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日本最高峰のスケートボードコンテストJAPAN STREET LEAGUE(ジャパンストリートリーグ、以下JSL)【THE FIRST】が、3月20日埼玉県所沢市にあるSKIP FACTORY(スキップファクトリー)で行われ、池田大暉がJSL初戦の王者に輝いた。
2位に根附海龍、3位は渡辺星那、そして特別賞を中野虎大郎が受賞。
次回は6月19日にムラサキパーク東京にて開催される。
主催者の立本和樹氏に、JSL開催の経緯を伺ってみた。
「本家のストリートリーグは、元々アメリカで始まった当時から注目しており、堀米雄斗や白井空良達のような、才能あるスケーター達が100パーセントの力を引き出せるコンテストを目指し、これまでいくつか運営してきました。
そして今回、さらに多くのスケーターがチャンスを掴み、ステップアップ出来るような大会を開催したいという思いから、JSLの開催に至りました。
運営側としては、日本にこれだけ素敵なスケーターがたくさんいるのだから“ジャパンドリームという物”を作ってあげたいです」
以上のように語ってくれた。
JSLは、世界最高峰のスケートボードコンテストStreet League Skateboarding(以下SLS)のコンテストフォーマットをそのままに実現した、日本版SLS。
現在は年間全4戦を予定しており、ルールはコース内を自由に滑走し技を披露する45秒の”ランを2本、一つのセクションで一発技を見せるベストトリック5本を行い、上位4本の合計得点で順位を争う(1本10点満点)。
予選ラウンドの上位8人が決勝に進み頂点を競う。
今大会、招待を受けたスケーターは以下の通り。
齋藤丈太郎/村上涼夏/山附明夢/甲斐穂澄/佐々木来夢/松本浬璃/小鈴祥大/佐々木音憧/池田大暉/渡辺星那/濱村大征/中野虎大郎/藪下桃平/澤田莉旺/根附海龍/長谷川絢之介/池慧野巨
※山下京之助/玉野辰磨/長井太雅は今大会欠場
世界中のスケーターが注目するタンパアマの王者、根附海龍や同じくタンパアマで準優勝の池慧野巨など、日本のスケートボードシーンの今を代表する顔ぶれが並ぶ。
本場SLSは予選も含めて招待選手のみの参戦となり、JSLも今大会は同じく招待枠のみでの開催となる。
出場選手の選定基準は、今大会がスタートという事もあり、長年スケートボードシーンに携わり、多くの大会を運営してきた主催者側で出場するスケーターの滑りを実際に目で見て選出したとの事。
今後は、JSLに出場する権利を得る為の下部コンテストを作ったり、他のコンテストの上位者はJSLにエントリー出来るようなシステムを検討しているという。
【ネクストレベルの滑りで優勝/池田大暉】
池田大暉/ランで見せたハードフリップ
ラン1本目で8.97点の高得点を出し、トップでベストトリックに挑んだ池田大暉は、ベストトリック2本目にハンドレールでビガースピンフリップ フロントサイドボードスライドを決め、見事に初戦優勝を決めた。
【別次元のヒールフリップマスター/根附海龍】
根附海龍/ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド
タンパアマ王者はやはり伊達じゃなかった。
圧倒的なヒールフリップからのトリックを武器に高得点を量産。
彼のヒールフリップからのトリックは、もはや別次元のレベルに到達している。
ベストトリック2本目では、ハンドレールでノーリーインワードヒールフリップフロントサイドボードスライドを完璧にメイクし、決勝では唯一の9点台を叩き出し準優勝。
※本場アメリカのストリートリーグでは9点台のトリックはナインクラブと呼ばれ、高得点の目安となっている。
【若きヒールフリップのスペシャリスト/渡辺星那】
渡辺星那/ヒールフリップ フロントサイドブラントスライド
根附海龍と同じく、得意のヒールフリップからのトリックを武器に様々なセクションを攻略した渡辺星那。
ベストトリックは全て、ハンドレールにヒールフリップを入れてトリックに挑む構成で、5本中3本で8点台を獲得。強豪ひしめく中で見事3位に輝いた。
【ダークホース/中野虎大郎】
中野虎大郎/フロントサイドオーバークルックドグラインド(Kグラインド)
ベストトリックでは誰も攻めなかった、キンク付きのロングレールに果敢にトライ。
無観客のはずの会場を一番沸かせた中野虎大郎が、特別賞を受賞。
見る人に圧倒的な印象を残した。
【Japan Street Leagueリザルト】
1位・池田 大暉-34.70
2位・根附 海龍-34.30
3位・渡辺 星那-32.28
4位・藪下 桃平-32.13
5位・中野 虎大郎-31.20
6位・佐々木 来夢-23.46
7位・佐々木 音憧-17.90
8位・池 慧野巨-9.87
昨年の12月に行われた第4回日本スケートボード選手権大会は、五輪後初めての公式戦という事もあり、BS日本テレビで放送されるほどの注目となった。
そして今回、実に挑戦的なコンテストがついに開幕。こちらはフジテレビが運営するFODにて実況中継が行われた。
東京五輪をきっかけに、今はスケートボードブームの真っただ中。
日本各地で様々なコンテストが開催されているが、JSLは今後どんな展開を迎えるのか?
ブームをただのブームで終わらせることなく、これからも一般メディアや世間を巻き込んで、日本の新たなカルチャーとして根付いていって欲しいと願う。
「ジャパンドリームという物を作ってあげたい」という主催者の強い思いと共に進むJSLのこれからに注目していきたい。
写真 文・小嶋勝美
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。
約10年間芸人として活動後、現在は放送作家として活動中。