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金もツテもない…けれども、強運と縁に恵まれた俳優志望の男が、他人に “拾われ”続けることで、夢も恋も掴んでいく―。俳優・松尾諭さんが自らの波瀾万丈なサクセスストーリーを描いたエッセイ「拾われた男」がドラマ化!ディズニープラス「スター」にて、絶賛見放題独占配信中です。
原作者の松尾さん自身であり、持ち前の人を惹きつける魅力と強運で他人に“拾われる”ことで人生を切り開く主人公・松戸諭を演じるのは、若手演技派俳優として今最も注目を集める仲野太賀さん、その兄・武志には草なぎ剛さん。諭の運命の女性である比嘉結に伊藤沙莉さんと、今注目のキャストが大集結。監督は、NHK連続ドラマ小説「あまちゃん」、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の井上剛さんが務め、脚本は、映画『百円の恋』『喜劇・愛妻物語』の足立紳さんが紡ぎます。
本作の原作者である松尾さんご本人にお話を伺いました!
――ドラマ『拾われた男』が絶賛配信中ですが、原作者の松尾さんも結構反応をいただくのではないでしょうか?
電話が鳴り止まないほどの反響…とかでは無いですけどね(笑)。妻がすごく喜んでくれていて、家でずーっと流していて、1話につき50回くらい観ています。このまま太賀くんにとられるんじゃないかなと思うほどです。
ドラマがすごく面白いですし、ディズニープラスさんとNHKさんの座組みでドラマ化してもらえるなんてすごい事じゃないですか。本当に嬉しくてたまらないのですが、あまりにもベラベラ『拾われた男』の話ばかりしていたら「調子に乗っている」と思われそうなので、逆に言ってないです。本当は、現場で「観た?観た?ドラマ観た?」と一人一人に言ってまわりたいくらいです。でも出来ないから心の中で(向こうから言ってくれへんかな)って(笑)。
――井上剛さんと足立紳さんのタッグというのも、俳優さんたちに羨ましがられそうです。
俳優はみんな出たいですよね。僕も出たいです。このお2人が制作に入ってくださると聞いた時点で「すごいキャストが集まりそう」と思っていました。蓋を開けたら想像以上のキャストが集まって。もちろん大変な事がたくさんあったと思いますし、足立さんも良いものを作ろうという“産みの苦しみ”があったと聞いています。でも、出た方はみんな「本当に楽しかった」って。あと「太賀くんと芝居して楽しかった」って言うんですよ。それは嫉妬しています(笑)。
――ご自身がモデルになっている人物を仲野太賀さんが演じていて、その太賀さんを皆さんが絶賛するという、複雑な心境になりそうですよね(笑)。
それが、どっか記憶が間違っていって「松尾諭との芝居が楽しかった」と思ってくれる様になったらいいなと思います。
――記憶が交錯していくというか(笑)。仲野太賀さんとはもともとご交流はあったのでしょうか?
『天地人』という大河ドラマに出演した時、最終話にブッキー(妻夫木聡)が演じる直江兼続の息子・直江景明役で太賀くんが出ていて、会話をしたわけではないのですが、好青年という印象は持っていました。お仕事ではそのくらいで、その後は友達同士の集まりで会ったことはありますが、しっかりお話をしたことがないまま、『拾われた男』の企画がはじまったという感じです。
僕の役を演じているからとか関係なく、すごく太賀くんの芝居が面白いし、ドラマが面白い。これだけ色々な方が出て、第一話からトロに和牛ステーキにデザートに…という勢いで出てくるのに、食あたりを起こさないんですよね。それはやっぱり太賀くんの力だと思います。太賀くんが豪華キャスト陣のバトンを上手に渡している。
――あくまでも松戸諭が主人公というか。
当初は、『拾われた男』だから、無名のキャストさんを起用しようという案もあったそうなんです。でも、他の登場人物たちがあまりにも豪華になっていったので、経験が無い方だと負けてしまうだろうと。そんな時、井上さんから「仲野太賀くらい振り幅のある人じゃないと難しい」という意見があって、僕は全ておまかせしてるんで、っていう感じで決まっていきました。期待を遥かに上回る演技をしてくださって、素晴らしいですよね。
ドラマを観てくださった方からは「太賀くんが松尾さんに見える!」と言われるのですが、太賀くんが本当に上手なので、観ている方も「松尾諭は芝居が上手い」って勘違いしてくれたら、と。
――再び交錯ですね!(笑)私は「拾われた男」の連載時から読ませていただいていて、ファンだったので、映像化したらどうなるんだろう?という思いもあったんです。でも本当に素敵なドラマで。
僕もどうなるんだろうって思っていたんですよ。自分の話だからというのもあるのですが、ドラマにして面白くなるのか?と。でも、これだけの人が集まってくれたら大丈夫だろうと思ってからの、第一話。「こんなに面白くなる?!」「ここまで面白く話書いてないやろ!」ってビックリしましたね。
――原作も本当に素晴らしいですが、ドラマもまた別の魅力、面白さがありますよね。連載をはじめたきっかけというのはどういうことだったのでしょうか?
「文學界」から執筆の依頼をいただいた時に、何を書いても良いということだったので、僕がこの業界に入ったきっかけの話を書こうと。これまでも、何千回と話していて、必ず驚いていただける話だったので、それをまとめようと思いました。連載になるとも思っていなかったですし、皆さんに自分の文章を読んでもらうことも初めてだったので。「面白いんで連載しませんか」と言っていただいて、えっ!と驚きつつも、続きを書けばいいのかなと。
――執筆作業というのは本当に時間がかかりますよね。無責任な発言ですが、いちファンとしてまた別の御本も読んでみたいです。
今、次作を書いていて、本当に大変です。脳がずっと働いている感じ。しんどいんですよ、ほんまに。芸能人の方がよくエッセイを出されるじゃないですか。自分でこの本を書いてみて「あいつら、絶対自分で書いてないな」って確信しました(笑)。もちろん書いている人もいると思いますが、あんなに忙しくしていて本を書く時間なんて無いですもん。
「続編はどうですか?」と言われると、いやいやいや!って。あ、でも太賀くんがまた演じてくれるのなら、続編が観たいなと思いますね。井上さんと足立さんが作ってくれるなら。書きたいな、より観たいなです。
――いつか続編が読めること、観れることを楽しみにしていますね。松尾さんは、ディズニープラスは普段ご覧になったりしますか?
マーベルが好きなのと、子供がピクサーを見るので、日本上陸した際にすぐ入会しました。映画の見直しもしていますし、ドラマシリーズも観ています。なので、『拾われた男』の配信がスタートした時に、妻が「ドクター・ストレンジの横に松ちゃんが!」(※)ってビックリしていました(笑)。「ドクター・ストレンジ、拾われた男、オビ=ワン・ケノービって並びすごい!」って。『拾われた男』の写真は僕ではないですけれど。
※ディズニープラスのトップページに表示されるバナーのこと。
――ちなみに、マーベルヒーローでは誰がお好きですか?
その質問はすごく悩んじゃうんですけど…。やっぱりアイアンマンの存在は大きかったと思います。あれくらいパンチのあるクセのあるヒーローの立ち位置を、今後は誰が担うのか?ドクター・ストレンジなのかもしれないし、とか楽しみですね。でも、一番好きなヒーローは、ブラック・ウィドウ、2位はワンダ・マキシモフです。ワンダは顔が好きです。スカーレット・ヨハンソンは、やはり名優というか、見せ方がすごく上手ですよね。訓練を受けていますが、人間なのにとても強い。カッコ良いです。映画は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がシリーズでは一番好きです。この話をすると止まらなくなっちゃうんですが。
――松尾さんのマーベルトークはいつかじっくりお聞きしたいです!
こうして取材で「将来の目標はありますか?」と聞かれることがありますが、「アベンジャーズの一員」ですから。
――『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のシム・リウや『エターナルズ』のマ・ドンソクなど、アジアの俳優さんたちが活躍していますものね!
マ・ドンソク!彼には勝てないでしょうけど…。カッコいいですよね。
――『拾われた男』も世界中で観ることが出来るので反響が楽しみです。
海外の方が観てくださった時にどういう反応をしてくれるのか気になりますよね。僕が原作だからオススメしているわけではなくて、映像作品としてこんなにクオリティの高いものはそうそう無いので。自信を持ってオススメ出来ます。しかも明るい。日本発で人気のある作品って暗い、ダークなテイストが多い様な気がするのですが、こういう明るくて元気になれる作品が話題になってくれた嬉しいです。そして、マ・ドンソク主演でリメイクしていただきたいです!
――マ・ドンソクの『拾われた男』!観たいですね(笑)。今日は本当に楽しいお話をありがとうございました!
編集後記:撮影では、カメラマンが着用していた「チャージマン研!」のTシャツに反応して、チャー研ポーズをしてくださった松尾さん。本当にありがとうございました!
(撮影:オサダコウジ)
『拾われた男』
原作:松尾諭著「拾われた男」(文藝春秋刊)
監督:井上剛
脚本:足立紳
音楽監督/音楽:岩崎太整
出演:仲野太賀
伊藤沙莉 / 鈴木杏 伊勢志摩 北村有起哉
要潤 安藤玉恵 前田旺志郎 北香那
松本穂香 岸井ゆきの 片山友希 大東駿介 塚本晋也 六角精児
夏帆 松尾諭 柄本明 ベンガル 綾田俊樹 末成映薫 井川遥
風間杜夫 石野真子 / 薬師丸ひろ子
草なぎ剛
制作・著作:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社/株式会社NHKエンタープライズ
配信: 『拾われた男』ディズニープラス「スター」にて見放題独占配信中
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