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12月12日に茨城県笠間市にある、ムラサキパークかさまで第4回日本スケートボード選手権大会パーク種目が行われ、ハイレベルな争いとなった女子パークは草木ひなのが優勝。
男子は笹岡建介が2位に約9点差をつけ、圧巻の勝利となった。
今大会は、2022年アジア競技大会派遣選手の選考と、ワールドスケートジャパン強化指定選手の選考を兼ねており、2024年パリ五輪を目指すスケーターにとっても大事な大会となる。
スケートボード・パーク種目は45秒間滑走するランを3本行い、100点満点中一番高かった得点で競われる。
ランの途中で技を失敗してしまうと、その時点で滑走は中断され、それまでに決めた技の得点となる。
バックサイド540
コース全体を使い、ハイスピードからのエアトリックで観客を魅了した草木ひなの。
男子にも引けを取らない、高さのあるバックサイド540などで見事優勝。
サランラップテール
草木の滑りは高いエアトリックの他にも、サランラップなどの渋い技にも魅力がある。
表彰後のインタビューでは、サポートを受けるAXIS(アクシス)スケートボードパークで、おじさんスケーター達に混じって滑っていると、楽しそうに話していた事からもその影響がうかがえた。
フロントサイドノーズグラインド
国際大会でも多くの実績を残している小川は、コース全体を使ったトリック構成で、見る者を唸らせるさすがの滑りを披露。
キックフリップインディ
11歳の長谷川は小さい体ながらも、スピードに乗ったエアトリックの数々を披露。
3本目のランではキックフリップインディを見事に決め、3位に輝いた。
ヒールフリップインディ
世界を知るスケーターのトリックは迫力が違った。
スピード、高さ、テクニック、全てにおいて他の追随を許さなかった笹岡が圧巻の優勝。
ノーリーフロントサイド180スイッチフィーブルグラインド
14歳にして、高いスキルと完成されたトリックを武器に1本目のランをフルメイク(ノーミスで滑り切る事)した徳田は3位に。
ヒールフリップインディ
優勝した笹岡と同じセクションで、ヒールフリップインディを決めるなどし、12歳にして高度なエアトリックで勝負をした猪又は、1本目のランで完璧なランを披露し2位に。
3本目のランでは得点こそ伸びなかったが、フェイキー720(空中で2回転)を決めるなど、今後がとても気になるスケーターの一人。
筆者は笠間市に祖母の家があり、幼い頃からよく訪れていた町だけに、この地でスケートボードの日本選手権が行われるという事が、とても感慨深かった。
30年ほど前は、子供で溢れかえっていた公園も、たまに訪れると今ではとても寂しい風景になっており、むかし祖母と買い物に行った商店街も、すっかり空き家が目立つようになっていた。
そんな笠間の地に、今では多くの日本トップクラスのスケーターが集まり、世界でも通用する技を次々と繰り出す姿を目の当たりすると、ストリートカルチャーを中心に若者の街に生まれ変わりつつある、笠間の姿がとても嬉しかったと同時に、地域活性化としても通用するスケートボードの新たな可能性を感じた。
そして何より、今大会を通して、幼い頃から見てきた町が賑わう姿に、勝手に感動を覚えていた。
これからも、ストリートカルチャーや芸術を楽しめる街として、多くの人に愛される場所になっていって欲しいと願う。
1位 草木 ひなの 48.67点
2位 小川 希花 45.33点
3位 長谷川 瑞穂 39.30点
4位 溝手 優月 37.13点
5位 菅原 琉衣 35.97点
6位 千田 小陽 35.60点
7位 藤井 雪凛 26.87点
8位 菅原 芽依 18.67点
1位 笹岡 建介 70.73点
2位 猪又 湊哉 61.77点
3位 徳田 凱 61.60点
4位 天野 太陽 60.70点
5位 永原 悠路 57.23点
6位 中谷 太紀 54.67点
7位 山本 琢翔 53.93点
8位 櫻井 壱世 48.13点
写真・文 小嶋勝美 Twitter: @katsumikojima1
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。