Kickstarterでのクラウドファンディングを経て、日本国内でも販売がスタートした携帯ゲーム機「abxylute(アブソルート)」のレビューをお届けします。Android OSを搭載し、幅広いプラットフォームのリモートプレイやクラウドゲーミングにフォーカスしているのが大きな特徴です。4GB RAM+32GBストレージのモデルと4GB RAM+64GBストレージのモデルから、64GBモデルをレビューに使用しました。

薄型・軽量で可搬性は抜群

7インチのディスプレイに左右2本のアナログスティック、十字キー、ABXYとL1/L2、R1/R2ボタンのコントローラーを備える携帯ゲーム機。本体サイズはW250×H115×D30mm、重量は410gと薄型・軽量で、外出時はもちろん家の中でも、ソファーやベッドなど好きな場所へ気軽に持ち運んで遊べるのが魅力です。画面サイズはNintendo Switchより大きく、本体サイズはSteam Deckよりコンパクト。重量はSwitch(398g)、abxylute(410g)、Steam Deck(669g)の順番になります。

注目したいのがその薄さです。本体背面を見ると、上部と左右を除く部分は薄肉化されていて、全体に薄さを感じる形状になっていることが分かります。

これにより、上部はLRのトリガーボタンに十分な大きさを持たせつつ、下部は大画面タブレットのように薄い構造を実現。下部にはUSB Type-Cポートとヘッドホンジャック、microSDスロットを搭載します。

薄型ながら5200mAh容量ののバッテリーを搭載し、カタログスペックでは8時間以上のバッテリー持続時間を実現しています。USB-Cポートは15W充電に対応。USB-A to USB-Cのケーブルが付属し、USB-C to USB-Cケーブルを使った急速充電には非対応です。ちなみに、USB-CポートはDP Altによる映像出力には対応していません。

付属の収納ケースは、スティックを保護しつつスリムに持ち運びや収納が可能。

持ちやすさと操作性は十分

トリガーもサムスティックも、高精度なホール磁気センサーを搭載。トリガーはストロークがあり、レースゲームのアクセル、ブレーキのような強弱をつける操作にもしっかり対応します。サムスティックはL3/R3のクリック操作に対応。

ABXYボタンも十字キーもガタつきはなく、操作性は良好。ABXYボタンは12色から設定できるLEDバックライトが点灯します。

背面のシボ加工とくぼみのある形状により、グリップ感も上々です。ジャイロ操作や振動フィードバックにも対応し、ゲームコントローラーとして申し分ない仕様。

独自ホーム画面を搭載するAndroidマシン

OSはAndroid 12をカスタマイズしたもので、電源をオンにすると専用のホーム画面を備えた「携帯モード」が起動します。CPUはMediatek MT8365を搭載し、リフレッシュレート60Hzの7インチフルHDディスプレイでスムーズにゲームのプレイが可能。

すぐにリモートプレイやクラウドゲーミングが楽しめるように、専用アプリ「ABXYLUTEエッセンシャル」が用意されています。必要なアプリへのショートカットを選ぶと、Google Playに遷移してインストールできる仕組み。

リモートプレイ用には「Xbox」「PS Play」「Steam Link」といったXbox、PlayStation、Steamのリモートクライアントの他、PCのリモートデスクトップアプリ「Moonlight」、日本では展開していない「Shadow PC」のショートカットが用意されています。

クラウドゲーミング用には、「GeForce Now」、Xbox Cloud Gamingが利用できる「Xbox Game Pass」の他、日本では展開していない「Amazon Luna」、日本からは早期アクセス段階の「Boosteroid」のショートカットが利用可能。「Xbox Cloud Gaming」はブラウザ版へのショートカットで、Xbox Cloud Gamingで「フォートナイト」をプレイする際にはこちらを利用します。

設定メニューから「タブレットモード」を起動すると、Androidタブレットとして利用可能。タッチパネルを操作してブラウザやYouTubeを利用したり、Google PlayからAndroidアプリをインストールして使うこともできます。

Wi-FiはIEEE802.11 a/b/g/n/acに対応し、2×2 MU-MIMOをサポートします。設定メニューに用意された「接続済みWLANネットワーク速度をテストする」の項目から、speedtest.netによる速度テストが実行可能。自宅でテストしたところ、下り145.12Mbpsの結果を記録。この環境でリモートプレイとクラウドゲーミングを試してみます。

ゲーム機やPCを母艦に快適リモートプレイ

自宅のXbox Series Xを起動して、abxyluteのXboxアプリからリモートプレイしてみました。Xbox Game Passには入っていないのでクラウドゲーミングでは遊べない「ELDEN RING」も、ハンドヘルド環境でサクサク動きます。

次はノートPCでSteamを起動して、abxyluteのSteam Linkアプリからリモートプレイ。携帯ゲーム機「Steam Deck」と同じユーザーインタフェースから、ライブラリにあるゲームを選んでプレイできます。

このようにゲーム機やPCを母艦にして、好きな場所で快適にリモートプレイが楽しめます。自宅にPlayStation 4/5がないためPS Playは試せませんでしたが、abxyluteは1台でPlayStationを含む複数のプラットフォームに対応する点が魅力。

クラウドゲーミングのメインマシンに

クラウドゲーミングも試してみました。Xbox Game Pass Ultimateに加入すると利用できるXbox Cloud Gamingは、Xbox本体を所有していなくても、最新作を含むXboxの豊富なラインアップがプレイできます。「Forza Horizon 5」も美麗なグラフィックで滑らかに動作。

GeForce Nowを使えば、SteamやEpic Games、Ubisoft ConnectなどのライブラリにあるPCゲームがプレイ可能になります。

PCやスマホ、タブレットなど幅広いデバイスからプレイできるクラウドゲーミングですが、ちゃんと遊ぶにはゲームコントローラーを接続したり、スマホに装着して使う外部コントローラーが必要だったり、準備が少し面倒。abxyluteなら単体でフルのゲーム体験ができるので、複数のデバイスを使いつつ、abxyluteをクラウドゲーミングのメインマシンとして活用するのが、快適なクラウドゲーミング生活を送る環境としてオススメできます。

リモートプレイとクラウドゲーミング向けだけど……

動作が分かるように、「Starfield」のXbox Series XでのリモートプレイとXbox Cloud Gamingでのクラウドゲーミングを動画で撮影してみました。いずれもカクつきやラグがなく、快適にプレイできることが分かるのでは。リモートプレイなら、メインミッションはXbox本体とテレビの大画面で進めつつ、サイドミッションやちょっとしたタスクは、ベッドで寝っ転がったり移動時間を利用してプレイする、といった遊び方ができそう。クラウドゲーミングもリモートプレイと遜色なく動作するので、Xboxを持っていない人ならクラウドゲーミング1本で遊ぶのもアリではないでしょうか。

ちなみに、ストレージ容量は32GBもしくは64GBと少な目で、CPUパワーもそこそこなことから、リッチな3Dゲームをインストールして遊ぶのには向いていませんが、ゲームコントローラーで遊ぶのが快適な2Dゲームを遊んでみるのもオススメ。「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」が、良好な操作感で楽しめました。

abxyluteは、公式サイトで予約販売を開始しています。記事執筆時点で、価格は32GBモデルが2万9980円(税込)、64GBモデルが3万1980円(税込)。64GBモデルのみ、本体カラーはブラックに加えてホワイトが選択できます。
※価格は記事執筆時点のもので、変更される可能性があります

abxylute –日本公式サイト お好みのスタイルでゲームしよう –abxylute.JP
https://abxylute.jp/

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 幅広いリモートプレイとクラウドゲーミングに対応する携帯ゲーム機「abxylute」レビュー