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この日の舞台はステージに花道のある特殊な作り。サービス精神旺盛のムロは「打ち合わせの時にここに花道があることは聞いていませんでした。しかし花道がある以上、ここを歩くべきだとわたくしは判断いたしました!今日は連続で花道を5往復はしたいです!」と一般客の前までランウェイして挨拶。満席の会場を盛り上げた。
続いての挨拶の岸井は困惑しつつも、満面の笑みでムロに続いてキャットウォーク。最終的には監督含めて全員が花道を闊歩しての舞台挨拶スタートとなった。
狂気的行動を起こしていく役どころのムロは「現場での過ごし方が今までとは違った。受け身の役であり、どんどん豹変していく役どころなので、もはや“ムロ静か”。ゆきのさんとも会話をしないようにして、吉田監督の脚本の世界にどっぷりと浸かろうと思った」と普段のサービス精神封印。あまりの静かな佇まいゆえに吉田監督は「変わったな、ムロは」と思ったそうだが、ムロは「一人で静かな時間をもらって本番に臨みました。
軽くやると吉田監督が描いた人の愚かさなどが浅く薄っぺらくなると思ったので『悲劇ではあるが喜劇だ』と頭の中で繰り返して楽しみながら演じようと、いつもの“にぎやかツヨシ”はいらないとジャッジしました」と変貌ぶりの理由を説明した。
そんなムロの姿に驚いたのは岸井。「本当にムロさんは静かでした。もっと『楽しいわ!』とかテンションが高いのかと思いきや、『本当に主役?』と思うくらい端っこにいて。キャンプ用の椅子に仏のように静かに座っていた」と“ムロ静か”ぶりを回想。ただ撮影も終盤に差し掛かるといつものムロになっていたようで、ムロが「役の延長かのように『歩けコラ!』とか言ってゆきのちゃんをスマホでずっと撮ったりしていました」と休憩中のお遊びを紹介すると、岸井は「その動画を見直すとすごく面白いです」と撮影時の懐かしいメモリーとして大切にしているようだった。
二枚舌の役どころを見事務め上げた若葉が「なんの疑いもなくセリフを言いました」とネタバレを避けて言葉少なに撮影を回想すると、若葉と10年ほどの交流があるというムロは「喜劇ではないシーンで向き合うこともできたし、映画のカメラの前でお芝居できる喜びがあった。悪意なきウソをつく悪魔のような狂った役柄をこうも体現できる役者がいるという感動と、こうして二人で並んで吉田監督作の完成披露試写会に立てるという喜び。人生何が起こるのかわからない」としみじみ。
人気YouTuber役の吉村は、ムロから「実際にやっているの?と聞きそうになるくらい役に成り切っていた。もっと落ち着いた男性かと思いきや、かなりノリノリで」と絶賛されると、「お弁当もごちそうさまでした!」と返礼。すかさずムロは「いいの!いいの!結構高めのお弁当を差し入れたことはここで言わなくていいのっ!」と饒舌で会場を爆笑させていた。
吉田監督作への出演を熱望していた柳は「吉田監督はユーモアあふれる方で明るい。現場も楽しくてとても幸せでした」と感動。その吉田監督は、暴露系YouTuberなどタイムリーなテーマが込めれら本作について「撮影は2年前。撮っているときはこうなるとは思わず、時代がマッチしてしまった。今の状況に対して影響を受けて作ってはいなくて、時代が俺をパクっただけ。それだけは覚えて帰ってください!」と自らの先見の明をアピールしていた。
また本作の内容にちなんで「豹変」エピソードを聞かれた若葉は「ムロさんは今でこそにぎやかに明るくやっていますが、本当はもっと怖い。お芝居に情熱的で汗を振り乱し、目を血走らせて舞台に立っているムロさんは、この明るい今のムロさんよりもはるかにカッコいい」と陽気なパブリックイメージとは違う真剣なムロの一面を暴露。するとムロは「僕もお返しのエピソードを…」とニヤリとし「彼が10数年前からやっているブログのタイトルは『四拍子のワルツ』。もう閉鎖していますが、ぜひ検索してアクセス数を増やしてくださいね!」と若気の至りのタイトルをいじって、若葉を「それ10年くらい言っているやつ!もうやめて!」と大赤面させていた。
最後に主演のムロは「非常に滑稽で愚かながらも、ピュアで可愛いところがある映画です。SNSで『神は見返りを求める』とか『四拍子のワルツ』とか書き込んでください!」と笑いを交えてアピール。吉田監督も「SNSなどの新しい文化が生まれている今、SNSを通して色々な問題を描いた作品なので、それを見ていただき皆さんがどう思ったのかをSNSで書いていただき、『四拍子のワルツ』を含めて広げてほしい」とユーモア交じりに反響の広がりを期待していた。