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Nothing Technologyが7月25日に発売するスマートフォン新製品「Nothing Phone (2)」(以下Phone (2)」のレビューをお届けします。8GB RAMと128GBストレージ、12GB RAMと256GBストレージ、12GB RAMと512GBストレージの3モデルのうち、12GB RAMと256GBストレージのモデルをレビューに使用しています。
背面から内部のモジュールが見える透明デザインを採用し、背面にライン状に配置されたミニLEDが点灯して、古代の象形文字からインスパイアされた独自のデザインパターンが浮かび上がる“Glyph Interface”が他にない個性として注目を集めたNothing Phone (1)。その登場から約1年後、前モデルはミドルレンジという位置づけでしたが、今度はプレミアムモデルという位置づけでPhone (2)が発表されました。
本体側面のアルミフレームはPhone (1)と比べて薄くなり、背面ガラスはフラットではなく、縁にかけてラウンドする曲面ガラスを採用しています。これにより手に持った際に薄さを感じ、手のひらになじみやすいプレミアム感のあるデザインになりました。背面から見える内部パーツの造形にもこだわり、全体に質感が向上しているのがポイント。
ディスプレイは6.7インチOLED(2412×1080)で、省電力で画面を書き換えるLTPO(Low Temperature Polycrystalline Oxide、低温多結晶酸化物)を採用。最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応します。最大1600ニトと明るく大きな画面になり、Phone (1)と比べてベゼル幅も狭くなっています。
Android 13ベースのNothing OS 2.0を採用。モノクロ表示で統一したアプリアイコン、統一されたデザインのウィジェットにより、カスタマイズ性を持たせつつ本体デザインと調和した外観を維持します。
ロック画面に配置できるウィジェットがなかなか便利。ロックを解除せずに、QRコードのスキャンや設定項目へのアクセスなど利用したい機能をすぐに立ち上げることができます。
プリインストールされた「Nothing X」アプリでは、完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (2)」「Nothing Ear (stick)」との連携を強化。新機能の「Advanced Equaliser」を使って、グラフィカルなインタフェースでQ値(先鋭度)、周波数を含む詳細なイコライジングが可能になりました。ハーフインイヤー型のEar (stick)向けには、使用時に周囲のノイズを減衰させる「Noise Reduction」の機能を追加しています。
Glyph InterfaceはPhone (1)と比べてライトの分割数が増え、より複雑なパターンの発光を可能にしています。
Phone (2)専用の発光パターンと着信音を10パターン収録。Phone (1)に収録していた10パターンも選択できます。
プログレスバーのように光が伸縮する表現が可能に。「Glyphタイマー」として視覚で分かるタイマーが利用できる他、食事のデリバリー、タクシー配車といった対応アプリで進捗を確認できるビジュアルトラッカーとして利用できます。
Glyphの発光パターンと同期する着信音を自分でカスタマイズできる「Glyph Composer」も搭載。Nothingの出資者でもあるエレクウトロニック音楽グループ、Swdish House Mafiaが音源を提供するサウンドパックの提供も予定しています。
さらにGlyph関連では、照度センサーを利用した自動輝度調整、Glyph全体を光らせる「Glyph Torch」が利用できる他、Phone (1)で搭載していた充電メーター、画面を下にして置くと光のみで通知する「Flip to Glyph」といった機能がそのまま利用できます。
Glyphの発光パターンやGlyph Composerの動作は、ライブ配信番組「ガジェット通信LIVE」で実機を使って紹介しています。
「Nothing Phone (2)」実機レビュー / ガジェット通信LIVE #120(YouTube)
チップセットはSnapdragon 8+ Gen1を採用し、Phone (1)と比べてパフォーマンスは80%、電力効率は30%向上。
ベンチマーク結果は、「3D Mark」の「Wild Life Extreme」が2796、「Geekbench 6」のシングルコアのスコアは1732、マルチコアのスコアは4581。いずれも昨年発売されたSnapdragon 8+ Gen1搭載のゲーミングスマートフォンを上回る結果を記録しています。
「NEW STATE Mobile」のようにリッチなゲームアプリも滑らかに動作。プレイ中に過度な熱を感じることもなく、ゲームのプレイ環境としても使えるスマホと言えそうです。
Phone (1)と比較して、バッテリー容量は4500mAhから4700mAhに、急速充電は33Wから45Wにパワーアップ。15Wのワイヤレス充電、5Wのリバース充電への対応はPhone (1)と同様です。充電ポートはUSB Type-C。クリアパーツを使用したオリジナルのUSB-Cケーブルを同梱します。USBポートはDP Altモードによる映像出力には対応していません。
カメラ機能の強化にも注目。メインカメラはイメージセンサーにIMX890を採用した5000万画素広角と、5000万画素の超広角の2眼構成。インカメラはIMX615を採用した3200万画素カメラを搭載します。
メインカメラは5000万画素で撮影する「50 MP ULTRA HD」と1200万画素で撮影する「12 MP HD」の画質で撮影が可能。超広角は0.6倍、1200万画素モードでは最大10倍のズーム撮影に対応します。
解像度により画角が異なり、1200万画素モードでは4:3、16:9、FULL、1:1の比率が選択可能。1200万画素モードでは16:9の比率で撮影しています。広角、超広角とも、明るい日中では高い解像感の写真が撮影できました。10倍ズームもディテールがつぶれずに描写できています。
ポートレートモードでは2倍ズームが利用できる他、マクロモードの撮影にも対応。デザインやCPU性能だけでなく、カメラもプレミアムなスマホとして今後認知されそうです。
このようにプレミアムモデルとして進化しながら、Phone (1)同様の手ごろな価格帯で提供されるのも魅力。8GB RAMと128GBストレージのモデルは7万9800円(税込)、12GB RAMと256GBストレージのモデルが9万9800円(税込)、12GB RAMと512GBストレージのモデルが10万9800円(税込)と、最上位モデルでも10万円程度の価格となっています。
発売日は7月25日ですが、7月21日から開始した直販サイトの予約販売では初回在庫が完売し、記事執筆時点では8月初旬の出荷予定となっています。すぐに入手したい人は早めに動くのが吉かもしれません。本体カラーはレビューに使用したグレーとホワイトをラインアップしています。