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8日からの『ブギウギ』第15週が終わった。戦争が終わり、スズ子(趣里)が再び心から歌えるようになった一方で、楽団にも転機が訪れる。
終戦から3か月。スズ子は茨田りつ子(菊地凛子)とともに、日帝劇場の再開記念コンサートで歌うことになった。りつ子は戦争中、慰問公演で特攻隊員から告げられた言葉が頭から離れなかった。隊員たちは、りつ子の『別れのブルース』を聞いて「思い残すことはない」など、出兵する覚悟ができたと口にしていた。
りつ子の心の傷を知ったスズ子は「ほんなら、これからは、わてらの歌で生かさな!」と鼓舞する。
いよいよステージに立つ、りつ子。脳裏によぎる隊員たちの言葉を思い返しながら、今を生きる観客に向けて静かに歌い上げる。一方、スズ子は『ラッパと娘』をパワフルに熱唱する。
スイングの女王・スズ子の、生きる喜びを爆発させたようなパフォーマンス。片やブルースの女王・りつ子による、悲しみを内に秘めた、情念が滲み出る舞台。2人のこれまでの歌手人生を象徴するようなステージだったのではないだろうか。また、りつ子にとっても、この一連の出来事は大きなターニングポイントだったに違いない
ネットでは、
・茨田りつ子圧巻の歌唱 戦争で負った心の傷を歌に込めた茨田りつ子の歌唱に気持ちがグッと来た
・りつ子さんの色んな思いの詰まった魂の歌も、ステージいっぱい使って自由に歌う福来スズ子の復活も最高だ~!
・りつ子とスズ子、いいライバル関係やなあ…
といった声が寄せられている。
このコンサート以来、スズ子の楽団にもオファーが殺到。だが団員の中には他の楽団からの「助っ人要請」に応える者もおり、足並みが揃わない。スズ子はむしろそれを前向きにとらえ、「もう、みんな好きなときに、好きな音楽で食べていける!ワテらはもう、自由や!」といって楽団の解散を決めるのだった。
ネットでは
・スズ子ちゃん、潔いいいな。これからは、自由に好きな音楽ができるんだよね。
・スズ子はいつでも自分のことより相手のこと。スズ子の器のデカさ深さ……この人柄だからみんなついてきたしここまで来れた
・各自腕一本で食える時代の到来を知り、速攻で楽団解散の決断をするのが、如何にもスズ子
といった声が見られた。こうして見ると、この1週間は、太陽のようにどこまでも明るいスズ子の人柄の良さが存分に分かる期間だったように思える。りつ子も、これまであまり感情が外に表れない謎めいたキャラクターだったが、より人間的な一面を知った視聴者も多いのではないだろうか。2人が今後、どんなライバル関係を育んでいくのか、より楽しみになってきた。
(執筆者: 田中周作)