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気温が低くなり空気が乾燥する冬に気を付けたいのが風邪やインフルエンザ。これらを予防するには自身の免疫力を高めることが有効です。免疫力を高めるためには、「睡眠」「運動」「食事」の三つの要素が大切とされていますが、この三つの中で今すぐに自分の力で変えられるのが「食事」です。
そこで今回は、免疫力を高めるために必要な栄養や、それらを摂取できる食事のメニューを紹介していきたいと思います。
体の中で最大の免疫器官とも言われている「腸」。免疫システムに関わる細胞の約7割が腸に生息し、細菌やウィルスなどの病原体と戦っています。その免疫細胞の材料となる栄養を吸収し生成するのも腸の役割。そのことから、食生活の改善で腸の健康を保つことが免疫力を高めるうえで最も重要なことの一つと言えるのです。
免疫とそれを支える腸内環境に大きく影響を与える3つの栄養素は、「亜鉛」、「ビタミンD」、「マグネシウム」の3つ。ここからはその3つの栄養素を細かく見ていきましょう。
亜鉛
亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」です。体内に入り込んだ異物、ウィルスなどを駆除してくれる免疫細胞。その免疫細胞が正常に機能するよう成長するのをサポートする栄養素です。
また、亜鉛には活性酸素を除去する酵素の働きを助ける役割も。欠乏する事で免疫機能だけでなく抗酸化作用も正常に働かなくなってしまいます。実際に行われた実験では、亜鉛配合のトローチをとっている人は、そうでない人に比べて風邪の発症率を36%低下させ、風邪の持続期間を1.03 日減らしたことが報告されています。
亜鉛の含有量が多い食材は、牡蠣やからすみ、牛肉などです。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収促進、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する役割のある栄養素です。
殺菌作用を発揮する抗菌ペプチドを作る働きをし、体内に侵入したウィルスや細菌などに対して必要な免疫機能を促進。風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症、悪化の予防にも関与するといわれています。また、腸粘膜を修復する働きもあり、腸にとっても大切なビタミンです。
ビタミンDはサンマや鮭、アジなど、魚類に比較的多く含まれています。また、ビタミンDは食事だけでなく紫外線を浴びることでも生成されるので、日焼けしない程度の時間で日光に当たることもおすすめです。
マグネシウム
マグネシウムは骨の成長や強化、維持に重要なミネラル。筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたりといった働きがあります。
また、免疫を調節するビタミンDの活性化に欠かすことができない栄養素でもあります。そして、人はストレスにより活性酸素が体内で増えると「酸化ストレス」という状態になり、免疫機能も含めて身体が内側から蝕まれてしまいます。マグネシウムは体内で活性酸素を分解する酵素を作る栄養素であり、カラダを酸化ストレスから守っています。
マグネシウムはごまやアーモンドなどの種実類、あおさや青のり、わかめなど海藻類、豆腐や納豆などの豆類・大豆加工食品の3カテゴリーに多く含まれています。
予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんが教えてくださる免疫力アップに効果的なメニューは「牡蠣の和風チャウダー」。牡蠣は“海のミルク”と呼ばれるほど栄養豊富な食材で亜鉛も豊富に含まれています。
また、発酵食品である味噌とオリゴ糖を含む豆乳や玉ねぎを加えることで、腸にもうれしいレシピに。酪酸をつくる食物繊維リッチなきのことポリフェノール豊富な野菜も追加されています。
【材料】 2人分
・牡蠣…8粒 ・にんじん…1/2本 ・玉ねぎ…1/2個
・ほうれん草…1/4束 ・しめじ…1/4パック ※お好みでコーンも
・バター…20g ・だし汁・・・200cc
・米粉あるいは小麦粉 大さじ2
【調味料A】・豆乳…100cc ・味噌…大さじ1 ・ 塩、こしょう…少々
【作り方】 調理時間30分
①玉ねぎ、にんじんを食べやすいサイズに切る。ほうれん草は3cm ほどの長さにざっくり切る。しめじは石づきをとり、長さを1/2にカットしてほぐしておく。
②フライパンにバターを溶かし、玉ねぎ・にんじん・しめじを炒め、しんなりとしてきたら米粉を入れ、粉っぽさがなくなるまで炒めて、だし汁を入れて2~3分煮る。
③ ②に牡蠣を加えて、火が通ったらほうれん草と〈A〉を少しずつ入れ、味を調えて完成。
風邪やインフルエンザが心配な冬の季節。ぜひ免疫力を高めるために栄養を意識して食事を摂る様にしてみてください。一人暮らしや普段あまり料理をしない方はサプリメントなどを摂取するのも効果的です。