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アップルの新製品発表会で驚きをもって迎えられたのが、「Apple Watch」シリーズに新たに加わったApple Watch Ultraでした。MIL-STD 810Hの関連項目の規格に準拠し、–20°Cの寒さの山から55°Cの高温まで対応、100mの耐水圧性能を持ちます。それ以外にも耐衝撃や振動、結露など過酷な条件にも対応します。
日本でイメージできるのは雪山登山やトレイルランニング、スキューバーダイビングなどのエクストリームスポーツです。
1回の充電で最大36時間、watchOS 9で搭載される低電力モード時で最大60日のバッテリー持続時間で、宿泊を伴うアクティビティや旅行などでも使い続けられるようになっています。公称スペックから推察すると、Apple Watch Series 7やApple Watch Series 8などのUltraではないモデルと比較して倍のバッテリー持続時間があるように感じました。
Apple Watch Ultraの驚異的なところは、従来のアウトドアウォッチであれば、例えば登山やアウトドアアクティビティなら「PRO TREK」や「SUUNTO 5」など、ダイビングならばダイビングコンピューター、アドベンチャーレースなら「G-SHOCK」など専用の機能を備えたものがあったところを全てApple Watch Ultraで置き換えてしまおうというところにあります。
799ドル(12万4800円)という価格は単機能なアウトドアウォッチとしては高額に感じますが、夏はダイビングや登山、冬は雪山登山やバックカントリースキーもやるというようなアウトドアレジャーを幅広くやる人にとっては、それぞれ専用の時計や機器を使い分けるよりもApple Watch Ultraひとつで賄えてしまえるとなると、コスパは良く感じます。とはいえこの価格であれば5年は使いたいところですが、おそらくファーストモデルは難しいかなと言うのが悩ましいところです。3世代目くらいで完成度も上がってこれなら、という感じに仕上がりそうな予感です。
Apple Watch Series 8は、Apple Watch Series 7の機能に皮膚温測定機能が加わったというアップデートです。したがってApple Watch Series 7から買い換えるというほどではありませんが、Apple Watch Series 6以前のモデルを使っている、その中でも特に女性は積極的に買い換えても良いモデルといえます。
皮膚温測定は、特に女性の健康管理に役立つとされており、この機能を重視する人にとっては買い替えの決め手になるかもしれません。
第2世代のApple Watch SEは、Apple Watch Series 8から血中酸素、心拍、皮膚温などのセンサー類を省略して価格を抑えたモデルです。
学生など、はじめてのApple Watchで消費カロリーなど基本的な計測ができれば良いという場合には十分な機能ですが、この価格帯ではより高機能なスマートウォッチやリストデバイスがしのぎを削っているので、どうしてもApple Watchでなければならないということでない限り苦戦を強いられそうです。おそらくはリーズナブルな価格帯でのラインナップを存在させることでApple Watchラインナップ(包囲網)を作りたいという目的での戦略モデルだと思うので、機能を重視する人は他のメーカーを選ぶ方が納得感、満足感があると思います。
Apple Watch Ultraにしても、スペックや機能はかなり驚きの性能で、アプリを含め仕上がりが良ければ他のアウトドアウォッチの存在意義が薄れてしまうほどのインパクトになると思いますが、現物がどうなっているかはまだわかりませんし、そのアクティビティをする際に適したUI、UXに仕上がっているどうかは不明ですので、本当の評価は実際のフィールドで使ってからになりそうです。
(執筆者: ipodstyle)