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帝京大学医学部附属病院は1078床を有し、地域がん診療連携拠点病院として、長年がん治療に注力してきた。そしてこの度、大学病院初となる高精度放射線治療装置 「Elekta Harmony」 の治療が5月8日(月)に開始された。今日のがん治療は、患者さんにかかる負担が少ない治療が求められていて、放射線治療も例外ではなく、快適かつ短時間に治療を進めることができる環境の整備が重要視されている。
帝京大学医学部附属病院で採用され、治療がスタートする「Elekta Harmony」は「ペイシェント・ セントリック(患者さん中心)」をコンセプトに掲げた、まったく新しい放射線治療装置だ。
この最新放射線治療システムの開始にあたり発表会も開かれた。がんというのは私たちにとって身近なもので高い発症率があり、世界の5人に1人がなると言われている。しかしながら、がんの生存率が改善しているという明るいニュースも出ている。
これは革新的な技術、がんの治療法が出てきているからで、がんに対してどうケアしていくのかを考えていくことが大切だとMarco Lee氏(Senior Vice President, Asia Pacific Japan, Elekta Pte Ltd)は語った。
また、日本におけるがん患者数は毎年約100万人。健康診断、がん検診により、全死亡に占める割合は27.6%となっている。治療の方法としては手術が一般的だ。
しかし、今では放射線治療など新しい治療法も選べるようになってきている。そして、放射線治療などの併用は費用対効果にも優れた選択肢となる可能性があると話した。
帝京大学医学部附属病院では既にがんなどを治療する放射線治療用のリニアックを2台所有している。1つは高精度治療が可能な「Elekta Versa HD
2018年の導入以降、年々、放射線治療を受ける人も増加していったと帝京大学医学部附属病院 放射線科 病院教授 白石 憲史郎氏は言う。
コロナの影響もあり、できるだけ早く治療を終わらせるような工夫も必要になった。そのため、人の手で行っていた作業もプロジェクションマッピングの導入などでカバーしてより早く、高度な治療が受けられるように進化してきた。
今回の「Elekta Harmony」の導入も非常に短時間で高い技術の医療が受けられるようになっている。患者を顔認証で管理。治療データなどもモニターで見れ、患者間違えのリスクの低減や、アクセサリ照合機能により使用するアクセサリーの間違いも防げるような仕組みも備わっている。
実際に拝見させてもらうと、その高度な技術に驚く。たくさんのモニターが並び、患者の情報はデータで管理。デジタルで寝台の高さなども動かせるため体が不自由な人も乗り降りしやすく使用しやすい。
最新技術を搭載した患者と医療従事者に寄り添ったつくりで治療時間の短縮にも繋がっている。そして、これにより患者が感じる治療への負担を大きく改善すると期待されている。
また、当日は今年中に帝京大学医学部附属病院での日本初導入が決定している、モバイルアプリケーション「Kaiku(カイク)」についても紹介があった。
これは今まで患者が紙で記入していた自身の体調の質問表をアプリ化してタブレットなどの端末で入力することでデータ管理できるものだ。
このアプリは初期の患者さんの様子だけでなく、治療中の容態の変化も時系列のデータでモニタリングできる。そのため治療法ごとに副作用の経過を確認できるのだ。色分けや数字化されていて見やすいのも特徴。治療方法によって副作用は異なるため、各治療法で起こる可能性がある副作用をピックアップし、質問表の項目としている。
またチャット機能もあり医師や担当者とコンタクトも取れる。
このように、治療法や患者の管理方法など多方面で新しい技術が搭載され、これからのがん治療の更なる進化が期待できそうだ。