近年、店舗を持たずデリバリーだけを展開する「ゴーストレストラン」が話題になっていますよね。利用したことのある人も多いのでは? そうした中、実店舗を持つ飲食店が、店舗運営と並行してゴーストレストランを行う「バーチャルレストラン」も増えてきています。
そこで今回は、バーチャルレストランとは何か、そしてバーチャルレストランの事例をご紹介します。

■バーチャルレストランとは?

バーチャルレストランとは、飲食店がイートインの店舗を営業しながら、オンライン出店をしてデリバリー事業を行う業態のこと。

ただし、例外もあります。例えば先日「ゴーストレストラン」を始めたローソンは、これまでも店舗に飲食スペースを持っていたため、バーチャルレストランと呼ぶべきところですが、ゴーストレストランと名打っています。

ゴーストレストランの専門家により設立されたコンサルティング会社、GRC株式会社の代表取締役、鈴木雅之さんによると、「まだ市場自体が新しいため、名称についても、ゴーストレストラン・バーチャルレストラン・クラウドキッチンなど様々であり、使われ方もいまだ定まっておらず、市場全体で共通した明確な定義づけまでには至っていない様子も伺えます」と話しています。

そんなバーチャルレストランですが、GRCがサポートする埼玉県・西川口にある居酒屋のケースでは、バーチャルレストランを展開し、売上が60%増加した事例があるそうです。飲食店の月間売上が約250万円だったのに対し、バーチャルレストランの同月売上が約150万円にも上り、合計400万円の売上となりました。バーチャルレストランはコロナ禍の打撃を受けた飲食店にとって、可能性を見出せる営業形態といえるかもしれません。

■飲食店がバーチャルレストランを導入するメリット

飲食店がバーチャルレストランを導入するメリットとしては、主に次のことがあります。

●実店舗にプラスして収益が見込める

実店舗の閑散期などにデリバリーでカバーすれば、一年を通して売上を確保できます。売上や評価を見つつ、状況に合わせてイートインとデリバリーの業態の入れ替えが簡単にできるのも良い点です。

●制限なく出店可能

バーチャルレストランは文字通りバーチャルなので、調理に既存の厨房を使うのであれば、店舗を物理的に追加で建設する必要もなく、制限なく出店可能です。実店舗とは異なるジャンルのメニューを扱う場合、新規ジャンルの顧客の開拓にもつながります。

●コスト・業務負担が少ない

既存設備でも始められるほか、追加の人件費も要することなく、店舗スタッフの空き時間を活用するなどして運用できるメリットがあります。

■バーチャルレストランの事例

ここで、注目のバーチャルレストランの事例を2つご紹介します。

●「やめられない鰻」

株式会社YOLOが、今年1月に高品質なウナギをお手頃な価格で、デリバリー限定で提供するバーチャルレストラン「やめられない鰻」を、港区六本木でオープンしました。全国での展開を目指しています。

このお店は、大手外食(寿司・居酒屋など)チェーンやスーパーマーケットに水産物を卸す 株式会社マルミが厳選した、高品質なウナギをお手頃な価格で提供するブランドです。

うなぎの香ばしさや食感を重視した調理法で作られた、計12種類のうな丼メニューが用意されており、品質の高いウナギをよりお手頃な価格で食べられます。

【メニューの一例 一部抜粋】

左から「うな丼」1,480円(税込)、「W うな丼」2,580円(税込)、「うなトロ丼」1,580円(税込)※値段は2022年4月末時点の情報

ウナギと言えば、最近漁獲量が減少して値段も高騰していると聞きますが、やはり飲食業界でも新規参入や大量出店が難しい状況にあるといわれています。そうした中、YOLOはマルミと提携し、あわせて中間流通の簡素化なども行うことで、ウナギを安定した価格と量で供給することを実現したそうです。

Uber Eatsで注文できるので、ぜひバーチャルレストランの味を確かめてみたいですね。

●「Mr.ホットサンド」

ホットサンドの専門店「Mr.ホットサンド」は、ゴーストレストランに特化したオリジナルブランドのフランチャイズ事業を行っているスタートアップ企業、株式会社バーチャルレストランが、カゴメ食品と共同開発したゴーストレストランです。バーチャルレストランとしての導入も可能です。

「Mr.ホットサンド」は、近年のキャンプブームがきっかけでより注目されるようになったホットサンドの専門店で、ポークやベーコンを挟んだ満足感のある食事系のものから、小腹が空いたときに食べたいメープルバターサンドやあんこバターサンドなどのデザートホットサンドのメニューも展開されているホットサンドを存分に楽しめるお店です。

【メニューの例】

店舗数がぞくぞく増えている期待のお店。同社の代表取締役 牧本天増さんに、成功要因をうかがいました。

「Uber Eatsで競合が多い丼ものとバッティングしないことにより売上の確保できたことや、たくさんの量を食べられない女性や少食の人をターゲットにできたこと、デリバリーは夜によく売れるので、昼間の時間帯に競合のブランドが少なく売れるブランドであること、カゴメさんのバックアップがあるので材料・商品には安心、安全で、かつ誰が作っても高い品質、クオリティーを提供できること、デザートとしても、ご飯としても頼んでいただけることなどが成功要因と考えています」

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バーチャルレストランは、ゴーストレストランと共に、今後も増えていくと考えられます。ぜひこの機会に、バーチャルレストランのデリバリーを注文してみるのもいいのでは?

 

【取材協力】
GRC株式会社(https://www.ghost-restaurant.info/)

株式会社バーチャルレストラン(https://virtual-restaurant.co.jp/)

Uber Eats「やめられない鰻 六本木店(https://www.ubereats.com/jp/store/%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E9%B0%BB-%E5%85%AD%E6%9C%AC%E6%9C%A8%E5%BA%97-yamerarenai-unagi-roppongi/W6DzRPczVRShZ5zKCUndSQ)

Uber Eats「Mr.ホットサンド 西武新宿店」(https://www.ubereats.com/jp/store/mr%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88-%E8%A5%BF%E6%AD%A6%E6%96%B0%E5%AE%BF%E5%BA%97-mr-hot-sandwich-seibusinjyuku/u3ydBhCfWHOW_EkQDoFYTg)

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 飲食店の新業態バーチャルレストランのブームがくる?うな丼とホットサンド店の事例も