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皆さんはなんとなく「不眠」「めまい」「頭痛」「足のむくみ」「疲れやすい」などといった症状を感じることはありませんか?実はその症状は「新型栄養失調」と言われるものが原因かもしれません。
栄養失調と聞くと、今の時代にはあり得ないものと思われるかもしれませんが、近年では偏った食生活により「新型栄養失調」になっている人が増加しているようです。
今回は、静岡県立総合病院リサーチサポートセンター臨床研究部長の田中清先生のコメントを交えながら「新型栄養失調」について解説していきます。
「新型栄養失調」とは、摂取カロリーが足りているにもかかわらず偏った食生活により、特定の栄養素が摂取できていない状態のことを指します。このようなことが起こってしまう原因として、食事制限やダイエットに加え、近年の外食控え傾向からテイクアウトやデリバリーなどの利用が増加していることがあげられます。
栄養素というのは、たんぱく質・脂質・炭水化物(エネルギー産生栄養素)と、その有効利用を助けるビタミン・ミネラルに分類されます。特定の食品ばかり食べたり、特定の食品を避けたりするのは、ビタミン・ミネラル不足の危険性を増加させてしまうのです。
ビタミン・ミネラル不足にならないようにするには、様々な食品を意識的に食べることが重要だそう。もし外食に行く機会があった際も毎回違うメニューを選んだり、一度に多くの種類を食べることができる定食などを選ぶことがお勧めです。
食糧難の時代における栄養失調の場合、心不全や神経障害のような重大な異常が見られていましたが、新型栄養失調の場合こういった症状は起こらず、新型栄養失調だと断定できるような症状はありません。多くの人に見られる「不眠」「めまい」「頭痛」「足のむくみ」「疲れやすい」といった症状は、様々な原因によって起こりますが、もしかすると新型栄養失調によってもたらされているかもしれないのです。
新型栄養失調は、特徴的な症状がなく、何となく調子が悪いというのがそのせいということは十分あり得ます。特徴的な症状がないということは、診断が難しいということでもあります。何となく疲れやすいからといって、病院を受診して、片っ端から血液中ビタミン濃度を測ってもらうというのも、現実的ではありません。ということは、予防が何より大切です。ビタミンは 13 種類もありますので、それぞれのビタミンが豊富な食品を意識して食べるというのも、現実的には困難です。偏った食事をしない、同じものばかり食べない、できるだけ多様性を持たせて、いろんな種類の食品を食べるというのが、最善の新型栄養失調の予防だと思います。
「新型栄養失調」を予防するために、偏った食事は避け、様々な食品を意識的に食べるようにしていきましょう。