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ついに第7期に突入したTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』より、緑谷出久役の山下大輝さんと死柄木弔役の内山昂輝さんのインタビューをお届けします。
「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載中、堀越耕平氏による大人気コミック『僕のヒーローアカデミア』、通称“ヒロアカ”。“個性”と呼ばれる超常能力を持つ人々の存在が当たり前の世界を舞台に、主人公・緑谷出久、通称“デク”が、社会を守り、“個性”を悪用する犯罪者“敵<ヴィラン>”に立ち向かう“ヒーロー”になるため、ヒーロー育成の名門・雄英高校で仲間たちと共に成長する物語が展開するヒーローアクション。
5月4日(土)から放送開始したTVアニメ7期は、原作コミックス34巻収録の第329話から物語が始まります。
孤独な戦いの末にクラスメイトの思いを受けて「ひとりじゃなく、皆で戦う」という決意を新たにしたデク。巨悪オール・フォー・ワン(AFO)に取り込まれそうになりながらも「全てを壊す」という信念で突き進む死柄木弔。この2人を中心としたヒーローと敵<ヴィラン>がいよいよ最終決戦へと向かいます。
緑谷出久役の山下大輝さんと死柄木弔役の内山昂輝さんに、6期の振り返りや、7期の見どころについてなど、たっぷりとお話を伺いました。
――7期到達についてのお気持ちをお聞かせください。
山下:1期2期の頃に比べると、地続きで高い熱量のまま臨めているので、もうここまで来たら最後までやりきるつもりでいます。
6期は非常に厚みがある話でした。社会を巻き込んだ大きな物語になってきているからこそのシリアスなシーンが多くて、ヒロアカファン、視聴者の皆さんが楽しみながら疲れている様子が思い浮かぶんですけど、これからはもっと疲れると思います(笑)。なので覚悟して観てください。
――7期放送に向け4月には6期の特別版(「僕のヒーローアカデミア Memories」)も放送されましたが、6期は本当に濃い内容でしたね。
山下:盛りだくさんすぎて(笑)。
――個人的には、トゥワイスの話が印象深かったです……。
山下:トゥワイスは仲間思いで、親しくなるともう友達みたいな考え方ですもんね。すごく純粋な情に厚いキャラクターだった。
内山:ホークスのことも信じていたしね。
山下:あの辺りから歪み始めていると思うんですよね、ヒーローと敵(ヴィラン)の境なんてないという。
――レディ・ナガンのシーンでも、「世界のほとんどはグレー」という言葉が出てきましたよね。
山下:そう、曖昧なんですよ、全部。曖昧な中で戦って、それをわかりつつ手を差し伸べるか否か、という話だと思うんですけど、非常に複雑になってきているんですよね。
――でも現実にありそうな人間や世の中の反応だったり動向を描いていて、とてもリアルです。
山下:実際にありますもんね。身の回りで、全部あやふやなんだけど、何か決めたり選択しなければいけないんだろうな、みたいな。そういった部分では毎回考えさせてくれるところがあるので、「ここだけ!」と言えないのが6期の魅力なのかなと思います。
――デクのシーンとしては、6期のラストに雄英高校にみんなが連れ戻してくれたときに、爆豪や轟ではなく、飯田くんが手を引いてくれたところが良かったです。
山下:本当ですか? あの役割はもう当然飯田くんだと僕は思っていました。
内山:へ~、飯田くん一択?
山下:一択だった。むしろ一番初めに出来た友達は飯田くんだから。
内山:ああ、そうか。
山下:デクの中の一番最初の友達って飯田くんと麗日さんなので、だからあの場面は飯田くんだったんだな、と思っています。
内山:なるほど。
山下:かっちゃんとか轟くんじゃないんですよね。目の前に現れてくれた、強引に視線に入ってくれた飯田くんはやっぱり響くキャラクターだなと僕は思いましたし、やっぱり飯田くんなんだな!と納得しました。デクにとって友達の代名詞は飯田くんかもしれないですね。だから、あのシーンはすごく素敵で大好きです。
――内山さんは?
内山:僕は視聴者目線で言うと、レディ・ナガン戦がかなり印象的で、そこを推しています。映像的に演出が面白かったので。自分は出ていない回だったので新鮮に観られたし、感銘を受けました。
死柄木に何があったかは細かく思い出せなくて(笑)。ミルコに起こされて戦いだして、寒いとか言いいつつ覚醒して、そこからはいろいろありすぎて、記憶が曖昧ですね。
山下:ほら、AFOに憑依されているから(笑)。
内山:乗っ取られたかのように覚えてないな(笑)。
――ストーリーはとてもシリアスな展開が続いていますが、アフレコ現場の雰囲気は?
内山:雰囲気はとても良いと思います。笑顔が絶えず、本番では切り替えてパチっとやっています。
山下:和気あいあいと他愛のない話をしています。
――どなたが盛り上げてくださるのですか?
山下:学校側のメンバーで言うと、みんなで声を合わせる場面は委員長の飯田くん(石川界人さん)が「せーのっ!」と言ってくれたりします。
内山:確かにそういう場面も多いもんね。
山下:やっぱり委員長の界人くんの「せーのっ!」の声で締まるなと思うし、一斉に出やすいっていうのはありますね。
内山:敵(ヴィラン)側は声を合わせた覚えはない……(笑)。わりとみんな個人主義なので。せーの!でセリフを言うことはないですね。
――様々な感情の変化もあり、演じる上でも初期とは違う部分が出てきたのではないでしょうか。意識している部分は?
山下:ワン・フォー・オールって、かつてのデクにとっては身に余るパワーだったんです。だからこそコントロールをしなければいけないというところが大きな課題としてあって、今もそうなんですけど。
そのコントロールしきれないときの、危なっかしい暴発をしてしまう部分だったり、コントロールしようとしてもできない葛藤は意識的にしていました。コントロールしようとしているけれど溢れ出てしまう抑えきれないパワーみたいな部分は、僕自身としても声の100%ってなんだろう?って。
声の100%って難しくて、今の100%と昔の100%ってまた違うと思うんですよね。あと、今「ワン・フォー・オール何%」って細かくコントロールしているけれど、かつてのデクの20%って、今だったらもう少し低いのかな?とか。
内山:ああ、なるほどね。キャラクターとちょっとリンクしたような。
山下:そういった物理的なコントロールの仕方は、よく考えながらやっていますね。全部100%をやっていた時代と、そうじゃない時代と明確に分けて、声にも余力を残して戦わなければいけない、みたいな部分のコントロールの仕方は一番意識してやっていました。
このあとの戦いを控えていると思うと、ここで100%出してはいけないな、とかデク自身が先のことを考えて動くようになってきているので、そこの成長は意識的にしていました。
内山:死柄木弔は物語を積み重ねていく中でキャラクターデザインに変遷があったので、その影響もあってアプローチが変わった部分もありますし、やっぱり体つきなども変わっているので、それに応じたものを表現しようと自分なりに考えてやっています。
あと、AFOに乗っ取られるような展開が6期の後半からあって。そこではAFO役の大塚明夫さんと声を重ねて収録していく部分もあったので、明夫さんが先に録って、それを僕が家で聴いてなぞるような形で練習してきてスタジオで録るという形でやったんです。そうするとやっぱり他の人のスタイルを吸収するというか、なぞってみることによって明夫さんってこういう形で構築しているんだ、と改めてわかった部分もあったので、そういったものも吸収しつつ、今回の7期は更にパワーアップさせてやっていきたいなと思っています。
だから初期に比べると力強さやパワフルな感じ、貫禄みたいなものは意識してやっているので、だいぶ違うと思います。
――大塚さんとは、「せーのっ!」で録っていないんですね(笑)。
内山:「せーのっ!」では言ってないですね(笑)。
山下:それやってたらめっちゃ面白い、すごい入りづらそう(笑)。明夫さんに「せーのっ!」て言われたら緊張するだろうな(笑)。
内山:それはなかったですけど、明夫さんの声はめっちゃ聴きました。ここで抑揚つけるんだ、とか勉強になりました。
――7期の冒頭あたりはどちらが喋っているかわからないようなシーンで、漫画からアニメになって音声が付くことでより面白くなるシチュエーションですよね。
内山:だから色々なやり方を試していて。一人称が「俺」と「僕」で変わるので、そのあたりでAFOの支配が強まったのかな、とか考えたり。色々工夫しています。
――台本を読んだときに、ここはAFOと死柄木のどちらが強く出ているなど判断されたり?
内山:明確には分けていないですけど、色々やったら面白いかなと思うので、トレースして学んだ表現方法を活かして、明夫さんをモノマネするわけではないですけど、意識してやっています。
台本は<AFO死柄木>、<死柄木AFO>、<死柄木>の3つで書かれていた回もあって(笑)。%表示もありましたし、指示表みたいなものがデータで来たので。「このカットは重ねてユニゾンで」とか書いてあって。
山下:まじで!? 死柄木を出す割合がすごく難しいよ(笑)。
内山:とても大変です。最初はどれをどうやってやるのか本当にわからなくて、おそらくスタッフサイドも試行錯誤しているのかなと。
漫画で表現されているものをアニメーションに落とし込んでいく中で、音をどうするかというのは悩まれたと思いますし、僕もそれを悩んでいますし、みんなで頑張って原作という大きな壁を何とか乗り越えていこうとしています。今は大体やり方は定着していて。
山下:AFOもどんどん生き生きし始めているからバランスが大変だよね。
――デクと死柄木が対峙するシーンも6期から増えましたが、お互いの演技に引き出された部分はありましたか?
内山:大輝くんはテストから全力なので、そこはリスペクトですね(笑)。テストテイクをそのまま使うこともあるんですよ。僕で言うと、死柄木がプロミネンスバーンされるところはテストで本気を出してやったテイクを「あれ使うからもうやらなくて大丈夫」と言ってもらえたと思います。
だからテストも気を抜いてはいけないんですけど、でもあれだけ激しいバトルシーンが続くと喉に負担がかかることも多いので。本番を見据えてテストは少しだけ力を抜こうかな、と考えてしまうんですけど、大輝くんは全部全力を出すので、主役が100%で頑張っていたらみんなやるしかない(笑)。現場を奮い立たせる原動力になっています。
山下:それこそ、プロミネンスバーンされているところの叫びは印象的で「とんでもない音が出てるな!」と思ったんですよ(笑)。死柄木も色々なことを経て、いろんな音が出るようになっていて、すごく彼の中の葛藤というか、いろんな成長をめちゃくちゃ感じていて。僕はもう辛いんですよ……。
どうしてもデク目線で死柄木を見てしまって。彼の中にあるぼんやりとした光みたいな、純粋な何かを感じるところが見えたらいいな、と。
特に人間味みたいなものを最近感じるんですよね。死柄木って無機質な存在みたいなところから、どんどん肉付きが出来てきて、一人の人間としてどうしたい、こうしたい、わからない、と自分の中でもがき続けている姿を見ていると、すごく涙が出そうになるというか……。
それをとても生々しく、痛々しく演じるから、戦わなきゃいけない相手なんだけれど、何か僕の中で揺らぐ……。「うわあ、痛そう。泣いているのかな」みたいな雰囲気が感じられるところが、対峙しているとすごく気持ちを揺さぶられて嫌です(笑)! 「ああ、揺らいじゃいけないのに」と思って(笑)。
内山:本当にデクの気持ちだね。
山下:だからお互いに感化されています。大きい声を出すたびに辛いです。
――アニメで追っている視聴者は7期の展開が気になっていると思います。
山下:どんでもない展開が待っています。
内山:やばいです。先の展開を知らずアニメを観ていく人は驚くかもしれない。
山下:だって積み重ねだもの。なんかもう毎回すごいです。好きなキャラも増えていくと思いますよ。
――ご自身のキャラとしての見どころは?
山下:積み重ねで覚悟を決めた上で戦いに臨むわけですから、6期の想いのまま7期にぶつけていくというスタイルです。大事なみんなですべてを取り戻すというキーワードとともに、ヒーローのデクは立ち向かっていくのが7期の前半です。
内山:死柄木自身はもがいて自分の体と心を取り戻そうとしているので、それがどうなるのか注目していただきたいですし、演じる側としてはAFOと死柄木が入り混じった状態をどうやって表現していくかが課題なのでそこにも注目していただければと思います。
――楽しみにしています、ありがとうございました!
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「僕のヒーローアカデミア Memories」放送中
5月4日より7期放送
毎週土曜夕方5:30
読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット ※一部地域を除く
<ストーリー>
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オール(OFA)を受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、“個性”で社会や人々を救ける“ヒーロー”になることを目指し、ヒーロー科1年A組のクラスメイトたちと共に成長していく。
デクたちの雄英2年目の春。ヒーローたちが死柄木たち敵<ヴィラン>の掃討作戦を決行し、まさに“全面戦争”と言える激闘が繰り広げられる。双方が大きなダメージを受け全面戦争は一旦の終結を見るが、ヒーローへの信頼は揺らぎ、社会は荒廃していく。
オール・フォー・ワン(AFO)が狙うOFAの継承者としての使命感と、周囲の人間を危険に晒したくないという思いから、ひとり雄英を出て戦うデク。焦燥し疲弊していく彼に手を差し伸べたのは、1年A組のクラスメイトたちだった。ひとりじゃなく、皆で立ち向かう決意を新たにした雄英生とヒーローたち。ヒーロー殲滅のため次なる一手を狙う死柄木弔やAFOら敵<ヴィラン>。いよいよ“最終決戦”の時が近づく。そして、アメリカからもひとりのヒーローが飛来する…。
果たしてデクたちは、皆が笑顔になれるあの日々を取り戻すことはできるのか―。
【スタッフ】
原作:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
総監督:長崎健司 監督:中山奈緒美 シリーズ構成・脚本:黒田洋介(スタジオオルフェ) キャラクターデザイン:馬越嘉
彦/小田嶋瞳 音楽:林ゆうき 美術監督:池田繁美・丸山由紀子(アトリエムサ) 色彩設計:菊地和子(Wish) 撮影監督:澤
貴史 編集:坂本久美子 音響監督:三間雅文 オープニングテーマ:「誰我為」TK from 凛として時雨 エンディングテー
マ:「蕾」Omoinotake アニメーション制作:ボンズ
【声の出演】
緑谷出久:山下大輝 爆豪勝己:岡本信彦 麗日お茶子:佐倉綾音 轟焦凍:梶裕貴 飯田天哉:石川界人 蛙吹梅雨:悠木
碧 切島鋭児郎:増田俊樹 八百万百:井上麻里奈 上鳴電気:畠中祐 峰田実:広橋涼 耳郎響香:真堂圭 常闇踏陰:細
谷佳正 芦戸三奈:喜多村英梨 瀬呂範太:古島清孝 青山優雅:桑野晃輔 尾白猿夫:三好晃祐 障子目蔵:西田雅一 葉
隠透:名塚佳織 砂藤力道:奈良徹 口田甲司:永塚拓馬 通形ミリオ:新垣樽助 天喰環:上村祐翔 波動ねじれ:安野希
世乃 相澤消太:諏訪部順一 エンデヴァー:稲田徹 ホークス:中村悠一 ベストジーニスト:緑川光 エッジショット:
鎌苅健太 ミルコ:木下紗華 スターアンドストライプ:朴璐美 オールマイト:三宅健太
死柄木弔:内山昂輝 荼毘:下野紘 トガヒミコ:福圓美里 スピナー:岩崎了 オール・フォー・ワン:大塚明夫
≪TVアニメ第1期~第6期 各動画配信サービスで配信中!≫
配信情報:https://heroaca.com/onair/#ondemand
<公式サイト/公式SNS>
公式サイト:http://heroaca.com/
公式X:http://twitter.com/heroaca_anime
公式Instagram: http://instagram.com/heroaca_insta /
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@heroaca_tiktok
読売テレビ番組公式ホームページ http://www.ytv.co.jp/heroaca/
劇場版最新作 作品情報
2024年8月2日(金)公開!
<スタッフ>
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:岡村天斎 脚本:黒田洋介 キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき アニメーションアドバイザー:長崎健司
アニメーション制作:ボンズ
製作:「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会
<キャスト>
緑谷出久:山下大輝 爆豪勝己:岡本信彦 麗日お茶子:佐倉綾音
飯田天哉:石川界人 轟焦凍:梶裕貴
配給:東宝
(C)2024「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 © 堀越耕平/集英社
劇場版公式サイト:http://heroaca-movie.com/
劇場版公式Twitter:http://twitter.com/heroaca_movie/