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どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
ラブホテル市場といえばほの活況さのイメージゆえ、一部の人々からは羨望のまなざしが注がれます。しかし、そのイメージは本当なのでしょうか? 実は今現在、ラブホテル市場は縮小傾向にあり、様々な問題を抱えています。
コロナの影響による客離れや設備維持、従業員の確保や後継者問題など、悩みは尽きないラブホオーナー。
そこで本日は、関西某県でラブホを経営しているオーナーのEさん(58歳)にコロナ禍のラブホはどうだったのか、抱えておられる問題のお話をお聞きしたいと思います。
丸野(以下、丸)「ラブホを所有されているとのことで羨ましい限りなんですが、経営はそんなに大変なものなんですか?」
Eさん「ラブホ物件は不具合箇所との戦いです。ラブホ物件は基本的に古い物件をフルリノベーションして、見た目を変えるだけ。メンテナンスには、外部業者も入れて時間と金がかかるんです。何度もなんども直してもどこからか水漏れが起こったりする。いたちごっこの状態ですよ」
丸「毎日のメンテナンスが欠かせないんですか」
E氏「風俗店なども同じだと思いますよ。日々特定多数の人間が使うものなのですから当然です。回転が早いから、なかなかね。一般的なホテルとは違います」
丸「その他には何かありますか?」
E氏「従業員同士の喧嘩ですね。清掃のやり方ひとつとってもそれぞれにやり方が違う。清掃している部屋で性的行為を行うスタッフたち、フロント係の金の持ち逃げまでいろいろとあります。スネにキズを持つ人間も昔は多かったですから……。さらにホテルが老朽化してくれば、若いスタッフが集まりにくくなる。そこも頭の抱えどころですね。SNSでの集客やPOPづくり、アイデアや発想力がどんどん時代遅れになるんです」
丸「ちょっとしんどいでしょうしね。外注になるでしょうね」
丸「コロナのときはさぞ大変だったでしょう」
E氏「そうですね、都市部のラブホテルは休業に追い込まれたりしていたので、少し離れた私たちのような店舗まで車で足を伸ばす宿泊、休憩のお客さんが多かったですね。それか、他府県ナンバー。ドライブがてらやってくるんですよ」
丸「なるほど」
E氏「満室率や休憩などはあまり変わっていませんよ。逆にコロナ時の方が増えていたと思いますね。従業員からは文句をこぼす者もいて、逆に臨時で寸志を出したほどです。彼らは汗水流して室内清掃などに追われているわけですから。フロントも休んでられません」
丸「さすがにコロナ禍では人を増員することもできませんもんね」
E氏「観光地などの旅館な近くなどでは、求人に人は殺到しました。もちろんうちのホテルでも。相変わらず活況だと聞いたからです。しかし、2020年くらいからはお客さんの数も減っていきましたね。どこまでいっても、学者やマスコミが煽り立てて、未知のウイルスにしたわけですから」
丸「僕はコロナ病棟の消毒業者に潜り込んで取材して『アサヒ芸能』でも書いたのですが、病室内でエクモをつけていたのは高齢者ばかりでした。これって、僕が病院で見舞った祖母の病室と同じような状況だったんですよね。インフルエンザに罹患した高齢者ばかりの病室で……。あっ、こりゃおかしいな、と」
E氏「それでどれだけの会社、商店、飲食店が廃業に追い込まれたかということですね。運がいいことにうちのホテルはそれは免れましたが……。その頃はまだわからなかった」
丸「客層が変わったことなどはありましたか?」
E氏「そうですね。家族連れが家庭より大きなお風呂に浸かりにきたり、子どもたちがプール代わりに利用することもあります。ウエルカムドリンクもあるし、ファミリーで食事もできる。それに、映画も見られるわけですからね」
丸「僕もなんども連れて行ったことがありますが、ジャグジーの中で喜んで出てこなかったですよ」
E氏「子供たちにとっては、休校になっているときに日常とは違う異空間の体験ができるわけですよね。自宅でヒマつぶしをしている子供たちをパブリックスペースではない、感染リスクが低いラブホに連れて行く親の気持ちもわかります。当ホテルではしっかりとした消毒なども行っていましたから」
丸「当時はコロナ禍でもパチンコ店など、ヒマな大人たちが集って台を打っていましたもんね。そう考えると健全ですよね」
E氏のラブホは現在平常運転で無事に今も稼働している。若手の新人従業員も入ってきて、額に汗しながら働いているという。
(C)写真AC
(執筆者: 丸野裕行)