※本記事は鳩の丸焼き画像があります。あらかじめご了承ください。

To 鳩 ──脂が、すぐそこまで来ていた。

6月、この日本では恋愛アドベンチャーの金字塔とも言える『ToHeart』フル3Dが発売されました。

青春時代を「To Heart」と「To Heart2」で過ごした身としてはこのニュースに心躍り、新しいTo Heartの良さに打ち震えています。(ちなみに筆者は1ではマルチエンドで泣き、2では十波由真が好きでした)

「To Heart」──そう、このタイトルを聞いて思い出すことがある。
鳩の味です。

鳩はフレンチで食べられることは有名ですが、実は中東でも鳩料理は有名。鳩のお腹の中にクスクスや小麦のファレークを詰め物にして蒸し煮にした「ハマーム・マハシー」を筆頭に串焼き、スープなどでエジプトやレバノン、湾岸諸国でも鳩を使った料理は多様で広く根付いた食文化となっています。

中東でもさまざまな鳩を食べてきた鷹鳥屋ですが、鳩のこと、そしてぜひ皆様におすすめしたい鳩料理のお店があることを思い出しました。

それが鳩料理専門店「大鴿飯(Da Ge Fan)」。こここそが私の鳩のイチオシです。中東でもフランスでもなく、グルメ最前線をひた走る食の都、中国広州を拠点にしたお店です。

<写真:広州の市内にある大鴿飯(Da Ge Fan)の門構え>

食は広州にあり!「大鴿飯(Da Ge Fan)」とは?

「大鴿飯(Da Ge Fan)」は2007年に“鳩王”を名乗る黄小華が創業して、今では年商350万羽とも言われる鳩の供給量を誇り、広州を中心に全国展開する人気店となっています。
店員の赤いエプロンに刻まれた“ミシュラン推薦”の文字が何よりの証。広州市内でも北京路、動物園、興盛路などに店舗を構えますが、いずれも味には特にうるさい広州っ子の評価も高い、人気のお店なのです。

入店時には、レトロ調のネオン看板に刻まれた「鳩を食べるなら大鴿飯!」というまぶしい標語が目を引きます。ガラス張りの扉を抜けると、奥に続く階段の壁一面に描かれた武神風の“鳩キャラクター”たちが訪問客を迎えてくれます。細部まで緻密に彩られたその壁画は、訪れる人々に強烈な印象を与える、写真撮影の人気スポットとなっています。

<写真:入り口、階段途中のインパクト抜群の鳩の神様壁画>

店内に足を踏み入れると、整然としたテーブル配置の綺麗で落ち着いた店内が眼前に広がります。スタッフは即座に人数を確認してご案内。

<写真:大鴿飯、店内の様子>

テーブルには、衛生面と快適さに配慮されたアメニティセットが整っており、ロゴ入りの箸袋やスプーン、小皿のセット、そして茶器がすでに準備されています。
案内されてまず目に入るのが、美しいティーポット、赤と緑の色調が目を引くパリッとした紙ナプキンや湯呑。そして、赤い砂時計です。

「30分以内に料理が提供されなければ無料」と書かれたガイドのとおり、料理の待ち時間はこの砂時計で30分以内が鉄則。その理由は後述するこの店の掟、“六大承諾”にあります。

<写真:大鴿飯ロゴ入りセットと茶器>

<写真:30分以内に料理が提供されなければ無料、美味しくなければお代はお戻し、と強気>

<写真:料理が届く制限時間30分をお店の砂時計で測ってくれます>

*このあと鳥の丸焼き料理など、少し刺激の強い写真があります!*

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いざ注文、鳩料理の数々

メニューを手に取ると、丁寧に撮影された料理写真が並びます。中でも目を引くのが「黒松露大鴿飯(Truffle Pigeon Rice/黒トリュフ鳩飯)」。

一人前サイズか大盛の価格が明記されており、その価格は小鍋 69元(約1,320円)、大鍋 89元(約1,780円)。会員になれば小鍋66元、大鍋89元とさらにお安くなる、リーズナブルかつ高品質な鳩料理が楽しめる構成となっています。

まずはお店の人に「絶対外してはいけないメニューは何か」を聞いて、即注文です!

<写真:これが大人気「黒松露大鴿飯(黒トリュフ鳩飯)」だ!>

絶品!必注のロースト鳩!

さて、最初に運ばれてきたのは定番!圧巻!のロースト鳩。丸ごとの姿焼きはインパクト抜群。
その姿は極めて衝撃的なのですが、ツヤツヤとした皮と香りはそれを超える食への渇望スイッチをねじ押してくれる強さがあります!

<写真:ツヤツヤのテカテカの美味しそうな鳩の姿焼き!>

<写真:一緒に添えられた小瓶のオレンジジュースが脂を爽やかに中和してくれます>

姿焼きを店員さんが大きなハサミでバシバシと1羽ずつ丁寧にハサミで切り分け、羽や足まで食べやすいサイズに。さらには、ぼんじりの部分まで切り出してくれております。

香ばしい皮、噛めばジュワッ!とあふれる肉汁。

<写真:店員さんが鳩を食べやすくハサミでカット>

最初の登場は鳩をまるごと姿のまま焼き上げており、その見た目のインパクトと味のギャップに誰もが驚きます。個人的には小骨が多くお肉が鉄分が強い味かな?と感じましたが……脂が、脂がうまいんですよ、本当に。

ジューシーなあまり、噛んで溶けた脂が溢れるので気をつけて食べますが、もう美味しいの何の……丸焼きお代わり必須です。

<写真:初めて食べる鳩のぼんじり部位(うまい)>

閲覧注意の鳩部位盛りポテチ載せ

次は、鳩の照り焼きパーツが部位ごとに分けられた料理です。ごま・香辛料の香りが漂うチップスに鎮座した一口サイズの盛り付けは、写真映えも……(人を選びますが)抜群?! 真ん中に置かれた鳩の顔とよく目が合うこと間違いなしです。

<写真:鳩肉照り焼きポテチ乗せ…あの真ん中の頭がこっちを見て…る>

羽舞う店舗に淡い鳩湯を届けます

次に登場したのが「インド式ココナッツ鳩スープ」。大ぶりの土鍋の中に、鳩の半身と大胆にカットされたココナッツがゴロリと入っています。

<写真:鳩半身とゴロゴロのココナッツのスープはあっさり爽やか美味>

スープの色は薄く透き通っており、味わいは驚くほどマイルドでクリーミー。鳩の旨みをココナッツが包み込む、まさに食養生の一杯。途中で中の鳩をほぐすと、急に濃厚な肉スープになるので2段階で楽しむことができる絶品スープです。

<写真:透き通る鳩のスープの美しさ、そして美味しさ>

ずっとずっと待ち侘びている黒トリュフ鳩飯

そして、真打ちは誰もが頼む「黒トリュフ鳩飯」登場!!

<写真:これで小さい鍋の黒トリュフ鳩飯、2人でも十分な量です>

土鍋に敷き詰められたご飯の上には、細かく刻んだ鳩肉とトリュフが。
これにスタッフが巧みな混ぜ技を加えることで、周囲にトリュフの香りが舞い上がります。

<写真:土鍋の蓋を開けた瞬間から「これ絶対うまいやつ!」と本能がわかる>

混ぜていくにつれ、土鍋の縁にはおこげが生まれ、お米の香ばしさも香りに加わります。そこへさらに薬味の青ネギや醤油が足されていくと、完璧に近い芳醇な香りと共に「ジュウウウウ」と魅力的なサウンドが響き渡ります。

<写真:香りも音も食欲を刺激すること間違いなしの一品>

取り分けられた鳩飯は、見た目以上に豊かな香りと深みある旨味。米の粒が立ち、鳩の肉の味、鳩の出汁、トリュフの風味が噛むごとにどんどん広がります。

中東でも鳩料理を食べましたが、この大鴿飯の黒トリュフ鳩飯は間違いなく一番美味しい鳩料理でした。

これは本当に絶品なので日本でもぜひ出して欲しい。今でも夢に見る味です。

<写真:完成した黒トリュフ鳩飯。これ鳩の味が染み込んで本当に美味しいんです。何杯でも食べられます、何杯も。>

大鴿飯の掟、“六大承諾”とは?

この大鴿飯が特別なのは、料理だけにとどまりません。まず注目すべきは前述の“六大承諾”と呼ばれるお店のポリシー。

1.30分以内に料理が提供されなければ、料理は無料。
2.料理が口に合わなければ、無条件でお代を返すか交換。
3.間違った料理が届いたならタダで差し上げます。
4.会計時に料金が多く請求された場合は2倍返金、少なかった場合は差額不要。
5.スタッフによる良いレビューの誘導は禁止してます、あれば連絡を。
6.上記のいずれかが守られていなかった場合、通報すれば315元の報酬。

<写真:伝票バインダーの裏にある六大承諾>

料理だけではない、店舗に見える細やかな気遣いの数々

さらにサービス面にも驚かされます。卓上には、骨の多い鳩を手で食べられるように大人用・女性用・子ども用と用途に応じた手袋がしっかり用意されているのです。
清潔感が徹底されたカトラリーも含め、“気配りの細かさ”は他店の追随を許しません。

<写真:手袋は充実、衛生観念はバッチリだ>

また、トイレにはマウスウォッシュ、消臭スプレー、デンタルフロスなどなどまで。まるで高級ホテル並の備品セットが、自由に使える形で置かれているのです。

<写真:お手洗いに常備されているアメニティは充実の一言>

このような細やかな顧客配慮により、大鴿飯は中国国内のグルメレビューアプリ「大衆点評」においても「必吃榜(絶対食べるべき店)」として、毎年のように選ばれています。

さらに、2020年から2024年まで連続でミシュランガイド掲載達成という快挙も納得のクオリティ。

<写真:国内外で高く評価されていることがわかる堂々たる壁面>

ブランド戦略も巧みです。

パッケージや広告のデザインはレトロとモダンを融合させたスタイルで、若者たちのSNS映え需要にも完全対応。前述の鳩を模した武神のようなキャラクターが描かれた壁画は、店内の名物フォトスポットとなっています。街中にある電光掲示板や巨大看板にも大鴿飯の名前は燦々と輝いています。

広州を訪れたら、ぜひ予約を取って足を運びたい「鳩料理の殿堂」が大鴿飯なのです。

その味、空間、ホスピタリティのすべてが、まさに次世代中華の新たなフランチャイズの象徴と言える体験となるはず。中国を訪問した際には、店舗が近くにないかぜひ探してみてください。

<写真:広州市内で見かける巨大な大鴿飯の広告>

To 鳩 ──場所、思い出せますか?

大鴿飯の場所と公式サイトはこちら。現在、広州、深圳、湖南に店舗展開中です。
鳩 to 鳩。

https://maps.app.goo.gl/dFo5uGyQY5daMQoR9 [リンク]

大鴿飯公式サイト:http://www.dagefan.cn/ [リンク]

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(執筆者: 鷹鳥屋明)

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 【To 鳩】絶対絶品”鳩”料理専門店「大鴿飯(Da Ge Fan)」の魅力