富士山GXホールディングス株式会社が、7月16日に「二子玉川 蔦屋家電」にて「ウォーターサーバーevery freciousのある暮らしby BEAMS DESIGN」の説明会を開催した。

今回はBEAMS DESIGNプロデュースで、遊び心あふれるクレイジーパターンという複数の異なる色を組み合わせたウォーターサーバーを開発した。今回BEAMS DESIGNが監修したモデルは、浄水型のウォーターサーバーのモデル。コロナ禍の時期に、巣ごもり需要が拡大し、定額制で自宅の水道水を利用したい要望が多かった為、それに応える形で生まれたモデルだ。

浄水カートリッジは3月にバージョンアップしており、これまで23種類の有害物質が除去できたが、それにくわえて細菌やウイルスなど46種類の除去が可能になった。話題になったPFASの除去も99.9%で実現できる。

BEAMS DESIGNプロデュースの実現秘話

富士山GXホールディングスの創業メンバーである久保雅裕氏が「創業当初からライフスタイルを重視しており、使い勝手の良さを大事にしながらデザインも両立させている。数年前から、ブランディングの強化をしようと考えていたときに、BEAMSが出版した『BEAMS AT HOME』のなかでウォーターサーバーなどを取り入れたライフスタイルがすごく良かったので、お声がけをした」と、今回のプロデュース企画のきっかけを語る。

また、ビームス クリエイティブの橘高つむぎ氏が、「最初、フレシャスのウォーターサーバーのデザインをみたときに完成されてるものだと感じた。それで難しさは感じたが、BEAMSはモノだけではなくスタッフ全員が暮らしを大切にしていたり、こだわりを持っていたりして、暮らしを楽しんでいる集団。だからこそ、BEAMSスタッフだったらどう使うかを提案できるのであれば、すごく新しくて面白い取り組みができるんじゃないかと、ワクワクした」と、プロデュースをする上でのBEAMSとしての魅力を話した。

家電をプロデュースする上で特に気にしたポイント

ビームス クリエイティブの竹野碧海氏は、「家電製品のプロデュースは初めて。ですが、久保さんやプロダクトデザイナーの安積さんをはじめ、様々な方のご意見をいただきながら、細部までこだわったデザインに仕上がった。生活に取り入れていただいたとき、ライフスタイルがより楽しく豊かになるイメージも提案できるように、トータルで考えた」と、今回のBEAMSプロデュースについてこだわったポイントを解説した。

橘高氏がヒアリングによって期待されているのは“BEAMSらしさ”と“パッション”を求められていると感じて、クレイジーパターンを提案したのだという。クレイジーパターンとは、異なる素材や色を組み合わせて、ひとつの個性のあるものを作り上げる表現。BEAMSでは、クレイジーパターンを取り入れた商品を様々発売して好評だった実績もある。

クレイジーパターンの起源は、アメリカの衣料ブランドのブルックス・ブラザーズのファンシャツというアイコン的商品だという。工場の社員が布の端切れを使ってシャツを作ったのがはじまり。それをブルックス・ブラザーズの幹部が面白がって商品にした経緯がある。そのような流れも合わせて、BEAMS的ということで採用したのだ。

「クレイジーパターンでいきたい」という提案を受けたとき、どう感じたのか。久保氏が「BEAMSらしい提案だなと思った。ほかにもいくつか提案されたが、弊社単独では思いつくものではなく、BEAMSらしさを感じるストーリーも合わせて採用した。ウォーターサーバー業界で考えても、なかなか無いカラーリングなのでインパクトもありそうだと思った」と、当時を振り返る。

プロダクトデザイナーの安積伸氏は、BEAMSの提案をどう見たのか。「最初にマルチカラーの提案を拝見したとき、80年代にパーツごとに色分けした家電を出していたのを思い出した。ポストモダニズムと呼ばれるデザインだ。イタリアのメンフィスというグループが機能主義だけではない活気に満ちたデザインをする試みが受け入れられた時期でもある。そうしたムーブメントをとらえながらバージョンアップさせていくところがファッションブランドならでは、と感じた」と、そのコンセプトの気に入ったポイントを挙げた。

さらに仕上がった商品を見て、「明度と彩度がかなり近いところでのカラーリング。マルチカラーではあるが非常に馴染んだ色が採用されているところに感心した」と、納得したことにも触れた。

現行のカラーが決まるまでの背景

決まったカラーに至るまでの苦労話も話された。まず、ファッションを切り口にするためにヴィンテージやデニムなどファッションをイメージソースにしたカテゴリのテーマを決めて、そこからイメージを膨らませていった。

2つのパターンで作ることが決まり、オリーブとベージュの色合いになった。オリーブは最初のほうで決まった色であり、そことのバランスを考えて、もうひとつの色はベージュになった。ポップなオリーブと、ベーシックなベージュのイメージだ。

だが、オリーブとベージュといっても、その色味は無数にある。実物でみてみれば、自然光か蛍光灯かでも色の印象はガラリと変わるのだ。とくに清らかな水が出てくるものなので、清潔さを大事にした。

求める色を探すために、パーツごとにいろんな試作品を作って確かめた。分厚い塗装用の色見本帳から番号を選ぶのだが、選びきれない。最終的には、ある番号とある番号の間の色が欲しくなって、その色味を作ってもらうことになった。オリーブのサイドのブルーの色がそれにあたる。

控えめなロゴも時代に合わせた工夫

カラーリングにこだわったのに、でかでかとロゴがあったら台無しとの意図があり、ロゴデザインはかなり控えめだ。また今は「このブランドを持っている」とひけらかして満足するのではなく、「生活を楽しんでいる」のが重要視される時代に合わせた形でもある。

「使われる生活の楽しさが感じられるデザイン」を目指したからこそ日常に溶け込む

安積氏が「プロダクトデザインを見た瞬間に使われている生活の楽しさを感じられるものを目指した」と、「every frecious」の基礎コンセプトを語る場面もあった。グリーンがベースなので木のインテリアと相性もいい。「生活とは雑多なものを取り込んでいくこと」とした上で、それにマッチする仕上がりだと喜んだ。

every frecious mini:
https://every.frecious.jp/beams/

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 BEAMS DESIGNがプロデュースした「every frecious mini」のクレイジーパターンが登場、より日常に溶け込むデザインへ