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主人公・真奈役の岸井は、満席の客席に喜色満面で「皆さんのおかげでこんなに沢山のお客さんが集まってくれた」と共に登壇したキャスト陣に感謝し「2時間の映画でこんなに長い期間の役柄を一人で演じることは今までなかったので、撮影は素敵な時間になりました」と回想。
親友についての話題になると「私たちは親友だよね?とは確認はしていないけれど、一人います。いくら話しても知らないところがあるのが新鮮。何年も前からの知り合いだけれど、話しても話しても知らないことがある。それがずっと一緒にいられる理由なのかもしれない」と分析した。
真奈の親友・すみれ役の浜辺も親友はいるという。「私は大好きだし、何があっても助けたいと思う人。それが相思相愛でなくてもいい」とその存在を表し、“親友の定義”を聞かれると「わかりやすく言うと…臓器をあげられるとか」と独特な定義をポツリ。それに杉野が「え?全然わかりやすくないよ!」とツッコむも、岸井は「困っている人がいたら上げちゃいませんか?」とこれまた独特な共感を示し、再び杉野を「え?」と混乱させていた。
真奈を見守る国木田役の中崎は、岸井の印象について「芯がありながらも、どこかひょうひょうと撮影を楽しみ、グミを持参してスタッフさんに渡したりしていた」と回想。それに岸井が「グミが流行っていました!」と声を上げると、中崎は「岸井さんの差し入れのグミを選ぶのが撮影の楽しみの一つでした」と明かし、浜辺も「岸井さんが誇らしげに『グミを買ってきたんだよねえ!』と言う姿を可愛らしいと思って見ていました」と岸井のグミニケーションに目を細めていた。
また昨日から新年度の4月に突入したことにちなみ、「これから新生活を始める人たちへのメッセージ」を発表。中川監督は「勇気を持って一言話しかけてみること」、中崎は「相手に対して大切に接する」、杉野は「相手に思いやりを持つこと」と実感を込めてエール。浜辺は「マスクをしての初対面が多いけれど、笑顔は大切。私自身、マスクをしてから口角を上げない癖ができてしまった気がしているので、マスクのずれを気にしないくらい口角を上げるようにしています」とコロナ時代ならではのアドバイスを送った。
岸井も「肩に力が入っていると上手く動けないので、真面目に肩の力を抜いて緊張している自分を受け入れ、リラックスしようと心掛けると心がフワッとなる。初対面で緊張していても『おはよう!』と声をかければ何かが始まるはず」と挨拶からスタートする物語の重要性を説いていた。
さらにこの日は、映画『やがて海へと届く』がウディネ・ファーイースト映画祭のコンペティション部門へ出品されることが発表された。中川監督は「日本のローカルな世界を描いた物語が別の国・別の文化の人にどう見てもらえるのか?それはこの映画にとって重要な事なので、その時の反応をキャスト陣と一緒に共有できたら」と遠征に期待。岸井も「この映画は物語も人との関わり方も日本らしい繊細な成り立ちになっているので、イタリアでそれがどのように感じてもらえるのか興味深いです」と異国でのリアクションに興味津々だった。
最後に主演の岸井は「この映画を観たことで、心に何かが残ってくれたらいいし、観たことを人に伝えることで新たなコミュニケーションが生まれるのは嬉しいこと。その時間を大切にしてもらい、楽しく生きてもらえたら。思いやりを持ち、目の前のことに優しい心持になってもらえたら」と本作のさらなる広がりに思いをはせていた。