Nothing Technologyが3月28日から国内向けに出荷を開始したスマートフォン新製品「Nothing Phone (2a)」のレビューをお届けします。12GB RAMと256GBストレージ搭載のモデルが5万5800円(税込)と手ごろな価格帯ながら、前モデルの「Nothing Phone (2)」から強化された機能も搭載する高コスパモデル。そのふだん使いしやすい親しみやすさに注目して特徴を見ていきましょう。

“目”がチャームポイントの親しみやすいデザイン

Nothing Phoneといえば、ガラス製の背面から中のパーツが見える透明デザインに、ライン状に配置したLEDが点灯して通知する「Glyphインタフェース」が特徴で、デザインを重視したクールな印象のスマートフォン。Phone (2a)も同様に透明デザインとGlyphインタフェースを採用しているのですが、見た目はクールというより、どちらかというと愛らしい印象を受けます。ポイントは背面上部の中央に配置された、2眼カメラの“目”の存在です。

従来は左上に縦に並べられたカメラモジュールが、Phone 2 (a)では円を描いて配置されたNFCコイルの中心に横並びで配置されています。“目”の部分はガラスが盛り上がった形状になっていることで、背面を下にして置いた際に滑らず安定する他、写真の撮影時にカメラに指がかからないようにする役割を果たしています。コイルの右下部分に丸い切り欠きが設けられているのは、ひょっとすると口に見立てて全体が顔に見える効果を狙っているのかもしれません。

背面の下部は回路がうねるように配置されたデザイン。曲線を多用することで、有機的な印象が感じられます。

背面のエッジは丸みを帯びている一方で、ディスプレイ側はフレームのエッジが立った形状。フレームはざらっとした質感のアルミ素材で、グリップ性が良好です。

3本に簡略化しても表現力豊かなGlyphインタフェース

従来は背面全体に分割して配置されていたGlyphインタフェースですが、Phone (2a)では背面上部に3本のライトで表現する、簡素化された仕様に。実際に光らせてみると、見た目で注目しやすい“目”の周りで集中的に配置されていることと、光の明滅のニュアンスでインパクトは十分です。

プログレスバーのように光が伸縮して視覚的に分かる「Glyphタイマー」にも対応。食事のデリバリー、タクシー配車といった対応アプリで進捗を確認するビジュアルトラッカーとして利用できます。

Glyphの発光パターンと同期する着信音を自分でカスタマイズできる「Glyph Composer」も搭載しています。

一見クールな印象のNothing製品ですが、実は透明デザインは開発プロセスでユーザーコミュニティと意見交換するなど透明性を重視していることを示していたり、Glyphインタフェースはユーザーが画面を見つめるスクリーンタイムを減らす狙いがあるなど、純粋なテクノロジーと人のぬくもりが交差する「テクノロジーのぬくもり」をデザイン哲学にしています。Phone (2a)のデザインは、従来モデルと比べてより“ぬくもり”を感じられるデザインに仕上がっているのではないでしょうか。

国内ユーザーにうれしいおサイフケータイ対応

Phone 2aの国内発売で大きなトピックとなるのが、おサイフケータイへの対応。Nothing Phoneシリーズでは初の対応で、日本市場への注力ぶりが感じられます。

モバイル非接触IC通信マークは本体にはありませんが、パッケージ内の本体の包装紙にシールが貼ってあります。実際のタッチ位置は“目”の左側のあたりです。

MediaTekプロセッサーがパワーと省電力を実現

プロセッサーにはMediaTek Dimensity 7200 Proを搭載。消費電力を抑えつつ強力なパフォーマンスを発揮するのが特徴です。OSはAndroid 14をベースにしたNothing OS 2.5を搭載し、3年間のソフトウェアアップデートと4年間のセキュリティアップデートが保証されています。

ベンチマーク結果は、「3D Mark」の「Wild Life」が4143、「Geekbench 6」のシングルコアのスコアは1108、マルチコアのスコアは2561。特筆すべき結果ではないのですが、実際に触ってみるとスコア以上のパフォーマンスを感じさせます。

「NEW STATE MOBILE」のようにリッチなゲームアプリも問題なく動作します。ゲーム体験を向上させる「HyperEngine 5.0」という技術を採用し、プレイ中の焦点エリアと非焦点エリアの両方でレンダリング品質を最適化することで、フレームレートの安定とバッテリー消費の削減を実現しています。液体冷却システムとベイパーチャンバー、グラファイト製極低温フレームによる放熱性能も、高いパフォーマンスに貢献しています。

さらに、ストレージの一部を仮想RAMとして使用するRAMブースターの機能を搭載。最大20GBのRAM容量を利用することができます。

ディスプレイは6.7インチのフレキシブルAMOLEDを採用。2.1mmとシリーズで最も狭いベゼルにより、91.65%の画面占有率を実現しています。最大輝度は1300nitで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応します。

バッテリー容量は、シリーズ最大の5000mAh。レビュー中も体感としてバッテリーの持ちがよく、通常の利用でも2日間は動作しそうな印象を持ちました。45Wの急速充電に対応し、20分の充電でm50%の充電が可能。

Ultra XDR対応の進化したカメラを搭載

カメラは5000万画素メインカメラと5000万画素超広角カメラの2眼構成で、インカメラは3200万画素。Googleと共同開発したUltra XDRに対応し、RAWフォーマットで異なる明るさの8フレームを撮影、各ピクセルの明るさを最大5倍まで調整することにより、ハイライトとシャドウを正確に表現できます。

HDRの有無で撮影した写真を比較すると、HDR写真は屋内の暗い個所の描写や全体の発色が良好であることが確認できます。

視野角114°の超広角カメラは外周部の歪みが少なく、美しい発色で撮影が可能。風景や集合写真の撮影に重宝しそうです。

日常で活躍する個性派スマホ

“目”が特徴の愛嬌あるデザイン、おサイフケータイ機能、長持ちバッテリー、使えるカメラと、親しみやすくふだん使いがしやすいスマホになったPhone (2a)。透明デザインやGlyphインタフェースというNothing Phoneらしさは残しつつ、手ごろな価格帯も魅力です。記事執筆時点で12GB RAMと256GBストレージ搭載のモデルが次回出荷分の予約を受付中です。8GB RAMと128GBストレージ搭載のモデルも4万9800円(税込)で発売予定で、こちらは後日販売日程を公開するとしています。

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「Nothing Phone (2a)」レビュー 愛嬌あるデザインとおサイフケータイ対応で親しみやすくなった透明スマホ