんにお届けできればいいなと思っております」
自動運転レベル4とは、特定条件下における完全自動運転で、運転手の同乗なしで、特定条件下においてシステムがすべての運転タスクを実施するレベルのこと(※)。
まだ自由に走行できる段階には至っていませんが、徐々に自動運転が無人化されるのを目にする機会が増えていくと考えられます。
今回、自動運転レベル2のバスが、都庁を中心とした西新宿を走行したことは、とても意味のある出来事といえます。今後の技術の進化に期待が高まります。
公式サイト:https://saikocar.sit.ac.jp/
※出典:国土交通省「自動運転のレベル分けについて」
(https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf)